「隣の芝生は…」見かけの儲けに惑わされるな

 タカラトミーは、今月1日に人気ボードゲーム「人生ゲーム」の
 新作を発表しました。
 シリーズ節目となる60作品目で、未来を見通すことが難しく、
 景気や外的要因によって人生が左右される現代を
 反映させた内容となっています。

 同ゲームは、シリーズ第1作目から50年を超えて販売され続けている
 ロングセラー商品で、累計1200万個以上売れているそうです。
 時代や世相を反映してモデルチェンジを繰り返しながら、
 大人から子供までが遊べることが人気の秘訣となっています。

 商品の寿命が極端に短いといわれるおもちゃ業界の中で
 安定した経営をしていくには、
 ロングセラー商品を生み出すことが最大の秘訣となります。

 同社は、おもちゃ業界の大手「タカラ」と「トミー」が
 2006年に合併した会社ですが、
 その一つ「タカラ」の創業者 佐藤安太氏は
 数々のヒット商品をこの世に送り出し、
 現在も売れ続けている「ロングセラー」を生み出しました。

 代表は昭和42年に発売された「リカちゃん」、
 40年を超える大ロングセラーになっています。
 その後「人生ゲーム」や「ミクロマン」、
 昭和50年代に入って発売された「チョロQ」など、
 リメークやアレンジされながら、販売し続けられているものばかりです。

 では、どうして「ロングセラー」商品を、
 いくつも生み出すことが出来たのでしょう。
 その答えは、「商品のフォローアップを徹底的にすること」だそうです。

 商品のアイデアが出てきた経緯、アイデア採用の状況、
 商品化の流れ、売れた理由…を細かく、徹底的に分析して、
 そのうえでその成功を拡大する方法をみんなで考える。

 失敗した商品についても同じように検討して、
 成功に繋げる方法が無いかを考えるのです。
 1ヶ月でも半年でも、どうしたら商品の寿命を延ばすことが出来るかを
 論理的に一生懸命に考えつくしたからこそ、成し得た結果なのです。

 業界全体の成長が見込めなくなると、
 新しい市場に活路を見つけたくなるものです。
 その市場が、現在の取扱商品に関連があり、
 高い成長が見込めるとなれば、なお更です。

 しかし、販売チャネルや販売方法が異なる分野に進出するには、
 現在の販売方法と比べて充分に検討しておかなければなりません。
 このように「ロングセラー」を生み出してきた佐藤氏でさえも、
 80年代のテレビゲーム進出、2000年代の「チョロQ」実車版開発、
 と大きな失敗を二度も経験しているのです。

 新しい分野の商品を開発するための仕入ルート作りに加えて、
 販売ルート作り、広告宣伝費、試作品・サンプル品などの在庫が
 新しく発生することになります。
 社内の人材やノウハウ、経験がほとんど利用できない場合には
 特に注意が必要です。

 同じ事をするにしても、それまでに比べて著しく効率が低くなるものです。
 新しい分野に進出する場合には、「見かけの儲け」だけに
 目を捉われること無く、軌道に乗るまでに発生する
 追加の費用を含めた採算性の有無を見極めないといけません。

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