ご当地名物にも意外な秘密が…

 皆様は「秘密のケンミンSHOW」という、
 TVのバラエティー番組をご存知でしょうか。
 タレントが自らの出身地の伝統や文化、習慣などを紹介する番組なのですが、
 「なぜ、どうしてと」目を疑うようなものばかりです。

 話題としては、食べ物に関するものが多いように感じますが、
 独特な食材の組み合わせや、食べ方を目の当たりにすると、
 食文化とは奥が深いものだと感心させられます。

 お正月や成人式など、ハレの日を飾る食べ物の代名詞ともいえる、
 老若男女が大好物な「すし」。
 なんと、全国の中で年間の消費量が最も多いのは、
 岐阜市だというのをご存知だったでしょうか。

 ネタとなる魚や貝などが豊富に獲れる海沿いではなく、
 内陸部であることにビックリさせられます。
 外食好きな地域性とともに、海産物を重宝としていたそうですが、
 隣接する愛知県に酢や?油メーカーが多く、
 古くからすし文化が根付いていたことが習慣となっているそうです。

 酒粕を原料として醸造酢を作ったのは、愛知県にあるミツカンが最初です。
 驚くことに、ミツカンは酢作りを始める前は、造り酒屋を営んでおり、
 ミツカンの初代 中野又左衛門氏は、酒造りの規制が解かれるため、
 競争が激しくなると予想して新しい事業を模索していました。

 しかし、造り酒屋が「酢」を作るなんて、考えられないことでした。
 酒桶に酢酸菌が入ってしまうと、お酒が全部「酢」になってしまうからです。

 現在の握りずしの原型は、江戸から広まったとされる、早ずしです。
 それに使われていた酢は、高価で醸造に時間がかかる米酢だったのですが、
 又左衛門氏は、これを安価な粕酢に代えてもらうことで、
 寿司をもっと手軽に味わってもらえるのではないかと考えます。

 その目論見は、見事に的中し、握りずしのブームと共に、
 ミツカンの粕酢は欠かせないものとなっていったのです。
 初代から続くチャレンジ精神は、その後も絶えることなく現在に至っており、
 匂いの少ない納豆でヒットした
 「金のつぶ」を代表とする納豆事業に受け継がれています。

 反面、成功の影には、苦い経験も数多く残されています。
 明治中期、日本に入ってきたビールに強い関心を持った、
 四代目 又左衛門氏は、一気にビール醸造事業に傾倒していきます。
 独自ブランドの「カブトビール」は、
 全国5位のシェアを占めるまでになりますが、
 その後の統合政策により、事業としては終えることになります。

 赤字であった事業が、少しずつ利益が上がるようになり、
 ようやく黒字に転換していった時の喜びは、経営の醍醐味といえるでしょう。
 そして、確実に利益を蓄えられるようになった時に、
 経営者が考えておくことは、「引当(ひきあて)」することです。

 「引当」とは、将来に発生するべき支出に対して、
 予め貯蓄等をして資金を残しておくことです。
 店舗や工場の設備の修繕や更新、従業員の増員や退職金など、
 数え上げると、何年かごとに発生する支出が結構あるはずです。

 黒字と思っていたけれど、「引当」を実行してみると、
 そうでもなかった場合もあるはずです。
 大切なのは、一時(短期)の利益ではなく、
 大きな周期で利益を出せているかどうかということなのです。

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