「憧れ」は大切、「夢」で終わらせるな

 かつては、読んだ漫画に感動した少年が、野球やサッカーを目指し、
 国内外で活躍する選手となり、私たちを楽しませてくれています。
 女子では、バレーボールやテニスの漫画が人気を博し、
 オリンピックなどで活躍する、世界的プレイヤーが多く育ちました。

 このところ、男子バレーボールの漫画に人気が集まりつつあるようですが、
 漫画(コミック)やアニメは、子供たちが将来の夢を抱くために、
 大切な役割を担っていると感じます。

 過大演出や、空想的な展開があり、現実的とは言い難い点も多々ありますが、
 実社会を支配している「大人の事情」が排除され、夢を醸成するには最適です。

 実際には、広告的な要素を多分に含むプロ・スポーツは、
 人気の浮き沈みによって、存廃が左右される、はかない立場であります。
 音響メーカー、パイオニアの子会社に属する女子バレーボール・チームも、
 業績が悪化による経営改革の一環で廃部されることに決まったそうです。

 松本 望氏は、父親がキリスト教の伝道師を務める一家で育ちました。
 勤労精神を養うようにしなければいけないという方針により、
 小さい時から新聞配達や床屋の見習いに出されていました。
 幼い少年の楽しみは、自作の機械で外国船舶の無線を傍受することでした。

 そんな、機械好な少年の夢が叶ったのは32歳の時です。
 楽器輸入商、楽器メーカー、電機製品の輸入商の
 サラリーマン生活を送っていた時、耳寄りな話が舞い込んできました。
 それは、キリスト関係の団体から、独立資金を
 援助してもらえるという内容だったのです。

 早速、立ち上げた会社の名前は「福音電機製作所」、
 音により社会に貢献したいという思いの現われだったのです。
 当時、スピーカーや部品の製造は関西が中心に行われていましたが、
 松本氏は東京に出て、スピーカーの生産を始めます、
 ここで売り出したブランドが「パイオニア」だったのです。

 オーディオと共に、カー・ステレオの分野で
 高いシェアを持つ同社です。
 カー・ステレオへの道を開くきっかけとなったのは、
 BGM用のテープレコーダの製作でした。

 国内でもBGMが採り入れられ始め、
 その後、普及していくことになるので、
 エンドレス方式のテープレコーダの製作は
 経営にも貢献することになります。

 最初は大きかった、カートリッジもだんだん小さくなり、
 4トラックや8トラックの曲数が選べるものとなります。
 ちょうど、マイ・カーのブームも訪れつつあったことから、
 この技術を応用して、カー・ステレオに発展させたのです。

 上手く事が運ばないものもたくさんありました。
 ひとつは、倒産したトランシーバ・メーカーを
 引き継ぎいだ、短距離型の無線機の事業です。
 当時は国内の近海漁業用が主で、
 各地の漁業組合などに売っていました。

 もうひとつは、低価格型のテープレコーダの事業です。
 世の中が高級化していく流れの中にあって
 安物イメージでは、やはり受け入れられなかったのです。
 同時期に2つも失敗を重ねることとなります。

 ひとつの事業が軌道に乗るには、ユーザの求める価格で
 採算が取れるようにしなければなりません。
 いつも、松本氏はコスト削減の努力を忘れませんでした、
 そのことは「福音」の願いを守り続けることでもあったからです。

カテゴリー: 未分類   パーマリンク

コメントは受け付けていません。

税務・会計のご相談初回30分無料 075-813-4850 営業時間9時~18時(土・日・祝日を除く) お問合せフォーム