本当にビジネスの相手を間違っていない?

 景気の良し悪しに影響されず、高い人気を誇るのが超高級車です。
 スポーツ選手がお気に入りのスポーツカー「フェラーリ」を初め、
 イタリアの「マセラッティ」、イギリスの「ロールスロイス」など、
 どれもがン千万クラスのお値段なのですが、
 顧客が世界でも一握りの富裕層であるだけに、
 巷の不況なんて、ちっとも関係ないといったところなのでしょう。

 「悪い、悪い」と言って、何が原因だかさっぱりわからないままに、
 売れないと嘆いていっても、ビジネスとしては成り立っていきません。
 テレビや新聞のニュースに踊らされて、
 世の中すべてで景気が悪いと勘違いしてしまいがちですが、
 お話した高級車のことも事もそうですし、
 全く反対の庶民を見方としたビジネスも好調なところが多いのです。

 フリース・ブームを引き起こし、一躍有名になったユニクロですが、
 景気が良くなった05年前後は元気がありませんでした。
 ところが景気が陰りを見せてくると、
 再び人気を取り戻し、ヒット商品が生まれてくるようになったのです。

 ユニクロは柳井 正氏の父親が経営していた紳士服店に見切りをつけ
 84年にカジュアルウエアに進出したことから始まります。
 アメリカの大学生協でセルフサービスの店に立ち寄ったときのことです。
 本やレコードと同じようにカジュアルウエアを気軽に
 セルフサービスで売れるような店作りが思い浮かんだのです。

 その構想を土台に、倉庫風の建物にアメリカを強くイメージさせる
 装飾を凝らした店舗を広島にオープンさせました。
 当時流行っていたミュージックTVのDJを起用したCMや広告が功を奏し、
 若者のアメリカ志向とカジュアルウエアに的を絞った
 柳井氏の狙いは見事的中することとなったのです。

 1号店のオープン後、店舗は増えていきますが、
 経営は楽になりませんでした。
 どこの店でも行っていた、メーカーや問屋が企画した商品を
 委託仕入れして販売する方法を採っていたため、
 品揃えや売価設定を思うように行えなかったのです。

 87年、これを解決するには、自らが商品を企画し製造、
 そして販売まで一貫して管理することが大事だと気づきます。
 これには、既にアメリカで急成長した
 カジュアルウエア・メーカーがとっている方法
 (製造型小売業、SPA)が参考になりました。

 不況の影響で家賃が安くなったこともあって、
 テナントに入りやすくなり
 98年に原宿に出店することになります。
 このときのキャンペーンが、大ヒットとなる「フリース」だったのです。
 それまでは登山やスキー用品店で、
 高い値段で売られていたフリースでしたが、
 1900円という手ごろな値段で売り出し、空前の大ヒットとなります。

 世の中の人「全体」(昔風に言うならば「大衆」といったところでしょうか)
 を相手にする商売というのは、ありそうで、滅多にありません。
 どんな商売でも、「特定」のお客様を相手にしているのです。
 「売上が頭打ちになってきたなぁ」と思うときや、
 今のように消費が冷え込んでいる時は、
 「自分のお客様」は誰なのかを問い返してみては如何ですか。

=======================================================================
発 行 元:シモヤマ会計事務所(下山弘一税理士事務所)
〒604-8471 京都府京都市中京区西ノ京中御門東町101
TEL 075-813-4850
発 行 人:下山弘一

━━━━━━━━━  京都の税理士・会計事務所 いい顧問  ━━━━━━━━━

カテゴリー: 未分類   パーマリンク

コメントは受け付けていません。

税務・会計のご相談初回30分無料 075-813-4850 営業時間9時~18時(土・日・祝日を除く) お問合せフォーム