またひとつ、デフレ型ビジネスが限界を迎えました。
コンビニ大手のローソンは、100円ショップ型のコンビニ、
ローソンストア100の大量閉店を発表しました。
低価格と低賃金を武器にした、ビジネスは見直しを迫られています。
100円ショップの目新しさと、生鮮品も品揃えするという、
それまでの市場の隙間を狙った戦略をもっていました。
しかし、そのうまみを知った競合他社やスーパーが、
品揃えを充実させ、出店攻勢に出たことから情勢が変わり始めます。
加えて、そのうまみに少しでも預かろうと考える、
株主や取引業者からの押し込みに統一性のない仕入となり、
魅力の失せた品揃えとなったのではないでしょうか。
進めているビジネスが順調に進んでいるときには、
競争相手が出現することを、絶えず意識しておかなければなりません。
儲けの多い商品には、対抗商品が出現してくるだろうし、
更なる品質の改良を迫られ、コスト高となってくるでしょう。
プリント基板メーカー、キョウデンの会長 橋本浩氏は、
経営に行き詰った企業や新興企業で成長が鈍化した企業の改革に力を注いできました。
スーパーの長崎屋、パソコンメーカーのソーテックなどを傘下に治め、
ローソンの子会社となる前のローソンストア100
(旧SHOP99)の経営にも携わりました。
本業であるキョウデンは、25歳の時、
大手電器メーカーのチェーン店として電気店を開いたことに始まります。
その後、プリント基板の製造に手を広げ、
スピード納品を売り物にして事業を拡大していった手腕の持ち主です。
小売店から商売を出発したこともあって、
「お客様」目線を重視した経営を努めています。
2000年に経営破たんした、長崎屋の再建に乗り出したときに、
橋本氏が掲げたのは「粗利(あらり)」を確保することでした。
ダイエーをはじめとするスーパーが、
高度成長期に事業を拡大するときに目標としたのは増収(売上アップ)であり、
薄利多売で利益をないがしろにしてまでも、
売上を上げることが普通になっていたのです。
そんな意識を180度転換することから、経営の見直しをはじめました、
ある店舗では、利益率の低い家電売場を廃止して、
肌着や子供服などの衣料を強化することにより、
粗利率が1.5%もアップしたのです。
それぞれの会社には、得意分野というものがあり、
その儲けによって成り立っているはずです。
事業拡大に走りすぎると、利益が見込めない(一時的には赤字になる)分野へ、
多くの人やお金をかけてしまい。
その結果、いくら売っても儲からないことになってしますのです。
ビジネスの基本は、利益を残すことです。
損をしてでも売上を伸ばすのは、
シェアを広げたいときなど一時的にやることです。
いつまでも続けられるものではありません。
「借入金が増える」「借入金が減らない」と感じるときは、
事業の内容を見直してみましょう。