百貨店やスーパーの催事場でよく目にする「物産展」、
代表的なのは北海道物産展でしょう。
お馴染の老舗メーカーが出店するお菓子やスイーツを目当てに、
どこも大賑わいで長い行列が出来上がります。
今年の北海道物産展では、新しい顔ぶれがお目見えしそうです。
菓子メーカーのグリコは、地域限定で展開している高級菓子を、
全国の催事場で販売を始めるそうです。
第一弾として、新千歳空港内の直営店の商品、
「キャラメルビスケット」などが登場します。
もうひとつは、大阪や京都の直営店限定で百貨店の地下食料品売場で、
販売している「バトンドール」です。
それぞれ、お土産やプレゼント等の需要を見込み、
直営店で販売していまいましたが、
受取る側に知名度をアップする必要があるとして、今回の試みとなったそうです。
「デパ地下で売る大阪土産を」と、百貨店からの提案をきっかけに、
主力商品であるポッキーの高級版として誕生した「バトンドール」。
お土産の枠を越え、物産展への進出を狙っています。
当時、森永製菓や明治製菓がキャラメルを販売している中、
新しいキャラメルを発売し、その市場に乗り込んでいったのは、
グリコの創業者の江崎利一氏でした。
そのキーワードとなったのは、「栄養菓子」という発想でした。
自分自身が若い時に、虚弱体質を食餌療法で克服した経験から、
栄養素が健康に大きく影響することを学び取っていたのです。
ある時、カキ料理を作っていると、
煮汁の中にグリコーゲンという栄養素が含まれていることを知ります。
国民の栄養状態が良くない時代、
グリコーゲンを基にして健康に貢献できる食品を
作ってはどうかという気持ちが湧いてきました。
そこで、みんなが喜んで口にしてくれるには、
どうしたらいいかと考えたところ、
キャラメルの中に含ませることを考えついたのでした。
こうして生まれたのが、「一粒300メートル」のグリコなのです。
人目を惹くパッケージと、このキャッチフレーズにより、
瞬く間に人気となり、先発メーカーと肩を並べる地位を確立したのです。
初めて買ってもらったお客様には、
新商品や季節限定商品のパンフレットを入れて、
次の購入へつなげます。
お土産やプレゼントには、商品カタログをつけて、
贈られた人からの注文を促します。
このようなこと、簡単なようで、気がつかないものです。
すべてのお客様に、常連になってもらうという気持ちで
対応する事ですが、おろそかにしていることが多いのです。
ヒットの波に忙殺されて、次の対応を怠っていると、
その加熱ぶりが冷めた後は、一気に販売が落ち込んでしまうことになります。
どんなに良い商品を作っても、繰り返し買ってもらわなければ、
一時的なヒット商品で終わってしまいます。
そこで、ビジネスとして長く発展し続けるには、
「リピート」という視点が大切になるのです。