「ポカポカ」が嬉しい季節、「ぶらぶら」気分でヒットを狙う

 体を温める機能性肌着に注目が集まっていますが、
 冷えには、芯から体を温めることが何より効果的です。
 風邪に加えて、この冬はインフルエンザにも注意が必要なので、   
 手軽に摂れて、内側から体を暖かくしてくれる「生姜」が人気です。

 夏場のオフィスで、クーラーの効きすぎに悩むOL向けに作った、
 生姜入りのカップスープがヒットしたのが始まりで。
 その後も、キャラメル、紅茶、クッキー、炭酸飲料など
 続々と生姜が入った食品が登場しています。

 また、そのカップスープの成功がきっかけとなって、
 永谷園では「生姜部」という組織ができたそうです。
 マーケティングに生かそうと、生姜の生態や効能を調べてみたところ、
 情報が少なかったため、それなら自分たちでやるしかないとなったのです。

 「生姜部」では、新しい製品を生み出し販路にのせることが目標で、
 自らが農園で生姜を栽培し、生態を学んだり、
 料理レシピを考えたりと、活動は多岐にわたります。
 目先の利益を追うのではなく、生姜のプロを目指すことが、
 ヒット商品へのアイデアに繋がっていくのです。

 永谷園の創業者 永谷嘉男氏は、緑茶の製法を始めて開発した
 祖先をもつ家系に育ちます。
 父親が営んでいたお茶屋で売っていた、のり茶を参考にして考えだした、
 お茶づけ海苔が出発点となります。

 調味料の粉と、刻んだ海苔を缶入りにした簡単なものでしたが、
 美味しい飲み物として喫茶店などに売れたのです。
 これを一人前ずつ、袋に入れて売れば簡単にお茶漬けが
 味わえるのでないかと閃きました。

 元来の酒好きであった永谷氏は、赤提灯へ通うのが日課でした。
 たっぷりお酒を飲んだ後、少し寂しくなったお腹を満たすため、
 シメに食べるのは、お茶漬けと決まっていたのです。

 こんな経験から、永谷氏は「ぶらぶら社員制度」を考え出します。
 開発力のある人材が通常の業務から外れ、
 一年間自由にして、新しい商品のアイデアを出すというものです。
 使う経費も無制限という、奇抜な内容は世間を驚かせました。

 消費者のニーズは複雑になり、既存商品の延長線で
 新商品を考えるには限度があります。
 新組織の「生姜部」では、食品を原点から見つめることにより
 アイデアの芽を育てようとする試みです。

 永谷園では「ぶらぶら社員制度」のような精神が脈々と受け継がれて、
 会社として発想を活発にする風土が出来上がっているのでしょう。
 数々のユニークな商品を発売し、多くのロングセラー商品を育ててこられたもの、
 地道な活動が支えているからでしょう。

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