景気の晴雨兼用のビジネスとは

 足元の景気回復をうけて、外食や医療・介護業界を中心に、
 深刻な人手不足、求人難がおきています。
 一昔には、新卒者の採用が極端に少なく就職難だったことが嘘のように、
 現在、一気に売り手市場に転じています。

 買い手市場の時は求職者の受け皿として、
 売り手市場の際には人員不足を補う会社の要請を受け、
 人材派遣会社は重要な役割を担うようになってきました。

 派遣業界大手のテンプスタッフでは、労働人口減少の流れの中、
 女性の活用や高齢者の就業率に力を注いでいます。
 加えて、どうしても補いきれない労働力として、
 東南アジアでの人材確保に活路を求めているそうです。

 長いOL経験を持つひとりの女性が、英会話を勉強して留学をし、
 海外でビジネスを身に付けたことから始めたのが派遣ビジネス。
 派遣という言葉が珍しかった1973年、
 テンプスタッフの創業者 篠原欣子氏は小さな事務所でビジネスを立ち上げます。

 早速、外資系企業に案内を出し、
 派遣スタッフの求人広告をしますが連絡は全くなし。
 仕方なく、夕方から英会話教室を開いて維持費を捻出することにしました。

 やっとのこと、英文タイピストの女性スタッフの募集があったことから、
 本格的にビジネスがスタートすることになります。
 派遣ビジネスは派遣業法が成立するまで、
 法律的にはグレーな部分が多くありました。
 日本の企業に営業に出向けば「芸者の置屋」と揶揄されながらも、
 外資企業中心に順調に仕事は増えていきました。

 派遣業法が成立し、派遣は立派なビジネスになるとともに、
 一気に同業者が増え競争が激しくなっていきます。
 なにより、先駆者の洗礼を受けることとなったのは、
 登録スタッフの「名簿流出事件」でした。

 インターネットのサイトに、登録スタッフの情報9万人分が流出したのです。
 週刊誌がその情報を見つけ出し記事にする。
 記者会見、テレビ報道、新聞記事、
 次から次へと、公の目に曝されることになります。
 監督官庁からは、「許可の取り消しもありうる」とのコメントも出て、
 会社はパニック状態に陥ります。

 この事件が、急成長している会社であっても、
 昨日や今日、出てきたような会社であれば、一たまりも無かったことでしょう。
 幾度と無く厳しい状態を切り抜けてきたからこそ、
 それに持ちこたえられるだけの体力を備える事が出来ていました。
 当時、篠原氏が社員に向けて口にした言葉がそのことを表しています。
 「会社がつぶれたら、皆さんに1年間分の給料をお支払いします」

 ブームに乗り急成長を遂げている会社には、
 その成長を武器に会社を大きくする手法が採られます。
 具体的には、銀行や投資ファンドと手を組んで、
 株式公開や増資によって株主から資金を調達したり、
 オーナーの持ち株を担保に他企業を買収して、
 グループとしての売上高を大きく見せるのです。

 しかし、成長に陰りが見え始めてくると、
 目標の数字を作るのに躍起になり、手段を選べなくなってしまいます。
 そんなときに会社で不祥事などが発覚してしまうと、
 破綻の道へ突き進むことになってしまいます。

=======================================================================
 発 行 元:シモヤマ会計事務所(下山弘一税理士事務所)
      〒604-8471 京都府京都市中京区西ノ京中御門東町101
      TEL 075-813-4850
 発 行 人:下山弘一

━━━━━━━━━  京都の税理士・会計事務所 いい顧問  ━━━━━━━━━

カテゴリー: 未分類   パーマリンク

コメントは受け付けていません。

税務・会計のご相談初回30分無料 075-813-4850 営業時間9時~18時(土・日・祝日を除く) お問合せフォーム