瀬戸際、救世主は登場するか…

 上場企業の多くが決算期を迎える3月、
 経営再建中の東芝は、瀬戸際に追い込まれています。
 内部告発から明るみに出たと伝えられている不正決算問題に端を発し、
 時間が経つにつれ損失金額が大きくなり、
 決算見通しさえ出せない情況に陥っています。

 経営の潮目が変る時期にこのような事が起きるケースが多いのですが、
 バブル崩壊の時に流通業の老舗企業が粉飾決算を行い、
 倒産に追い込まれたことが蘇ります。

 今回は、リーマンショックや原子力事業の不振で利益を生み出すことが出来ず、
 その穴埋めに走った事と見られていますが、
 多くの経験を持つはずの老舗企業が、
 どうして崖っぷちに立たされる様になったのでしょう。

 東芝は、扇風機、白熱電球を国産第一号としてこの世に送り出した会社です。
 そのほかにも、電気アイロン、ラジオ受信機、電気洗濯機、電気冷蔵庫など、
 本当に沢山の家電製品の国産化に成功しています。

 今では、海外製の羽根なし扇風機が好調に売れていることから、
 国内メーカーも高機能を謳った製品を続々と投入しています。
 あるベンチャー企業では、自然に近い風を再現するため、
 独自の羽根の構造を開発し、直流モーターを使った省エネ扇風機を発売しました。

 当初は、1万円以下の商品が主流である扇風機市場に、
 3万円を超える価格は、「誰も買うわけない」と思われていました。
 蓋を開けてみると、省エネ効果はもとより、
 静けさや上品な風の流れに、高級志向な顧客の目に留まることとなります。

 機能の目玉は、何といっても省電力です。
 消費電力は最低3ワットでOKとのことですから、豆電球並みの電力です。
 加えて、静かで柔らかな風を送り出すために、羽根とモーターに工夫を加えたそうです。
 ここ数年、環境意識の高まりで、電化製品には省電力が求められてきています。

 そんな流れの中、白熱電球の製造ラインも既にストップしています。
 国内の家庭使っている白熱電球をLED電球に切り替えると年間で約1400万トン、
 東芝が製造している数量を置きかえただけでも年間約43万トンの
 二酸化炭素排出量削減効果があるそうです。

 100年を超える会社の歴史は、紆余曲折、色々なことがあって当然です。
 明治初期に設立され、近代日本の発展と共に成長してきた東芝は、
 悩みの点でも日本の会社を代表するといえます。

 戦後の労働争議や大企業病、海外メーカーの台頭など、
 数え上げればキリが無いほどです。
 労働争議は会社の存続が危ぶまれるほど民間企業では重大な問題でした。
 この問題を収拾するために石坂泰三氏が選ばれ解決をみせます。

 ところが、生え抜き人事で後を任された社長の放漫経営が始まります。
 社長室には、専用の浴室、トイレ、そして専属コックまで置いたというのですから、
 そのタガの緩みかたは、尋常ではなかったのでしょう。
 当然のことながら、会社の士気は下がり、業績は落ち込み、株価は急落!

 その事に対して、再建の役を担ったのが、土光敏夫氏でした。
 「社員は三倍頭を使え。重役は十倍働く。新社長はそれ以上に働く」
 とスローガンを掲げ、それを偽りなく、実行した人です。

 10年も経てば、世間の好みも人の考え方も変わって当然です。
 現在のエネルギーから、注目されている太陽光発電やバイオ燃料へ、
 移行が進んだ後には、また新しい電化製品が登場してくることでしょう。
 エコロジー、節電需要という「神風」に押されて登場した製品は、
 数限りなくあります。これらの製品の行方は、
 いかなることになるのでしょう。

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発 行 元:シモヤマ会計事務所(下山弘一税理士事務所)
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