登場から150年!国民食の威力

 三が日の冷えたお節料理に飽きて、子供達だけでなくても、
 ついつい欲しくなるスパイスの効いた料理。
 そんな弱みを知ってか、お正月に回数が増えるのがカレーのコマーシャル。
 それでも、一時期から比べると減ったような気がします。

 最近は、エスニックなタイカレーや、スパイスを効かせた鍋料理など、
 手軽にスープの素を手に入れることができるようになったため、
 人気が分散しているからでしょうか。
 それでも、国民食の名に恥じることなく、
 カレー鍋として存在価値を表しています。

 初めて、日本にカレーが登場したのは1863年といわれていますから、
 150年が経ったことになります。
 その10年後には、陸軍食堂の昼食メニューに、
 「ライスカレー」が登場したそうですから、注目の度合いが覗えます。
 食材のバランスに加えて、簡単に調理できる事が支持される理由だったそうです。

 当時のレストランでは、イギリスから輸入したカレー粉を使って調理していました。 
 ソース店の営業マンをしていた山崎峯次郎氏は、初めてカレーライスを口にし
 それまで経験したことのない異国の味に、すっかり虜になってしまいます。

 こんなに美味しいものを、好きなときに口にできないことが、
 残念で仕方がありませんでした。
 どうにかして、多くの人が気軽に味わえないものにならないかと考えると、
 この手でカレー粉を作ってみなければいけないと思い立ったのです。

 ヱスビー食品の創業者 山崎峯次郎氏は、洋食が高嶺の花であった時代から、
 カレー粉の調合を手がけ、国民に愛されるメニューになることに貢献しました。

 しかし、カレー粉がどのような成分からなり、配合の割合など、
 全くわかっていなかったので、手探り状態ではじめるしかありませんでした。
 あちこちの薬店を廻り、海外でカレーを食べたことがある人の話を聞いたりし、
 カレーの研究に没頭していったのです。

 昭和5年、努力の甲斐もありカレー粉を発売することにこぎつけます。
 最初は、国産のカレー粉に見向きもしなかったレストランでしたが、
 少しずつ取り扱ってもらえるようになります。

 やがて戦争の気配が色濃くなっていき、次第に原料の入手が困難になってきます。
 ついに、外国から輸入が途絶えることになりますが、
 その間も、全国を駆け回り原料を確保するのでした。
 戦地や疎開先でも香辛料として、
 カレー粉は重宝され、日本人の舌になじんでいきます。

 終戦を迎え、ヱスビー食品はいち早くカレー粉の販売を開始します。
 そして、乏しい食材でも美味しく食べられるカレーライスは、
 一般家庭の料理として、徐々に浸透していきます。

 やがて、固形カレールーの登場とともに、
 カレーは食べ盛りの子供のおなかを満たす、
 日本人の家庭の味となっていったのです。
 レトルト製品が出回り、食卓に普及するようになると、
 日本の食生活には欠かせない存在となっていったのです。

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