視点を180度変えてみれば…

 多くの業種は成熟の域に達しているため、
 新参者が入る余地は残されていないように思われます。
 しかし、視点を180度変えてみれば、
 まだまだ、手がつけられていない部分が残されています。

 「住宅は木造でないといけない」という概念を取り去り
 「プレハブ住宅」を生み出したのは、大和ハウス創業者 石橋信夫氏です。
 戦後、復員して間もない時に、関西地方を襲った大型台風。

 無残に吹き飛ばされた住宅を目にし、その悲惨さに哀れむ中、
 住宅の周りにある、田んぼの稲や、
 竹林の竹が折れていないことを不思議に感じたのでした。

 頑丈な木造で作られている住宅より、風になびくような稲や竹の方が
 どうして丈夫なのか「なぜだろう」と考えました。
 「稲の茎も竹の幹も円形で中空をしている…
 それならば、同じような形体をしている鉄パイプを使えば、
 丈夫な住宅が出来るのではないか」

 石橋氏は、早速この鉄パイプを使った家屋を、
 「パイプハウス」と名付けて販売したのです。

 戦後のベビーブームの影響で、日本中の小学校は子供たちで溢れていました。
 増える子供たちで教室が足なくなっていましたが、
 校舎の増築に間にあわず、また、増やした教室は何年か経てば、
 使わなくなってしまうこともわかっていました。
 そこで、考え付いたのが「パイプハウス」を利用した教室だったのです。

 各学年の生徒の人数に合わせて、仮設の教室を作り、
 その小学生が中学に進学したならそのまま、
 中学へ持っていくという「移動教室」を生み出したのです。

 また、仕事に追われる中、趣味の川釣りに出かけた時のことです。
 夕暮れ近くになっても、家路に着かない子供たちがたくさんいたのです。
 心配になり尋ねてみると、「帰っても、家が狭くて、
 勉強する部屋も、遊ぶ場所もない」と返事が返ってきました。

 子供たちに簡単でもいいから自分の部屋を与えてあげたい。
 そんな気持ちから、家の庭に簡単に建てられる「勉強部屋」を考えたのです。
 こうして、柱には軽量鉄骨を使い屋根と壁には断熱材を使った、
 「ミゼットハウス」が誕生したのです。

 これが出発となり、お客様からの要望から、トイレ、台所…と追加され、
 本格的な住宅、「プレハブ住宅」へ繋がっていくのです。

 同社は、80年前後から、ユニクロやチヨダ、青山商事などの、
 出店に伴う店舗の建設や用地確保に力を入れてきました。
 その実績を買われから、2000年にはいると、
 ドラッグストアの店舗や地方の食品スーパーの展開に力を尽くしてきました。

 仮設建物から個人向け住宅に進化したプレハブ建築。
 早くて、工期が安定しているメリットを生かして、
 今の主軸は物流向け建物の受注に移ってきています。

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