競争力や収益の源泉となるのは…

 かつて、メーカー系列の特約電器店や地元の電気店から客足を奪い取り、
 一気に拡大を遂げた家電量販店。
 ところが、売上規模とは裏腹に各社とも利益率は数パーセント以下と、
 少しでも舵取りを見誤れば、一気に赤字転落する厳しい経営を続けています。

 その原因のひとつとなっているのが、
 アマゾンなどの家電製品のネット販売の普及です。
 価格面だけではネット販売に軍配が上がり、
 販売員を抱える実店舗では対抗できなくなっています。

 そんな状況を克服しようと、家電量販店大手のビックカメラでは、
 2013年から接客コンテストを開催しています。
 そもそも、社長がファッションビル「ルミネ」の接客コンテストを
 見学したことがきっかけでした。

 商品だけでは、ネット販売との差別化は難しく、
 店頭の販売員の接客力が競争の源泉になるということです。
 ファッションビルに比べ幅広い客層が対象となるため、
 接客には幅広い商品知識や口コミ情報の習得が鍵となります。

 家電量販店の勢力争いを繰り広げ、
 現在では傘下にコジマ、ソフマップを持つビックカメラ。
 創業者 新井隆二氏はDPE(写真現像プリント)業から始めて、
 時代に応じて業態を変化し成長させていきます。

 新井氏がDPE業に関心を持ったのは、学生時代のことでした。
 手許に残る、子供の頃に亡くした母親の写真を、
 大きく引き伸ばしてもらおうと写真店を訪ねたところ、
 「そういうことは出来ない」と断られてしまったのです。
 どうにか出来ないかと独学で調べ、
 苦心の末、望みを実現させたのです。

 第一号店である高崎DPセンターを立ち上げ、
 本格的に写真の現像を始めます。
 相場より3割ほど安くした白黒プリント料金と、
 3時間のスピード仕上げを店の「売り物」としました。
 思ったとおり、順調に注文が入りすぐに採算の合う商売となったのです。

 3年後にはチェーン店が40店に増え、
 地元では写真現像で名前の通る会社となってきた時のことです。
 「年中無休」と「朝10時から夜8時までの営業」を掲げていたため
 どうしても人件費がかさんでいたのです。
 おまけに、各店の巡回に時間を割かれ、
 経営の事を細かく見ることが出来なくなってきたのです。

 周りからは「順調に進んでいるのに、なぜ」と
 不思議に思う声もありましたが、
 思い切って、チェーン店を6店に絞り込むことにしました。
 それと同時に、収益性のあるカメラ販売に経営の主力を移したのです。

 店舗の縮小を終えた直後に、オイルショックの不況がやってきたのですが、
 経営をカメラ販売に移行していたことが幸いとなりました。
 その後はご存知のとおり、家電量販店として規模を拡大していくのですが、
 経営を見極める感覚はこの時から研ぎ澄まされていたのでしょう。

 一般的に、設備投資をして利益を回収するまでには、長い時間が掛かるものです。
 経営が赤字なのに、売上を上げるためと称して設備投資にお金を使う。
 この事は、一日でも早くお金の目減りを食い止めないといけないのに、
 決算書の見栄えを良くするために、お金を使うことになります。
 安定した経営には、お金の流れを見ることが大切です。

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発 行 元:シモヤマ会計事務所(下山弘一税理士事務所)
〒604-8471 京都府京都市中京区西ノ京中御門東町101
TEL 075-813-4850
発 行 人:下山弘一

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