その先の理想を求めて…

 スマートフォン(スマホ)に付属する機能の中で、
 もっとも利用されているのがカメラではないでしょうか。
 そしてニーズの高まりから、カメラの解像度(画素数)が上がり、
 コンパクト型デジタルカメラ(デジカメ)と肩を並べるようになりました。

 その頃から、コンパクト型デジカメの売上が落ち始め、
 最近では、国内メーカーの撤退が相次ぎました。
 各社は一眼レフ型デジカメの製造にシフトし、
 特に初心者でも使いやすいミラーレス一眼に力を注いでいます。

 精密機器メーカーのキヤノンでは、ミラーレス一眼では後発ながら、
 手ごろな価格で入門機用としてシェアを拡大しています。
 初めてレンズが交換できるデジカメを手にした人に、
 良さを感じてもらいワンランク上を求める需要に応えます。

 キヤノン創業者の御手洗毅氏は、経営には全く素人な産婦人科医でした。
 日赤病院の勤務医をしていた時、酒を飲みながらの友人との会話。
 「病院で使う顕微鏡がドイツ製であることを嘆いて、
 日本は造船、紡績に比べて、精密機械がまったく劣っている。」
 「他がやらないなら、自分たちでドイツ製に負けないようなカメラを作ろう。」
 酔いが回った勢いで始まったのがきっかけ、それがキヤノンだったのです。

 最初は経営に参加する気持ちも少なく、
 投資家の一人として参加したつもりが、
 第二次大戦の戦時下、経営幹部が出征したかわりに、
 やむなく代わりに社長につくことになりました。

 経営の経験のないドクターは、理想が先行するばかり、
 向こう見ずとも言える程、徹底したものでした。
 終戦後の混乱期、身近な物の生産に多くの企業が力を入れている最中
 「打倒、ライカ(ドイツの有名カメラメーカー)」のスローガンの下、
 カメラ生産に専念したのです。

 そして、世界一のカメラ・メーカーになることを目指して、
 時代の一歩も二歩も先を見て突き進んできました。
 将来に備えて開発してきた技術が、その時になって実りを結ぶのです。

 時代の先を見て、商品(技術)を開発して行くことは、
 今のベンチャーにも、そっくりそのまま当てはまります。
 ベンチャーの成功は100にひとつ、
 1000にひとつと言われていますが、
 多くのベンチャーは、商品化する一歩先の技術に目が向きすぎ、
 その次の手立てが講じられていません。

 結果、たとえ目指している商品に成功してもしなくても、
 そのとき限りで事業が止まってしまうことも少なくありません。
 新しい技術(商品)の開発には、長い年月がかかります、
 一歩先を目指していては、完成する頃には時代遅れに。

 また、技術の研究は、その次のいくつもの
 新しい技術のきっかけになります。
 そのような、技術の連鎖を生かして、
 先を見越した理想を求めていくことが大切ですね。

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発 行 元:シモヤマ会計事務所(下山弘一税理士事務所)
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