スイスの高級腕時計の名前をもじった、時計ブランド「フランク三浦」。
本家が商標登録侵害で訴訟を起こしたものの、
「…外見が異なり明確に区別できる」として敗訴。
そのことが一躍話題となり、在庫がなくなるほどの人気だとか。
日本人の憧れの的で、依然人気が高いのが高級腕時計。
ブランド・バッグなどと並びオークションや中古販売店にも、
常連のメーカーが店頭を埋め尽くしています。
そんなことを尻目に、海外の量販店向けに作られた格安腕時計が、
SNSの書き込みをきっかけに、日本でも話題となりヒットしています。
時計メーカーのカシオ計算機の1000円から5000円の製品が、
「チープカシオ」と呼ばれ、実用性と耐久性を兼ね備えた性能が評価されています。
これらの製品は、カタログにもなくホームページにも載っていないそうで、
売場での扱いは粗雑そのもの。
時計売場ショーケースに入れてもらえないばかりか、
家電量販店やホームセンターで乾電池や電卓と同じように、
吊り下げられた形で売られています。
「G-SHOCK」など、多くのヒット商品を手がけ、
ユニークな視点で商品開発を行ってきたてきたのが同社です。
イスラム教圏に住む旅行客にスポットを当て、
メッカの方角を示す機能付きの腕時計も作っています。
方角以外にも、祈りの時間を通知する機能も付いて、
腕時計としては大ヒット商品となっています。
カシオ計算機の創業者 樫尾忠雄氏が事業を始めたのは、
先の大戦後の不況にあえいでいた46年(昭和21年)のことです。
小さな町工場であるがうえに、下請け仕事に頼るばかりで、
日々を一生懸命働き、食いつないでいくのがやっとでした。
見かねた兄弟が、力を貸したいと言ってきて、
4人で工場を切り盛りすることになります。
そして、このまま下請け仕事を続けるだけではいけないと、
自社商品を開発することに意見がまとまります。
とは言っても、材料も不足していたし、技術力もなかったため、
手軽に開発できそうな、家庭様の電熱器や自転車の発電ランプなど、
手当たり次第に作っていったのでした。
どれも最初は売れるものの、世の中が落ち着いていくにつれ、
売れ行きが鈍っていきます。
大手の真似したような商品を作っていても、生き残れないという思いから、
奇想天外な商品を作ろうと一致団結したのです。
しかし道のりは、予想していたとおり険しいものでした。
新しい計算機の開発に挑戦することにしたものの、
お金もなく、設備も乏しい中で試行錯誤が続きます。
開発から3年経った54年、機械式の計算機が主流であった当時、
リレー式の計算機の完成にこぎつけたのでした。
こうして、カシオ計算機が誕生し、電卓を先駆けに、
数多くのヒット商品を生み出すことになります。
第一に、より多くの人に喜んでもらえること、
第二に、新しいマーケットを創造すること、
今も変らない基本理念が、新しい商品を生み出します。