昨年夏に、名古屋名物の「ひつまぶし」専門店をオープンするなど、
新業態の展開に力を注いでいるのが、
カレーチェーンのCoCo壱番屋(壱番屋)です。
この10月に、新しく「戦国武将」「ご当地ラーメン」を、
テーマとしたラーメン専門店の展開を始めました。
壱番屋では、既にカレーラーメン専門店を出店していて、
今回は、「ラーメン」の流れを汲む新業態というわけです。
「ひつまぶし」専門店では、試行錯誤を重ね、ご飯の量、トッピング、辛さなど、
単品メニューの欠点を補う工夫をしましたが、
うなぎ自体の品薄による人気離れにより、多店舗化は足踏み状態です。
従来からのカレーラーメンに、しょう油や塩味のラーメンをメニューに加え、
バリエーションを増やしています。
新しくしたメニューには、戦国武将の名前を冠し、
今流行の「ご当地」色をトッピングして、新たな展開に挑みます。
愛知県の小さな町で、カレーの専門店として創業した壱番屋。
真似るのは簡単と、大小様々な競争相手が現れましたが、
肩を並べる相手は残りませんでした。
真似るのは簡単なはずのカレー専門店に、
屋台骨を揺るがすほどの強豪が登場してこなかったことを、
創業者の宗次徳二氏はこう述べています。
カレーライスは大人から子供まで人気のある食べ物になっていて、
どこでも食べることが出来る反面、地味なメニューであったことが幸いでした。
カレーやお米など、その気になればいつでも手に入れることができる材料です、
作り方も主婦のほうが上手なほどで、たいした技術は必要ありません。
ある時は、同社など一息で飛ばされそうな、
大手企業が参入してきた事がありました。
メニューの構成や品揃え、価格設定、販促の仕方など、
大手ならばお手のものであるはずです。
店舗の内外装についても、真似することは、いとも簡単で、
それ以上のデザインにすることも出来なくはないのはずです。
お金さえかければ、表面的なことはそっくり真似することはできますが、
どうしても競合が真似できないこと、それはソフトです。
宗次氏がカレー専門店を始める前に喫茶店を開いていた当時から、
長年にわたり培った「お客様第一主義」を、
一朝一夕には手にすることは不可能なのです。