飽きさせない工夫が実を結ぶ

 関東の方はもちろん、そうでない方もニュースなどでご存知のとおり、
 東京ディズニーランド(TDL)が今週15日、開業30周年を向かえました。
 地方のテーマパークが相次いで閉園しているのを尻目に、
 開業から高い人気を継続し続けています。

 集客の秘密は、高いリピーター率。
 90%を超えるともいわれているリピーターに足を向けさせているのは、
 毎年のように新しいアトラクションを作り続けることと、
 子供だけでなく大人でも何度も通いたくなる様に思わせる仕組みです。

 加えて驚きなのが、来園者の購買高です。
 収入に占める、飲食や物品の売上は50%を超えていて、
 その額は、百貨店やショッピングセンターを凌ぐ程で。
 入場料以上に園内での飲食やお土産にお金を使っているのです。

 優れた接客術や、社員教育で話題に上ることが多いTDLですが、
 このような成功を、テーマパークの構想を立ち上げた当時は、
 誰も予想していませんでした。

 1960年、そのころの浦安といえば東京圏の開発に取り残された地域でした。
 その浦安地区の埋め立てとレジャー施設の建設の構想が立ち上げられたものの、
 60万坪のレジャー施設は、到底実現不可能と思われていました。

 83年の春に開業にこぎつけることになるのですが、
 それは10年、20年先の「夢」を目指しての船出だったのです。
 最初に話を持ちかけた、埋め立て事業の主役であった会社は、
 オリエンタルランド設立後まもなく、経営が思わしくなくなり、
 事業から手を引くことになります。

 ディズニーランドの誘致にほぼ目鼻が付いた頃、
 TDLの推進役であった京成電鉄が経営不振により、
 中心な役割が三井不動産に移り開業を迎えることとなります。

 本国ディズニーランドの生みの親、W・ディズニーも、
 最初のヒット作は、ウサギをキャラクターとするアニメでしたが、
 キャラクターの所有権を持つことが出来ず、
 資金的に苦しい経験を持っていました。

 きっかけは、ミッキーマウスをクローズアップしたことでした。
 アニメの本を出版し、新聞にコマ割り漫画を載せたのです。
 その後、アイスクリームのライセンス契約を皮切りに
 様々な商品のライセンス契約を取り付けるようになったのです。
 ライセンス料のお陰で、アニメ制作の事業はかなり潤うことになり、
 経営は安定することになったのです。

 当然のことながら、W・ディズニーのスタイルを受け継ぎ
 ビジネスを行っているTDLですが、
 お土産物やキャラクターグッズは、
 ごく一部のディズニーショップを除き、園内でしか買えないものばかり。
 ショーやアトラクションといったサービス以上に、
 来園者を買物客化させているところに、収益力のカラクリが潜んでいるのです。

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