大手では小さな市場でも、十分生き残れる可能性がある

 年を追うごとに増える真夏日、おまけに電気代もうなぎのぼりだから、
 クーラーをつけっぱなしという訳にもいきません。
 こんなときに助かるのが、手軽に買い足せる扇風機の存在、
 節電のアナウンスもあり、1台2台と増えていったのは、
 我が家だけではないはずです。

 そんな中、海外製の羽根なし扇風機が好調に売れていることから、
 国内メーカーも高機能を謳った製品を続々と投入しています。
 この高級扇風機市場を生み出したのは、
 世間では全く無名な「バルミューダ」という会社なのです。

 2010年に、自然に近い風を再現するため、独自の羽根の構造を開発し、
 直流モーターを使った省エネ扇風機を発売しました。
 当初は、1万円以下の商品が主流である扇風機市場に、
 3万円を超える価格は、「誰も買うわけない」と思われていました。

 蓋を開けてみると、省エネ効果はもとより、
 静けさや上品な風の流れに、高級志向な顧客の目に留まることとなります。
 その後は、大手メーカーからも次々と新商品が登場し、
 新しい市場が出来上がることとなったのです。

 扇風機は、東芝が国産第一号としてこの世に送り出した製品です。
 そのほかにも、電気アイロン、ラジオ受信機、電気洗濯機、電気冷蔵庫など、
 本当に沢山の家電製品の国産化に成功しています。

 当時は、輸入される電化製品はとても高価であり、
 国産品は専ら低価格を目的として開発が行われたのです。
 現在は状況が変わり、ある程度普及した電化製品は、
 十分の一程度の価格で中国や新興国の製品が店頭に現れます。

 100年を超える会社の歴史は、紆余曲折、色々なことがあって当然です。
 明治初期に設立され、近代日本の発展と共に成長してきた東芝は、
 悩みの点でも日本の会社を代表するといえます。

 戦後の労働争議や大企業病、海外メーカーの台頭など、
 数え上げればキリが無いほどです。
 労働争議は会社の存続が危ぶまれるほど民間企業では重大な問題でした。
 この問題を収拾するために石坂泰三氏が選ばれ解決をみせます。

 ところが、生え抜き人事で後を任された社長の放漫経営が始まります。
 社長室には、専用の浴室、トイレ、そして専属コックまで置いたというのですから、
 そのタガの緩みかたは、尋常ではなかったのでしょう。
 当然のことながら、会社の士気は下がり、業績は落ち込み、株価は急落!

 その事に対して、再建の役を担ったのが、土光敏夫氏でした。
 「社員は三倍頭を使え、重役は十倍働く、新社長はそれ以上に働く」と
 スローガンを掲げ、それを偽りなく実行した人です。

 10年も経てば、世間の好みも人の考え方も変わっていきます。
 現在のエネルギーから、注目されている太陽光発電やバイオ燃料へ、
 移行が進んだ後には、また新しい電化製品が登場してくることでしょう。
 エコロジー、節電需要という「神風」に押されて登場した製品は、
 数限りなくあります。
 これらの製品の行方は、どのようになるのでしょう。

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