このところ、ユニクロや海外のファストファッションの勢いに押され、
大手アパレルメーカーの業績が優れません。
消費税増税前の駆け込みの反動も大きいそうですが、
これまで影響が少なかった、婦人ブランドの落ち込みが激しく、
頭を悩ませているそうです。
それぞれが、90年から2000年にかけて大きく成長し、
その後の激流に揉まれた経験を持ちながら、
苦戦を強いられているのは、アパレルという流行の予測の難しさがあります。
これからも、消費税増税という逆風が続きますが、経営の手腕が試されます。
このコラムでは、先人の知恵を経営のお役に立てばという思いで、
堅実な経営を行い、地道に成長している企業や経営者をご紹介しております。
その陰には、倒産という憂き目に遭う会社や、
創業した会社が他社の傘下に吸収され、離脱する経営者も少なくありません
起業したなら誰しも憧れる株式公開(上場)という目標が、
実際のところ、目標ではなく出発点であるといえます。
当然、「誰でも」というわけではありませんが、
株式公開は、「チャンスとタイミング」
いわゆる追い風の後押しがあれば可能です。
しかし、公開後コンスタントに売上を伸ばし、利益を出し続けるというのは、
本当に大変で「才能と努力」無しには、決して叶えることはできません。
運良く「株式公開」という切符を手に入れても、経営者に技量がなければ、
あたり構わずM&Aを行い、売上のかさ上げ、利益の水増しに、
明け暮れることになってしまいます。
公開してからも、順調に業績を伸ばし10年20年と舵取りを続けている、
経営者の過去を振り返ってみると、見習う点がたくさんあります。
目先のことばかりに気をとられて、業績が芳しくないと感じたら、
土台となる方針に狂いがないかじっくり考えてみては如何でしょうか。
日用雑貨を扱う小さな会社で二人の青年が出会い花開いたビジネスの芽。
その名前は、木口 衛と畑崎廣敏。
見事な二人三脚でニットの卸売りからはじめ、
国内有数のアパレルメーカーとして成長させたのでした。
全く性格の違う二人は、周りから見れば「水と油」
決して交わることが無いと思われていただけに、
日を経たずして、「喧嘩別れ」して店じまいすると噂されていました。
そんなことはお構いなしに、二人はお互いに足りない部分を補うことで
車の両輪の如く、事業を切り盛りしていったのです。
社名は「ワールド」、衣料品から雑貨、靴に至るまで、
ファッションを総合的に展開している会社です。
また、宣伝でも社名を前面に出さず、それぞれのブランド名で展開していて、
この方法は創業当初からのことで、この戦略がワールドの成長を支えています。