知名度を高める方法は色々

 企業がスポーツ選手や、所属チームとスポンサー契約することは、
 古くから行われていましたし、
 最近では、スポーツ施設の命名権の取得をすることで、
 企業名や自社商品の知名度アップを図っています。

 ひとつには、選手やチームが活躍することにより、
 企業のイメージアップにつながることが理由に挙げられますが、
 このところ重視されているのは、マスメディア広告に比べ割安な金額で、
 頻繁に認知してもらえることです。

 企業が営業活動する際、重要なのが知名度になりますが、
 特に海外展開を図る際に、知名度が低いと足かせになります。
 そういうことで、空調メーカーのダイキン工業は、
 トルコのバレーボールチームのスポンサー契約を結んでいるそうです。

 家庭用エアコンの普及率が低いことで、開拓の余地があると見込み、
 11年に現地メーカーを傘下に置き、需要獲得を目論んでいました。
 しかし、知名度がないことが営業の課題となっていたのです。

 そこで、強豪チームである「ガラタサイ」と契約を結び、
 チーム名に企業名を入れ「ガラタサイ・ダイキン」としたのです。
 その活躍ぶりは新聞で報道され人目に止まり、
 試合会場では会社名の看板も目立つこととなったそうです。

 現在、ダイキン工業は空調機器販売シェアの世界トップを握る企業です。
 しかし、90年代初めまで、国内売上は業務用エアコンや、
 ゼネコン向けの空調設備に偏って行われており、
 なおかつ、利益は業務用エアコンに支えられていました。
 その為、家庭用エアコンでは知名度が低い状態が長く続いていました。

 同社が海外販路に大きく舵を切ったのは、90年代半ば頃からです。
 海外販売を握る代理店や現地メーカーを次々と傘下に収め、
 販売体制を強固なものと変えていったのです。

 現地の代理店に独占的な販売権を与え、販売拡大を狙っていても、
 オーナーの販売意欲や取扱商品の得意不得意によって、
 こちらの思い通りにならないことがしばしばだったのです。

 ある国の代理店は家庭用エアコンを専門としていて、
 同社が得意とする業務用エアコンは販売してもらえませんでした。
 別の国では、大型空調を得意としていましたが、
 こちらが望む家庭用エアコンには手をつけませんでした。

 買収して傘下に収めたことにより、意思疎通が容易になり、
 販売計画がスムーズに進むようになったことはいうまでもありません。
 何より、同社の経営理念を理解してもらえることにより、
 マネジメントを任せられるようになったのです。

 良いことばかりではありません、
 買収には販売代理店に対して資金援助することに比べ、
 桁違いのお金が必要となります。

 それでも買収の方法を選ぶのは、
 現地で知名度をいち早く高めて販路を確立するには、
 傘下に収めることが最も手取り早い方法だからなのです。

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