ブームの波に足元をすくわれないために

 コンピュータ・ゲームのインベーダー・ゲームが大ヒットしたのが発端となり、
 ゲームセンターは一気に日本中に広がりました。
 その後、テレビ・ゲームからポケット型まで、
 日本人のゲーム好きは留まることを知らず、
 移動中や待ち時間に、携帯向けゲームは欠かせない存在となっています。

 時間が経ち、かつて少年少女が集いかつ遊んでいたゲームセンターは、
 シニア世代が時間を過ごす場所に変っています。
 同じように、若者の利用が中心であったカラオケ・ボックスも、
 日中の利用はシニア層に移ってきています。

 この世にカラオケが登場したお陰で、
 カラオケ・ボックスに行きリモコンを押しさえすれば、
 最新のヒット曲でも、あたかも自分の持ち歌であるかのように、
 気軽に口ずさむことが出来るようになったのです。

 神戸のスナックで始まったとされるカラオケは、
 アメリカのタイム誌が発案者の井上大祐氏を、
 毛沢東やガンジーと共に「20世紀に最も影響のあった20人」として
 紹介したほど、世界的な娯楽として広がっています。

 きっかけは、些細な思い付きでした。
 バンドマンをしていた井上氏が、得意先の一人から、
 出張先の会合で演奏をしてほしいと頼まれます。
 実際に演奏する代わりに、歌の伴奏を吹き込んだテープを渡したところ、
 意外に好評だったのです。

 このことに味を占めた彼は、カーステレオに手を加えアンプとマイクを取り付け、
 ジュークボックスのように、お金を入れれば一定時間動く機器を作ります。
 伴奏には、歌い易いようガイドメロディーを加えたテープを作り、
 地元のスナックやクラブにレンタルで貸し出したのです。

 あっという間に神戸で人気になったカラオケは、このブームに乗る遅れまいと、
 次から次へとハードメーカー、ソフトメーカーが参入することになります。
 幸いなことに、カラオケは一時のブームに終わることなく、
 その後も何世代にも亘って楽しませてくれる娯楽となりました。

 大きな理由は、音楽だけのカセットテープから、映像入りのレーザーディスクに、
 そして、通信カラオケにタイミングよく変わったこと。
 伴奏も、生演奏によるものから、シンセサイザー等の発達により、
 いわゆる、打ち込み方式によって簡単に作れるようになったことも影響しています。

 ハードの進化や通信技術の発達に、歩調を合わせるかのように
 変化していったカラオケは、ユーザーを飽きさせることがありませんでした。
 さらに、70年代は夜の酒場中心でありましたが、家庭用のカラオケが発売され、
 各地で若者向けにカラオケ・ボックスが登場してくるなど、
 何度も新しいブームを迎えることになります。

 このようにブームの波が押し寄せる度に、ビジネスチャンスが訪れるわけですが、
 運良くその局面に居合わせた経営者はどのような気持ちになるのでしょう。
 頑張って手を伸ばせば、成功を手にすることが確実と思った時には、
 よそ者にそのチャンスを横取りされまいと、生産(販売)増強に取り掛かります。

 手元に相応の資金があれば問題ないのですが、
 資金が足りないときには、銀行などに融資を申し込むことになります。
 失敗するケースの場合、多くのお金を得たいがために、
 高い金利や短い返済期間などの無理な条件を呑み、
 その後の返済に苦しむことになるので注意が必要です。

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