蟻の一穴、力を集中して風穴を…

 最近特に感じることですが10代や20代前半ですばらしい成績を残す、
 スポーツ選手が増えてきました。
 野球やサッカーでは当たり前となっている「英才教育」や「青田買い」が
 進んだだけとは思えない気がします。

 良い結果を残したときのインタービューでは、
 その世代とは思えない程のしっかりとした受け答えに頭が下がる思いです。
 小さいときから常に結果を求められ、
 うまくできなかったときでも自己解決しなければならない精神力が、
 行動すべてに亘って「大人化」しているんだんと感じます。

 そんな一人で、何年にも前から期待をかけられていた、
 陸上選手の桐生祥秀選手が念願の100メートル9秒台を達成しました。
 その功績を記念して、桐生選手が着用していたスパイクと
 同型のスパイクが数量限定で発売されました。

 発売元は、桐生選手をサポートし続けたスポーツ用品のアシックスです。
 スパイクは今年4月に完成し、実際に桐生が履いているモデル。
 価格は記録にちなんで9万9800円、桐生選手のサイン入りで、
 展示用のジュラルミンケース付きだそうです。

 アシックスはスポーツ用品メーカーとしては後からの出発でした。
 ミズノをはじめとする、大手メーカーの勢力が、
 野球、テニス、ゴルフの広範囲のアイテムに亘っており、
 数名程度社員の会社には、到底太刀打ち出来ないと思われました。
 
 そんな状況の中で、アシックスの創業者 鬼塚喜八郎氏が決めたことは、
 一点に集中して力を注ぐこと。
 加えて、大手が取り組んでいない分野、それはバスケットシューズの生産に、
 全精力を集中させることでした。
 
 創業の6年後に、バスケットシューズはトップ商品に育っていました。
 大手メーカーの倍の値段もする、オニツカ(アシックスの前身)の
 バスケットシューズを、選手は競って買ってくれたのです。
 その理由は、モノがよく、性能が飛びぬけていたからです。
 選手は値段より、履き心地がよく、思うように動けることを望んでいたのです。

 成功を受け、鬼塚氏はマラソンシューズの開発に挑戦します。
 ひとつの商品分野で、市場シェア50パーセント以上になるまで、
 持てる力を集中し、その分野でトップとなる商品を作り上げる。
 次には、スポーツシューズに力を移していったのです。

 こうして、オニツカはスポーツシューズの総合メーカーへと育っていきました。
 「中小企業は、もてる力が小さい。ひとつの目標をはっきりさせて、
 徹底して追及していかないと、大企業には勝てない」

 「堅い板に穴を開けようとするとき、
 大きな鉄の棒で、力をいっぱい入れてもダメだが、
 キリを使って揉んでいけば、案外簡単に開けることが出来る」
 
 その後、スポーツウエアメーカーと合併し、
 総合スポーツ用品メーカーのアシックスとして出発するのですが、
 その根底には、弱者の戦略が受け継がれていきます。

=======================================================================
発 行 元:シモヤマ会計事務所(下山弘一税理士事務所)
〒604-8471 京都府京都市中京区西ノ京中御門東町101
TEL 075-813-4850
発 行 人:下山弘一

━━━━━━━━━  京都の税理士・会計事務所 いい顧問  ━━━━━━━━━

カテゴリー: 未分類   パーマリンク

コメントは受け付けていません。

税務・会計のご相談初回30分無料 075-813-4850 営業時間9時~18時(土・日・祝日を除く) お問合せフォーム