フォローアップで商品の陳腐化を防げ

 コンピュータ・ツールが発達して、
 ペンや鉛筆などさぞかし需要が少なくなっていると思っていました。
 ところが、学校の授業以外では、スマホやタブレットで文字入力することが、
 あたり前になっている10から20代の間で、
 筆記用具に興味を持つ若者が増えているそうです。

 ショッピングセンターの文具売場や雑貨売場を見れば、
 ノートや写真にデコレーションを施すための、
 カラーペンが広いスペースに所狭しと並べられています。

 さらに、お父様方の感覚では高級アイテムとなる万年筆も、
 1000円程度で本格的な書き味のものが登場し人気となっています。
 利用初心者向けに、ペン先の方向が分かりやすくなっており、
 グリップ部分も三角形で握りやすくなっています。

 三菱鉛筆が販売する、シャープペンシル「クルトガ」は、
 書くたびに芯先が回転し、とがった状態で書き続けられるというものです。
 弱点である、片側だけがすり減ってできる筆跡のムラが解消できる
 シャープペンシルとして販売を伸ばし続けているそうです。

 開発に取りかかった01年は、市場シェアがどん底の状態で、
 どうにか挽回しようと、開発部隊が集められたのでした。
 当時、使い手側の最大の悩みは、使い続けると指が痛くなることだと考えられ、
 グリップ部分が握り易くなっているものが占めていました。

 まずは、画数が多い文字を書いてもらうため、
 上からなぞれる字を印刷した試し書き用の紙を用意しました。
 漫画風のパンフレットも作成して、商品の近くに置き、
 学生に持ち帰ってもらえるようにしたのです。

 努力は功を奏し、08年の発売以降、累計3000万本を売り上げ、
 年間300万本売れればヒットとされる商品の中で、
 圧倒的なシェアを誇っています。

 ところで、三菱が付いているので、よく勘違いされるそうですが、
 三菱鉛筆は、いわゆる三菱グループの会社ではありません。
 貿易会社に務めていた、真崎仁六氏がパリ万博で鉛筆と出会い、
 初めての国産鉛筆の製造に取りかかったことが始まりとなります。

 製品化に漕ぎ着けるものの、輸入品の鉛筆に太刀打ちできず、
 小売店への営業に苦しむこととなります。
 法人向けの営業に方針を切替えたところ、
 郵便局用の鉛筆として採用されることとなり、
 三菱マークの鉛筆として出回ることになるのです。

 高度成長期には、最高級鉛筆「ユニ」を発売し大ヒットさせ、
 現在にも続くロングセラー商品となっています。
 では、どのようにして、商品をヒットさせ、
 ロングセラーとすることができるのでしょう。

 その答えは、「商品のフォローアップを徹底的にすること」
 商品のアイデアが出てきた経緯、アイデア採用の状況、
 商品化の流れ、売れた理由…を細かく、徹底的に分析して、
 そのうえでその成功を拡大する方法をみんなで考える。

 失敗した商品についても同じように検討して、
 成功に繋げる方法が無いかを考えるのです。
 1ヶ月でも半年でも、どうしたら商品の寿命を延ばすことが出来るかを
 論理的に一生懸命に考え尽くすからこそ、成し得る結果なのです。

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発 行 元:シモヤマ会計事務所(下山弘一税理士事務所)
〒604-8471 京都府京都市中京区西ノ京中御門東町101
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発 行 人:下山弘一

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