特徴を高めてこそ、競争に打ち勝てる

 一時、F1レースから撤退していたホンダが、
 今シーズンからパワーユニットサプライヤーとして、
 再び参戦することになりました。
 残念ながら、公式テストでは満足な結果が出ているとは言い難い様ですが、
 名実ともに復活となることに期待したいものです。

 環境問題、原油高、開発研究費の高騰など、
 F1を含め自動車を取り巻く環境は厳しいものがあります。 
 年間ン十億~数百億かかるといわれる、F1チームの維持費。
 国内自動車メーカーは、リーマンショック発端となった経営悪化を理由に、
 相次いでF1レースの撤退を表明したのです。

 「走る実験室」と称され、最先端の技術開発の担い手として活躍してきた
 F1レースも曲がり角を迎えているのかも知れません。
 ヘンリー・フォードが生み出した、
 量産型自動車「T型フォード」登場から100年余りが経ち、
 自動車の技術開発は休まることがありません。
 しかし、トヨタをはじめとする自動車メーカーの技術だけで
 成り立っているのではありません。

 自動車の乗り心地に大きく影響する、エンジンの運転音。
 この騒音の軽減に大きく貢献しいてるのが、
 東大阪にある測定器メーカーなのです。

 自動車ではエンジンで生まれた動力をタイヤまで伝えるために、
 いくつもの歯車が使われています。
 その歯車の噛み合わせが良くないと、
 効率も悪くなるし、騒音が発生することになります。

 大阪精密機械は、国内シェア90%、世界シェア30%以上を誇る、
 歯車の測定に特化した測定器メーカーです。
 創業者の小熊辰照氏が戦争中、
 高射砲の測定機械の仕事をしていたことがきっかけで、
 歯車の検査の道に足を踏み入れたのでした。

 鏡の表面のようにツルツルとした仕上がりの歯車が出来上がってこそ、
 騒音が少なくなるのですが、
 ミクロン以下を要求される歯車の精度を保つため、
 それ以上の正確さが要求されるのが検査機なのです。

 その鍵を握っているのが、熟練した職人の手による仕上げ作業です。
 最新の工作機械を使って作った部品であっても、
 形状などの制約から、仕上げには人の手をかけないといけない部分が出てきます。
 これらを長年の手の感覚と勘により見事に仕上げていくのです。

 測定器の市場全体としては、わずかな分野でしかありませんが、
 その分野の中で、確固とした地位を築くことは、
 安定した経営には欠かせないことです。
 事業を順調に推移させるのに、
 なんと言っても大切なのは売上を確保することですね。

 競争が激しい中で、自分の会社が注文を受けるためには、
 他にはない特徴を持っていないといけません。
 特定の分野に絞って、その分野で一番になるということは、
 注文を受け易くすることに繋がるのです。

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