ターゲットを絞って、賢い経営を…

 首都圏ではアジア富裕層目当ての超高級マンションの建設や
 2020年東京オリンピックの需要を狙ったホテルの建替えラッシュで、
 不動産バブル状態が続いています。

 こちら京都でも、国内外の富裕層をターゲットとした、
 別荘用の高級マンションが売り出されていましたが、
 遂には、1戸7億円の建設計画が発表されて地元を驚かせています。

 また、観光向けでは、京都は建築物の高さ制限が厳しいことと、
 日本情緒を感じさせる印象が強いのか、
 旅館をイメージさせるホテルの建設やリニューアルが続いています。

 今年3月には、観光地嵐山の渡月橋近くの旅館の跡地が、
 海外ホテルグループ系列の高級ホテルとして生まれ変わりました。
 客室はわずか39室で、うちスイートルーム19室に、
 天然の温泉を引く本格的な露天風呂が付いているそうです。

 先立つ09年12月、富裕層の需要を先取りし、
 星野リゾートが高級旅館を京都の嵐山にオープンしました。
 高度成長期やバブル時代の過剰投資の後遺症に苦しむ旅館や
 ホテルの再生を手がけて成長を続けている同社。

 嵐山の観光の中心地である渡月橋から少し離れたところにあり、
 船に乗り川を渡って行かなければならない、
 辺ぴな場所にある嵐山温泉にその旅館はあります。

 もとの経営者が亡くなってから、休業状態であった老舗旅館を買い取り
 25億円を掛けて全面改装して、リニューアルオープンしたのが
 「星のや 京都」なのです。

 全室和室のしつらえでありながら、ベッドとソファーを備えています。
 海外からの観光客にも違和感無く満足してもらえるよう、
 伝統的な老舗旅館と一味違った趣向を凝らしているところが、
 星野流といったところでしょうか。

 宿泊料金は、一泊2食の予算が一人約5万円以上必要ということですから、
 一般庶民には、無縁のセレブ料金であります。
 そんな料金設定でありながら、優秀なグループチェーンホテル並みの
 客室の稼働率を70%以上にしようという意気込みには自信がうかがえます。

 では、どうして高い稼働率にする事が出来るのでしょうか。
 その秘訣は、ターゲットとなる宿泊客の層を絞込み、
 お客のニーズにマッチするような、
 客室のコンセプトやサービスを仕立てることです。

 それゆえ、星野リゾートではキャパシティの
 大きなホテルなどは手掛けません。
 客室数が、一桁、二桁違う規模になると、
 幅広い客層を対象にすることになるため
 ニーズとのミスマッチが起こることになります。
 サービスなども統一することが難しくなり、
 施設の特色が薄れてしまうことになるのです。

 同じことは、小規模な経営全般にあてはまる事といえます。
 間口が広ければいいと安易に考えて、
 幅広い客層をターゲットにしてしまうとたくさんの品揃えや設備、
 あらゆることに対応できる人員が必要になってきます。

 そうすると、儲かる部分とそうでない部分が現れて、
 無駄が多い経営になってしまいます。
 規模が小さい時は効率のいい経営を心掛け、
 優秀な企業並みの成績が上げられるようにすることが大事です。

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