どんなに月日が経っても基本は変わりません

 京都は、神社・仏閣が集まっていて、観光の名所になっていることは、
 みなさま良くご存知のとおりです。
 そのことは、一部の電気、電子関係の会社を除いて、
 いまひとつの地元の景気とは裏腹に、宿泊施設の活況が良く表しています。

 先ほど報告された数字によると、4月の訪日外国人客数は92万人と、
 2年9ヶ月ぶりに過去最高を更新したそうです。
 特に東南アジア諸国からの観光客が増えていて、
 堅調な欧米からの来訪客に加え、伸び率を後押ししているそうです。

 大手資本のホテルが進出したり、老舗ホテルが大手チェーンの仲間入りし、
 名前が変わってしまうなど、地元に住む者としては少し残念な気はしますが、
 今後も、ホテルの新設予定が目白押しです。
 
 京都では旅館もたくさんあり、外国人観光客や修学旅行生には、
 まだまだ根強い人気があるそうですが、
 旅行者の宿泊先は「旅館」から「ホテル」に変わってきています。

 ホテルは、宿泊だけでなく色々な形で利用されていますが、
 日本のホテルの原形を作ったともいえる人物として、
 帝国ホテル 犬丸徹三氏の存在を忘れるわけにはいきません。

 犬丸氏は、現在の一橋大学を卒業するのですが、就職先が見つからず、
 満州のホテルに就職することになります。
 ボーイからはじめ、コック、金庫係、スチュワードを経験して、
 その後上海、ロンドン、アメリカと渡り歩きます。

 ロンドンのホテルで中国人に混じってコックをしていたときには、
 幹部社員としてきていた同窓生から、
 「一橋の名を汚すものだ。コックなんて面汚し」と、
 邪魔者扱いされたりもしました。

 そんな生活も10年を過ぎようとして頃。
 ホテルマンとして実力をつけ、
 チーフコックとして一流の腕を持つようになった犬丸氏は、
 当時の帝国ホテル会長の目に留まり、
 副支配人として迎えられることになったのです。

 犬丸氏は、ホテルが国民の生活に入り込めるようよう、
 それまでにはない斬新なアイデアを生み出しました。
 いまではお馴染みのビッフェスタイルの食事は、
 帝国ホテルが日本で初めて取り入れて、
 レストランでの料理は一世を風靡することになります。

 「バイキング料理」とは当時のコックが思いつき、
 その食べ放題の食事スタイルは全国に広がり、
 ビッフェスタイルの代名詞となっています。

 レストランの集客のためと、テレビに目をつけ、
 料理番組で家庭向きの調理方法を紹介したり、
 料理本を出して西洋料理の普及を図りました。
 結婚式と披露宴をあわせた「ホテル結婚式」は犬丸氏が考案したもので、
 全国に広がっていきました。

 それまでは、外国来賓の接待のための特別な場所であったホテルから、
 大衆の身近な宿泊施設へホテルを変えていったのは、
 世界に通用する日本の「もてなしの心(ホスピタリティー)」を大切にし、
 徹底して行ってきたからなのです。

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