「知名度」「品質」どちらを優先する?

 この季節のように曇り空が多い時期、
 少しお洒落をした格好で出かける時に気になるのが雨のことです。
 せっかくの服装が台無しにならないように、
 一枚上に羽織るレインコートがあれば安心ですね。

 といっても、梅雨の時期には温度も高くなり、
 きっちりとしたスタイルのレインコートは好まれなくなっています。
 そのかわりトレンチ・コートなどの伝統的なスタイルのコートは、
 冬場のそんなに寒くない時期にお洒落として着るアイテムとなっています。

 バーバリーやアクアスキュータムなどの海外ブランドも、
 固定的なファンに支えられ依然人気があります。
 アパレルメーカーの三陽商会では、デザインだけでなく
 素材や縫製に魅力を感じる顧客向けに高品質なコートを販売しています。

 「100年コート」と銘打って、国内の縫製工場で製作し、
 専用に選んだ生地で、ボタンは手作業で付けられています。
 オーナープランに登録すれば、袖周りや裏地が摺れたときや、
 ボタンの付け替えも対応してもらえるということです。

 石油販売会社の経理をしていた吉原信之氏が、
 独立して手がけたのは切断砥石の販売でした。
 終戦の混乱期には、軍から出た廃材に目をつけ、
 防空暗幕や風船爆弾用の紙、スポンジなどを売りに回りました。

 暗幕は服に仕立て上げ、風船爆弾用の紙は子供用の雨合羽へ、
 スポンジはボールに加工しました。
 どれも、廃材だけにいつでも手に入るというものではなく、
 量にも限りがあったため、商売には向いていませんでした。

 ある時、少しではあるものの、
 絹(オイルシルク)を手に入れる目処がつきます。
 やっと、継続的に仕入れることが出来る商品にめぐり合い、
 この生地を使ってレインコートを作る商売をしようと決意したのです。

 最初の頃、レインコートをデパートへ営業に出向くと、
 決まって、担当者から製造元のブランドでは困ると条件をつけられました。
 吉原氏は、「製品に責任をもちます、お店に迷惑をかけません」と、
 何度も説得を繰り返し自主ブランドでの納品に漕ぎ着けたのです。

 商品の良さが顧客の目に留まり、三陽商会はコート業界ではトップとなり、
 コートの「サンヨー」として名が知れ渡るようになります。
 そして、レインコートを「雨よけ」の実用品から、
 ファッション商品の仲間入りをさせたのです

 一方、このままでは小さな商売に終わってしまうという危機感から、
 早くから、海外の有名ブランドと提携することを考えます。
 その理由は、「いろんな人の知恵と手をつかってやっていく」
 ことだと語っています。

 自社以外のブランドという力を借り、
 自分では出来ないことを行って事業を発展させていったのです。
 原動力となったのが、海外ブランドのライセンス商品でした。

 こうして、レインコートから出発した「サンヨー」でしたが、
 スーツ、ドレス、カジュアルウエアにアイテムを増やし、
 アパレルメーカーと成長していくのです。

 早速、バーバリーの後継を目指す新ブランドでは、
 ワンピースやブラウスに撥水加工を施した新商品を発表するなど、
 得意分野のノウハウを利用して、認知に向けて力を注いでいます。

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発 行 元:シモヤマ会計事務所(下山弘一税理士事務所)
〒604-8471 京都府京都市中京区西ノ京中御門東町101
TEL 075-813-4850
発 行 人:下山弘一

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