経営の「コツ」を掴み、業績アップ

 個人で事業をされている方が、年一回行う確定申告。
 「税金のため」と思っていると、ついつい先延ばしになって、
 気づいてみると、締切り目前ということもあるのでご注意下さい。

 このところ、景気が低迷していることもあって、
 業績が芳しくない事業者の方も多くなっています。
 そのような中でも、着実に売上を伸ばしている方もおられます。

 一見、同じような商売に見えて、
 個々の店によって、経営の「コツ」となる部分は違っています。
 在庫の種類が多いこと、大勢な販売員が必要なこと、極め細やかな接客、
 素早い納品、等々儲かっている店にはそれなりの理由があります。

 業種や客層、取扱商品によって、この「コツ」を上手くつかむことができなければ、
 どんなに頑張っても空回りするだけです。
 せっかく、時間を割いて決算書を作られたなら、今回から遡り、
 3年分の決算書を並べて数字の推移を比べてみてはいかがでしょうか。

 養命酒を徳川家康に献上した際、「飛龍」の印を使うことが許されたそうで、
 日本初の商標ともいわれています。
 400年前に遡るといわれている養命酒の起源、
 伝説的な話が残されているほどで、神秘に満ちています。

 信州の山奥に生まれた薬酒は、
 医療が遅れていて病気に苦しんでいた多くの人に薬として飲まれ、
 その評判は、山を越えて各地に広まっていったのです。
 養命酒は、小説や長唄に登場するほどに有名になり、
 歳末恒例のドラマの題材である赤穂浪士も、養命酒を飲んでいたそうです。

 会社組織にして東京へ進出したのが1923年の事、
 当初は全く売れなかったそうですが、最新の宣伝方法であった新聞広告を行うなど、
 積極的に宣伝を行った結果、人気は全国に広がり、
 海外でも評判となっていったのです。

 製造元である養命酒製造の財務状態はきわめて優秀で、
 現在は「無借金経営」となっています。
 「無借金経営」は、トヨタの財務を表現する際よく使われる言葉です。
 銀行から借金(融資)を受けずに経営を行うことができることを指しますが、
 預金などいつでも支払にまわせる財産が多いことが特徴です。

 財務状態の健全度を表す自己資本比率は90%近くあります。
 このことは、財産(資産)に対して支払うべき金額(負債)は、
 10%程度しかないことを表しています。
 中小企業の多くがこの逆、自己資本比率が10%程度しかないことと比べると、
 その素晴らしさがよくわかるでしょう。

 安定した経営の代表である無借金経営は、
 緻密に計画された経営の賜物といえます。
 工場の建設や製造設備の投資など膨大な資金が必要なときであっても、
 銀行からの借金に頼らず自己資金で乗り切る必要があります。

 事業の拡大を目指すより、着実に利益が上がる体制作り。
 理想は、仕入れたものは売り切ってしまう、翌日に在庫は残さないこと。
 過剰な在庫を持たなくて良くなると、保管場所の家賃が不要になり、
 余計な在庫分の資金繰りのため借入もなくなります。

 ビジネスの成功は、ヒット商品の有無だけでは答えを出せません。
 無理な売上の拡大を狙い、過大な先行投資をしたことが原因で
 足を引っ張る結果になった例は、
 昨今のベンチャー企業の破綻を見ても言うに及ばずですから。

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