各地で猛暑日が続く中、早く秋が近づいて欲しいと望んでいるのは大人だけ?
子供たちといえば、体力と情熱が発散できるこの時期を満喫しようと、
朝から晩まで、あれこれと作戦を練っています。
秋がやってきてほしくない、もうひとつの理由はお分かりのとおり、
夏休みの宿題が待ち受けているからです。
その中でも「自由研究」という曲者については、
子供たちはもちろんのこと、親御さんも悩みの種だそうです。
カレー・香辛料メーカーのヱスビー食品では、
子供に向けてハーブやスパイスにつての情報発信に力を入れています。
夏休みの自由研究向け特設サイトは、毎年リニューアルしていて、
今年は研究レポートを会社に送ると、
プレゼントがもらえるキャンペーンも始めたそうです。
また、カレー工場のバーチャル見学ができる動画サイトを新設し、
現場にいるような擬似体験で関心を惹きつけます。
カレー好きと言われながらも、香辛料全体の使用量は諸外国と比べ少ないとされており、
将来のマーケットとなる子供たちの開拓に知恵を絞っています。
初めて、日本にカレーが登場したのは1863年といわれていますから、
150年が経ったことになります。
その10年後には、陸軍食堂の昼食メニューに、
「ライスカレー」が登場したそうですから、注目の度合いが覗えます。
食材のバランスに加えて、簡単に調理できる事が支持される理由だったそうです。
当時のレストランでは、イギリスから輸入したカレー粉を使って調理していました。
ヱスビー食品を創業者することとなる山崎峯次郎氏は、
ソース店の営業マンをしていましたが、初めてカレーライスを口にし
それまで経験したことのない異国の味に、すっかり虜になってしまいます。
こんなに美味しいものを、好きなときに口にできないことが、
残念で仕方がありませんでした。
どうにかして、多くの人が気軽に味わえないものにならないかと考えると、
この手でカレー粉を作ってみなければいけないと思い立ったのです。
しかし、カレー粉がどのような成分からなり、配合の割合など、
全くわかっていなかったので、手探り状態ではじめるしかありませんでした。
あちこちの薬店を廻り、海外でカレーを食べたことがある人の話を聞いたりし、
カレーの研究に没頭していったのです。
昭和5年、努力の甲斐もありカレー粉を発売することにこぎつけます。
最初は、国産のカレー粉に見向きもしなかったレストランでしたが、
少しずつ取り扱ってもらえるようになります。
やがて戦争の気配が色濃くなっていき、次第に原料の入手が困難になってきます。
ついに、外国から輸入が途絶えることになりますが、
その間も、全国を駆け回り原料を確保するのでした。
戦地や疎開先でも香辛料として、
カレー粉は重宝され、日本人の舌になじんでいきます。
終戦を迎え、ヱスビー食品はいち早くカレー粉の販売を開始します。
そして、乏しい食材でも美味しく食べられるカレーライスは、
一般家庭の料理として、徐々に浸透していきます。
やがて、固形カレールーの登場とともに、
カレーは食べ盛りの子供のおなかを満たす、
日本人の家庭の味となっていったのです。
レトルト製品が出回り、食卓に普及するようになると、
日本の食生活には欠かせない存在となっていったのです。