急場しのぎの策、新しい芽を吹くか

 こちら事務所の最寄りにある牛丼チェーン吉野家のお店が、
 今月に入って店内の改装が始まり26日にリニューアルオープンしました。
 その期間中、「もしかして…」と少なからず期待しておりましたが、
 いよいよ近くにも登場しました「吉呑み」サービス。

 吉野家では、一昨年夏から実験的に「吉呑み」と称し、
 夕方以降の時間帯に、ちょい呑みスペースを設けていました。
 比較的規模の大きい店舗で実施していましたが、
 人気は上々な様子で、6月までに360店舗まで増やす見込みだそうです。
 
 同様に、お父様方のニーズを取り込んで顧客獲得に乗り出しているのは、
 ファミレスなどの外食チェーンです。
 立ち飲みブームの影響もあり、どっしり腰を据えて呑むより、
 近場で気軽に呑みたいという「ちょい呑み」需要の開拓を試みています。
 
 長く続いていた各社の値下げ合戦も、円安、人件費高騰の影響を受け、
 一転、度重なる値上げの連続となっています。
 値上げに伴う各足離れを、どうにかして食い止めるための苦肉の策が、
 二毛作のサービスだったということです。

 先頭を切って値下げ戦略を掲げていた、すき家を展開するゼンショーは、
 ファミリーレストラン、和食、中華など様々な外食を展開し、
 総合外食チェーンを目指しています。

 大小を問わず、外食チェーンのM&Aにも積極的で、
 売上高は急成長を遂げていました。
 反面、多額の投資のため財務体質は決して良いとは言える状況ではなく、
 上場直前のベンチャー企業若しくは、
 一般的な中小企業レベルであるといってもおかしくない状況であります。

 吉野家は、過去に一度倒産を経験し復活してきた会社です、
 無謀な投資に急激な事業拡大の怖さは身にしみてわかっています。
 それゆえ、値下げ合戦には消極的でした。
 
 現在の吉野家には、「キャッシュ」という強い見方をつけています。
 経営が窮地に陥ったときに、
 強みを発揮するのが「キャッシュ・フロー」なのです。
 外食業は、売上のほとんどが現金商売、
 元来は「キャッシュ」を貯めやすい業種です。

 そんな利点も、経営拡大ばかりに目が向きすぎると、
 思いがけない錯覚に陥ってしまいます。
 売上が伸びているときには、支払までに手元に残るお金は、
 比例してどんどん増えていくことになります。

 しかし、ここで注意が必要です。
 そのお金は、一時的に手元に残っているだけで、
 時がくれば支払わないといけないお金なのです。

 このお金を「儲け」と錯覚して、
 新店の開業費や車の購入などに充ててしまうと、
 売上の伸びがストップしたときに、
 途端に資金繰りがショートすることになります。
 上場を目指して、事業拡大を推し進める余り、
 経営破たんしてしまう会社の多くは、このパターンなのです。

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