10年くらい前になるでしょうか、
同僚の子供がカードゲームに夢中になって困っていました。
買い物に行く時には必ず付いてきて、
カードゲームをさせてくれるようせがむのだそうだ。
カードゲーム機の先駆けともいえる、「ムシキング」がブームとなり、
男児は挙って、カード買い集め対戦ゲームに夢中になっていました。
その後、玩具メーカーが参入して、アニメやヒーロー者のゲーム機が登場し、
子供だけでなく親の世代を巻き込んだブームとなります。
一方、女子は小学生になると、関心はファッションなどに移り、
アニメに関連した玩具にはあまり興味を抱かなくなっているとのこと。
そんなことから、メーカーにとって小学生女児向けの玩具について、
ヒット商品は長年の夢でありました。
ここにきて、女児向けにもカードゲームの人気がやってきそうな気配です。
女子に関心の高いおしゃれ心に注目して、
キャラクターの着せ替えアイテムとしてカード(コイン型)とする仕組み。
同時に、実際に見につける服やアクセサリーも、
ブランド化して販売することで人気に弾みをつけています。
バンダイの創業者 山科直治氏は、日本初のテレビキャラクター
「鉄腕アトム」の発売を商品化することを皮切りに、
ウルトラマンシリーズなどの特撮もの、
宇宙戦艦ヤマト、ガンダムなどのアニメのキャラクター商品を、
次々と発売していきます。
それらのキャラクターは、発売とともに大ヒット、
その年代の子供たちにブームを巻き起こすものさえ生まれてきます。
バンダイは、こうしてキャラクターとともに成長してきたのです。
また、山科氏は少しでも可能性があると思う分野には、
商品開発に力を注ぐことを惜しみませんでした。
その成果が、「たまごっち」に見られるような、
新分野での大ヒット商品の誕生に現れています。
反面、独自規格のファミコン「ピピンアットマーク」の失敗による
多額の損失により経営危機が生じたように、
発展への意欲は、時には大やけどを蒙ることがあるのです。
新商品の開発には、相当の資金が必要となります。
しかし、資金力があれば開発が順調に進むと考えることは禁物です。
そもそも、新しい分野のビジネスの成功確率はとても低いものです、
的を絞り込まずに、どんなにお金をかけてもすぐに底をついてしまいます。
ビジネスを続けていくには、新しい分野への投資は不可欠ですが、
お金を使う範囲と限度、何より撤退するボーダラインを
決めておくことが大切です。