お知らせ

 16日、米のウォルト・ディズニー社が設立100周年を迎えました。
 有名なキャラクター、
 ミッキーマウスが1928年に公開した短編映画で人気となり、
 映画製作会社の一歩を踏み出すことになります。
 現在では、ディズニーランドの運営をはじめ、
 その傘下には放送局、映画会社をもつエンターテイメント企業です。

 アニメの生みの親ウォルト・ディズニーは、
 イラストレーターとして広告会社に勤めていた時、
 アニメーションに興味を持ち、そこで技術の基礎を学びました。
 自ら会社を作り、アニメ映画の製作に取り組みますが、
 自分のアイデアを買ってくれるところを探し歩く日が続きます。

 最初のヒット作は、ウサギをキャラクターにしたアニメでしたが、
 キャラクターの所有権を持つことが出来ず、
 資金的に苦しい状態が続いたのです。

 夜中の仕事中にゴミ箱に集まってくるネズミにヒントを受け題材とした、
 「ミッキーマウス」の映画は大成功を収めることになります。
 ところが、配給会社との力関係で制作費の割には、
 手元にはわずかなお金しか残らなかったのです。

 あることがきっかけで、そんな状況は一変します。
 ミッキーマウスを大々的に宣伝を行い、
 アニメの本を出版し、新聞にコマ割り漫画を載せたのです。

 その後、アイスクリームのライセンス契約を皮切りに
 様々な商品のライセンス契約を取り付けるようになったのです。
 ライセンス料のお陰で、アニメ制作の事業はかなり潤うことになり、
 経営は安定することになったのです。

 アニメ映画の製作には莫大な費用がかかります。
 特に作品の完成度を求めると、
 初回の興業収入だけでは元を取ることが難しい事もあるのです。
 それゆえ、ライセンス料は質の高いアニメを作るには
 欠かせない収入なのです。
 
 一つの映画が出来上がると、このアニメを題材とした漫画と
 単行本がライセンス契約で出版され、
 また、テーマソングも発売され楽譜も販売されることになります。
 全国の企業からは、映画や登場するキャラクターの関連商品を、
 作り販売するライセンス料を受け取ることになります。
 
 こうして、アニメは映画制作という枠を越え、
 総合マーケティング事業として成り立っていくことになります。
 また、キャラクター達は、何世代にも渡って子供たちを楽しませ続けます。
 たとえ生みの親がこの世を去っても…
 ディズニーはキャラクターには寿命がないことを教えてくれたのです。

 今回は相談事例を通じて、行方不明の相続人がいる場合の相続手続きの進め方について、ご紹介します。

 先日、父が亡くなりました。父の相続人は母と私、そして3歳下の弟です。しかし、弟とは10年前からずっと連絡を取っておらず、行方が分からない状態です。
 相続手続きを進めたいのですが、弟抜きで手続きを進めることはできるでしょうか。

 行方不明者でも、その人が生存している限り、相続権がなくなるわけではありません。遺産分割協議は、相続人全員で行う必要があるため、その人も含めて相続手続きを行わなければなりません。
 したがって、相続手続きを進めるためには、まず行方不明者の所在を調査します。

 しかしながら、調査をしても行方不明者が調査した住所に住んでいない場合もあります。このような場合、以下の2つの方法を利用して相続手続きを進めていきます。

【不在者財産管理人の申立て】

 利害関係人又は検察官が家庭裁判所に不在者財産管理人の申立てを行い、従来の住所又は居所を去り、容易に戻る見込みのない「不在者」の財産を管理する人を選任してもらうことができます。

 不在者財産管理人は、「不在者」の財産を管理・保存するほか、家庭裁判所の権限外行為許可を得た上で、「不在者」に代わって、遺産分割・不動産の売却等を行うことができるので、相続手続きを進めることができます(参考条文:民法25条)。

 また、令和5年4月1日から、家事事件手続法の改正により、不在者財産管理人は金銭を供託できることが明文化されました。
 改正前は、「不在者」の行方が分かるか、「不在者」の金銭がなくなるまで不在者財産管理人の業務は続き、「不在者」の財産は、不在者財産管理人の報酬に充てられることが多くありましたが、改正により、「不在者」の金銭を供託することで管理財産がなくなれば、不在者財産管理人の業務は終了となります。これにより、不在者の財産が残りやすくなります(参考条文:家事事件手続法146条の2)。

【失踪宣告】

 失踪宣告とは、従来の住所又は居所を去り、容易に帰ってくる見込みのない「不在者」の生死不明の状態が継続した場合に、「不在者」が死亡したものとして、身分上・財産上の法律関係を確定させる制度です。

 失踪宣告には、普通失踪と特別失踪の2種類があります。どちらも利害関係人が失踪宣告を家庭裁判所に申し立て、失踪宣告の審判を受けて死亡したものとみなされる制度です。

 普通失踪とは、「不在者」の生死が7年間明らかでない場合に、「不在者」の生存が確認された最後の時から7年以上経っている場合に利用できます。
 特別失踪とは、「不在者」が冬山登山の遭難や船舶の沈没に遭遇などの危難に遭遇したことで、生死が不明な場合に、その危難が去った後1年間「不在者」の行方が分からない場合に利用できます。

 失踪宣告がなされると「不在者」は法的に「死亡したもの」と扱われるため、不在者の相続人を遺産分割協議に加えることで相続手続きを進めることができます(参考条文:民法30条)。

 なお、「不在者」が「死亡したもの」とみなされた時期によっては、現在の相続関係が変わり、相続人が変わる、数次相続となる可能性があるので、ご注意ください。
 また、行方不明者に対し不在者財産管理人の選任申立てと失踪宣告、どちらを利用するかについては、個別の事例ごとで判断する必要があるため、お近くの司法書士などの専門家へのご相談をお進めします。

 

 

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 相続する財産より引き継ぐ債務の方が多い場合、他の相続人の相続財産から控除することはできますか?

 父が経営している会社を数年前に私が引き継ぎ、現在は父が会長で、私が社長になっています。
 父は会社から5億円の資金を借り入れ、不動産投資(賃貸ビルの投資)をしています。
 この不動産も会社経営に影響することから、父が亡くなったときには、会社からの借金とともにこの不動産を相続する予定です。
 現状、不動産の財産評価額として、賃貸ビルが5,000万円、賃貸ビルの敷地部分は2億円となります。
 他方、借金の残高は4億円あると聞いています。
 今、父の相続が開始した場合、2.5億円(5,000万円+2億円)の財産に対して、借金4億円を相続することとなり、引き継ぐ債務の方が多くなります。このようなとき、他の相続人の相続財産から引ききれない債務1.5億円(4億円-2.5億円)を控除することができるのでしょうか?

 ご相談のような相続した財産よりも引き継ぐ債務の方が大きい場合、他の相続人の相続財産から引ききれない債務を控除することはできません。

1.納付すべき相続税額の計算

 納付すべき相続税額の計算は、まず課税価格の合計額から基礎控除額を差し引き、その差額(課税遺産総額)に対して、法定相続人ごとに法定相続分に従って取得したものとして“相続税の総額”を計算します。この相続税の総額を実際に取得した人ごとに割り振り、納付すべき相続税額を計算します。

2.課税価格の計算

 上記1.の計算において、まず課税価格の合計額を計算することになりますが、「課税価格の合計額」とは、相続又は遺贈などにより財産を取得した人ごとに計算した課税価格の合計額を指します。

 課税価格は、各人ごとに以下の算式により計算します。

相続又は遺贈により取得した財産の価額 + みなし相続等により取得した財産の価額 ー 非課税財産の価額 + 相続時精算課税に係る贈与財産の価額 ー 債務及び葬式費用の額 = 純資産価額(赤字のときは0)
純資産価額 + 生前贈与加算 = 課税価格(1,000円未満切捨て)

 上記のとおり、各人ごとに課税価格を計算する過程において、純資産価額の計算時に赤字(マイナス)となった場合には「0」となることから、マイナス部分を他の相続人の相続財産から差し引くことはできません。

 ご相談の場合、相続財産から引ききれない債務1.5億円は、純資産価額の計算において0円となりますので、他の相続人の相続財産から差し引くことはできません。また、仮にご相談者様が生前贈与加算を活用して生前贈与を実行したとしても、相続財産から引ききれない債務1.5億円を生前贈与加算分と相殺することもできませんので、ご注意ください。

 相続税に関するご相談は、お気軽に当事務所までお問い合わせください。

<参考>
 国税庁HP「No.4152 相続税の計算

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