ゴミの山が、実はビジネスの種

 実業家の方たちは、美術や芸術に対して関心が高い方も多く、
 会社として、新人芸術家の発掘や美術品の所蔵に、
 力を注いでいる企業も少なくありません。
 出光やブリジストン、サントリーなどが頭に浮かびますが、
 どちらも大きな美術館を持ち、国宝に該当するものなど多く所蔵しています。

 テレビ番組の、○○鑑定団で紹介されているように、
 財を成した経営者は、昔から書画、骨董に惹かれてしまう習性があるようです。
 収集のジャンルに境界は無く、盆栽の収集に虜になってしまう人もいます。

 盆栽といえば、隠居の暇つぶしのように思われがちですが、
 海外では「Bonsai」という言葉が通じるほど、人気になっています。
 生育に何十年、何百年とかかる盆栽の名品の中には、
 何億といった高値で取引されることもあるので、
 海外から投資物件として買いあさられることも少なくないようです。

 埼玉県の旧大宮市は、古くから盆栽の町として有名で、
 そのような状況にある盆栽をきちん守り、
 魅力を発信する施設としてさいたま市大宮盆栽美術館が建てられました。
 収蔵品の多くは実業家 高木禮二氏が長年掛けて集めた、
 盆栽や美術品で構成されていて、愛好家には垂涎の的となっているそうです。

 国内で圧倒的ブランドを誇っているMSシュレッダー。
 世に出た当時、どこの会社でも担当者が欲しかったものは、
 コピー機であり、ファックスやワープロであり、
 シュレッダーは優先順位としては最後に位置するものでした。
 
 シュレッダーを世に出した、明光商会の創業者 高木禮二氏は、
 コピー機の営業をしているとき、訪問した会社で、
 机の上にうずたかく積み上げられた使用済み文書や、
 ほこりをかぶって放りっぱなしにされている書類を見て直感します。
 
 「このことは、ごみ処分の問題ではなく、
  情報管理や事務の合理化が大切な時代がやってくるはずだ」
 
 早速1号機を作り、を大企業に持ち込んで試用してもらうことにしました。
 しかし、品質が悪く、2、3日経つと壊れてしまいました、
 すぐに修理に伺い、再度納品するけれど、また壊れる。

 50キロもする機械を引き取り、納品する。こんなことを何度も繰り返しているうちに、
 相手の会社も同情してくれるようになり、現金で購入してくれるようになったのです。
 なによりも、秘密保持の大切さを認識してもらえ、
 シュレッダーが画期的な製品であること、世に広がるきっかけとなります。
 
 商売にはブームでしかないもの、「鳶に油揚げ」のように
 取っていかれてしまうものなど、
 儲かりはしても、一時の事で終わってしまう場合もよくあります。
 
 高木氏が最初に手がけたのは、ナイロンストッキングの修理です。
 当時は、流行り始めのころで、
 月給が5000円に対してストッキングは1500円もする貴重品でした。

 なので、女性は穴があいたら修理をしながら使い続けていたのです。
 修理の仕事は、面白いくらいに儲かっていましたが、
 ストッキングの品質が上がるのと、値段が安くなるのに伴い廃業に追い込まれます。
 
 明光商会をつくり、最初に手がけたのは、コピーに使われる現像液の開発です。
 資金ゼロ、技術ゼロから、高木氏持前の努力で、見様見まねで開発し、
 製造、販売にこぎつけます。
 誰でも作れる現像液の製造が、永く続かないのはその経緯を考えても明らかでした。
 何より、コピー機のメーカーが強いことは誰が見ても当然だったのです。
 
 そんな高木氏がシュレッダーに巡りあったように、
 世の中の人々に感謝され、ずっと続けていける商売を目指したいものです。

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