世の中には、「おたく」的趣味としか思えない、
研究や調査を続けている先生と呼ばれる方たちが沢山おられビックリします。
けれど、普段生活しているうえでは、何の役にも立たないと思えることでも、
ある接点で繋がると、新しい発見や発明につながることがあるのです。
イギリスの学者、ジョン・マニング氏は、人差し指と薬指の長さの研究をしていて、
その長さの違いにより、性格や病気のかかりやすさなどに違いを見つけました。
また、女性は両指ともほぼ同じ長さだけれど、
男性は薬指の方が長くなる傾向になるということもわかったそうです。
このことを知った、アメリカの考古学者が、
フランスとスペインの洞穴を調査したところ、
描かれた手形は、4分の3が女性のものにあてはまりました。
洞窟壁画には、動物と共に多数の手形が描かれているそうです。
これまでは、狩猟対象の動物の方に注目が集まり、
狩猟を行う男性が描いたという説が通説となっていましたが、
別の研究が発端で、今後は見直しを迫られることもありそうです。
ディーゼンエンジンをはじめとする発動機、
農業・建設機器、船舶を扱うヤンマー。
創業者である山岡孫吉氏が、幼い頃から丁稚奉公に出る苦労をし、
ガス会社の工事作業員に雇われたことがきっかけで、この道に進むようになりました。
時代は、大阪市内にガス管の敷設が進み、工場などはそれまでの蒸気機関から、
ガスへ切り替えが進む最中でした。
蒸気機関は、広い据付場所が必要なうえに、操作も難しいものでした。
便利さから、ガスの普及が進むにつれて、小さな馬力の動力を使っていた町工場や、
豆腐屋までガスに乗り換えるようになりました。
たまたま、工事に出かけた会社の倉庫で、売れ残りのガス用ゴム管の山を目にします。
理由を聞いてみると、海外から輸入されているゴム管が、
輸送途中に劣化してしまい、ガス会社に納品を断られたというのです。
そこで、売れ残りのゴム管を売りさばく手伝いをはじめたところ、
在庫はきれいに処分できたのです。
山岡氏は、その手数料として手にした資金をもとに、
ゴム管の販売とガスレンジの修理業として商売を始めます。
その後、動力用エンジンの販売などを行っていましたが、
商品を右から左へ流すだけの商売には、嫌気がさしてきました。
お客に誇れるような製品を作り、胸を張って値段をつけられるような、
仕事がしたいと考え、発動機の製作を手がけるようになります。
農業用の、もみすり機、動力精米機、水揚げポンプなどを製作して販売を始めます。
ある時、ドイツで初めてディーゼルエンジンを目にし、
あまりに優れた性能に、その虜になってしまいます。
その後は、とりつかれた様にエンジンの研究に没頭するようになります。
2年がかりで、念願のディーゼルエンジンを完成させ、
現在の礎を築くことになるのです。
ヤンマーは、何処にも引けをとらない製品を作るという精神から、
84年から南極にある昭和基地の発電機用として、
ディーゼルエンジンを送り出しています。
極寒のうえ、絶対に止めることは許されない使命を受ける姿勢は、
その自信の表れでしょう。