旅行時の移動中に食べるお菓子として、口が寂しくなった時に、
ちょっとしたおやつ代わりにと、人気が高いスナック菓子「ポッキー」。
国内外の販売金額は250億円にも達しているヒット商品です、
販売元の江崎グリコ(グリコ)売上全体の1割近くを占める、
看板商品ともなっています。
ヨーロッパでは、細い竹の棒を使って遊ぶゲームの名前を参考に、
MIKADO(ミカド)という、なんとも古風なネーミングで販売されています。
根強い人気にあやかり、グローバルな商品に育てようと、
グリコでは海外の展開を積極的に進め、
20年までに現在の3倍、10億ドルを超す販売を目指しているそうです。
両手を高々と上げ、ゴールに飛び込んでいく選手、
看板にもなっているデザインをシンボルマークとしているグリコ。
創業当時、森永製菓や明治製菓がキャラメルを販売している中、
新しいキャラメルを発売し、その市場に乗り込んでいったのは、
創業者の江崎利一氏でした。
そのキーワードとなったのは、「栄養菓子」という発想でした。
自分自身が若い時に、虚弱体質を食餌療法で克服した経験から、
栄養素が健康に大きく影響することを学び取っていたのです。
ある時、カキ料理を作っていると、
煮汁の中にグリコーゲンという栄養素が含まれていることを知ります。
国民の栄養状態が良くない時代、
グリコーゲンを基にして健康に貢献できる食品を
作ってはどうかという気持ちが湧いてきました。
そこで、みんなが喜んで口にしてくれるには、
どうしたらいいかと考えたところ、
キャラメルの中に含ませることを考えついたのでした。
こうして生まれたのが、「一粒300メートル」のグリコなのです。
人目を惹くパッケージと、このキャッチフレーズにより、
瞬く間に人気となり、先発メーカーと肩を並べる地位を確立したのです。
初めて買ってもらったお客様には、
新商品や季節限定商品のパンフレットを入れて、
次の購入へつなげます。
お土産やプレゼントには、商品カタログをつけて、
贈られた人からの注文を促します。
このようなこと、簡単なようで、気がつかないものです。
すべてのお客様に、常連になってもらうという気持ちで
対応する事ですが、おろそかにしていることが多いのです。
ヒットの波に忙殺されて、次の対応を怠っていると、
その加熱ぶりが冷めた後は、一気に販売が落ち込んでしまうことになります。
どんなに良い商品を作っても、繰り返し買ってもらわなければ、
一時的なヒット商品で終わってしまいます。
そこで、ビジネスとして長く発展し続けるには、
「リピート」という視点が大切になるのです。