お知らせ

 相続を理由に契約を中途解約し、土地の明渡しを求めることはできますか?

 第三者に貸している土地を相続しました。この土地について、今と違う形での活用や売却を検討しています。相続を理由に契約を中途解約し、土地の明渡しを求めることは可能でしょうか。

 契約の中途解約ができるか否かは、契約の種類等により異なります。まずは契約内容を確認しましょう。

1.中途解約を検討する場合の確認事項

 中途解約を検討する場合、下記を確認する必要があります。

  • ①賃貸借契約の種類
  • ②貸主の死亡によりその地位は相続されるのか否か
  • ③②で相続される場合、契約期間内に貸主から中途解約することはできるのか否か
2.土地の賃貸借契約の種類別中途解約の可否

 土地の賃貸借契約には、主に次の(1)から(3)の3種類があります。それぞれの契約について、上記1.の3項目を中心にご説明します。

(1)建物建築を目的として土地を貸す契約(普通借地契約)
  • ①普通借地契約
  • ②貸主の地位が相続される
  • ③契約期間内の中途解約は不可。契約期間満了時に更新を拒絶することはできるが、その場合は「正当事由」が必要

 上記①のような借地契約における借主の土地に対する権利を、「借地権」といいます。この借地権は「借地借家法」で定められた権利であり、借地借家法は立場の弱い借主保護を目的とした法律です。したがって、借地権は強い権利であり、貸主から中途解約することはできません。

 また、上記③の「正当事由」は、貸主がその土地を利用する正当な理由があるとき、借主の土地利用状況が賃貸借契約時から大きく変わっているとき、並びに貸主が立退料等を支払ったときと定められており、単に「相続したから」は、正当事由として認められません。

 なお、建物建築を目的として土地を貸す契約としては、普通借地契約の他に契約期間満了後、契約更新はなく必ず更地で土地が貸主に返還される「定期借地契約」もありますが、この契約でも貸主からの中途解約は不可であり、相続を理由とした中途解約はできません。

(2)駐車場・資材置き場等での利用を目的として土地を貸す契約
  • ①建物建築を目的としない借地契約
  • ②貸主の地位が相続される
  • ③一定の場合は契約期間内の中途解約は可能だが、解約予告期間は契約内容による

 建物の建築を目的としない借地契約は、借地借家法ではなく民法が適用されます。民法が適用されると、賃貸借の期間の定めがない場合には、いつでも解約の申し入れをすることができます。つまり貸主からの中途解約は可能であり、その条件は当事者間の取り決めで定めることができます。特に相続を理由とする必要はありません。また、期間の定めがあったとしても、契約に期間満了前に当事者の一方の意思表示のみで契約を終了させることができる“中途解約条項”が定められている場合には、中途解約が可能です。

 一般的な解約予告期間としては、駐車場の月極め契約であれば、契約書に1ヶ月から3ヶ月前の予告で中途解約可能と定められている場合が多いですが、期間の定めがない場合は、解約予告をした日から1年後の解約となります。また、契約期間満了時に解約することも可能であり、その際も正当事由は不要です。

(3)無償で土地を貸す契約
  • ①使用貸借契約
  • ②貸主の地位が相続される
  • ③一定の場合は契約期間内の中途解約は可能だが、いつまで契約期間が存続するかは、その土地の利用状況や前後の事情により変わるため判断が難しい

 使用貸借契約は上記(2)と同様、民法が適用されますが、適用する条文は異なります。
 使用貸借契約は期間の定めがないケースが多く、このような場合には、契約の目的を定めていれば、その使用及び収益をするために必要な期間が経過したときに、定めていなければいつでも解約をすることができます。つまり、使用貸借契約の目的によって中途解約ができる時期が大きく変わります。

 例えば自宅の建替えのために、一時的に駐車場として無償で土地を貸した場合、建替えが完了すれば目的を果たしたことになり、その時点で解約可能となります。しかしながら、土地の上に建物が存している場合、「使用及び収益をするために必要な期間が経過したとき」の判断が非常に難しく、過去の判例を見ても判断が分かれています。

 今回のご相談の場合、上記(2)の契約であれば比較的容易に解約することができます。他方、上記(1)の契約は中途解約できず、契約期間満了時の更新を拒絶する場合にも正当事由が必要とされるため、明渡しを求めることは容易ではありません。また、上記(3)の契約は土地の利用状況等により変わります。

 このように、中途解約ができるか否かは契約の種類や内容により異なりますので、まずは契約内容を確認されることをお勧めします。ご不明な点等がございましたら、お気軽に当事務所へお問い合わせください。

<参考>
 借地借家法4条、5条、6条、民法597条、598条、617条、618条

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。

 町に親しまれていた書店が相次いで姿を消していく中、
 TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、
 書店チェーンとしても最大手となっています。
 図書館を運営したことでも話題になりましたが、
 商業施設の中核テナントとして入るなど独自の戦略で攻勢を強めています。

 また、日本最大規模のポイント会員を誇る「Tポイント」運営会社にもなっており、
 ポイントサービスやコンサルティングサービスの分野でも力を誇っています。
 ここにきて、電子マネーの普及により弱点だった決済サービスを強化するため、
 三井住友フィナンシャルグループの「Vポイント」と統合することが発表されました。
 
 音楽好きの若者や、少ない小遣いで最大限に欲求を満たそうとする学生の支持で、
 レンタルレコード店は街中に一気に広がりました。
 駅前近くの雑居ビルの上部階に店を構え、
 穴場的な雰囲気のスタイルが主流でしたが、
 その一つが、現在のTSUTAYAであったのです。

 サラリーマンをしていた増田宗昭氏が、噂を聞きつけて大阪の枚方市で
 レンタルレコード店をオープンしたのは82年のことでした。
 姉が喫茶店を始めるというので、それなら今流行のレンタルレコード店を
 一緒にしてはどうかと提案したのがきっかけでした。

 オープン当初からの思いもよらない繁盛ぶりに驚いたのは、
 誰より本人の方でした。
 そんな気持ちに酔いしれているのも束の間、
 すぐに不安が頭をよぎります。

 こんなに儲かる商売なら、すぐにみんなが手を出すはずだ、
 今のようなちっぽけな店なら、ライバルが出てきたらひとたまりも無い。
 本気でビジネスをしようと考えた増田氏は会社を辞め、
 今の店から見て、駅の反対側に店を出すことを決意します。

 いざ計画してみると、本格的な店を作るとなると
 6000万円位お金が必要なことがわかります。
 不足する資金は銀行から借りることになるのですが、
 ここで自らの事業計画と資金の返済方法を見つめなおすことになるのです。

 成長の見込みはあるけれども、海のものとも山のものともわからない商売、
 仮に売上がゼロであっても、人件費や家賃の支払いが出来て、
 返済も出来るにはどうしたらいいかを考えます。
 店の立地、周辺の客層、品揃え、販促方法など綿密に調査したのです、
 サラリーマン時代に店舗の開発をしていたことが役に立つことになります。

 その原点には、「売上がゼロでも維持できる体制」と、
 「やってダメならいつでもやめることが出来る会社であること」だと述べています。
 スタートが順調であればあるほど、ずっと右肩上がりが続くと過信して、
 回収の目処も無く事業拡大に投資する経営者が多い中、
 着実に足元を固めることは大切なことです。

 儲かるビジネスであればあるほど、その旨みを嗅ぎ付けて
 続々とライバルが現れてくることは覚悟しないといけません。
 すると、儲けはどんどん減少して、外の商売と変わらなくなってしまうのです、
 事業拡大に投資するには、そこの所を理解しておかないといけません。

 今回は相談事例を通じて、相続した土地の抵当権を抹消するための、清算人の選任申立についてご紹介します。

 今般、父から土地を相続しました。相続登記は完了して私への名義変更は済ませたのですが、祖父がこの土地を所有していた頃に設定された、ある会社が抵当権者となった古い抵当権が残っていました。抵当権の抹消の依頼をするため、その会社の登記事項証明書を取得したところ、登記記録に破産宣告、20年前に破産終結との記載のある消滅した会社でした。
 この抵当権を抹消したいのですが、どうすればよいでしょうか。

 解散、清算結了した会社が抵当権者であり、抵当権抹消の登記義務のみが履行されていない状態の場合は、解散・清算結了した会社に清算人として記載されている者と共同して抵当権抹消登記申請が可能です。しかし、破産終結した会社は代表者がいない状態となっています(※)ので、このような共同での登記申請ができないということになります。
 そのため、会社法に基づいて裁判所に対して当該会社の清算人選任申立をし、裁判所に抵当権抹消の登記義務者として、あなたと共同して登記申請の当事者となる清算人(代表者)の選任決定(会社法478条2項)をしてもらう必要があります。

 その清算人選任申立をすることができるのは、利害関係人に限られていますが、あなたと破産会社は抵当権設定者と抵当権者の関係に立つので、その点において利害関係があり、自ら裁判所へ清算人選任申立ができる、ということになります。なお、申立をする裁判所は、破産会社の本店を管轄する地方裁判所になります。(会社法868条1項)

 裁判所により清算人が選任されれば、抵当権抹消登記申請をする当事者が揃うので、抵当権抹消の合意(や弁済)が破産終結前にあった場合には、抵当権抹消登記申請の手続きに進むこととなります。

 ご注意いただきたいのは、あなたの意向としては、当該申立により選任された清算人と共同して抵当権抹消登記申請をすることとなりますが、当該清算人は会社の代表者として選任され活動するため、必ずしもあなたの意向どおり抹消登記の手続きが進む保証はないということです。例えば、清算人の調査などにより、抵当権の被担保債権が弁済されていないことが判明した場合など、抵当権抹消のために弁済を請求するなどの可能性を否定することはできません。

 このようになる可能性を低減させるため、ご相談のような場合には、お近くの司法書士や弁護士等の専門家へご相談をされることをお薦めします。

(※)取締役は破産により当然取締役の地位を失うのであって、同時破産廃止決定があったからといって、すでに委任関係の終了した従前の取締役が商法417条1項本文(現:会社法478条1項)により、当然清算人となるとは解し難くこのような場合には商法417条2項(現:会社法478条2項)に則り、利害関係人の請求によって裁判所が清算人を選任すべきものである。(最判昭和43・3・15民集22・3・625)

 

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。

弊事務所の年末年始休業日をご案内します。
ご不便をおかけしますが、何卒ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

■ 年末年始休業日
 2022年12月29日(木)~2023年1月4日(水)

 墓地や墓石は生前に購入した方が相続税対策になると聞きました。本当でしょうか?

 先日参加した「相続セミナー」で、墓地や墓石は生前に購入した方が相続税対策になると聞きました。借金をしてまでも購入した方がよいのでしょうか?

 たしかに、墓地や墓石を生前に購入された方が、相続税対策になります。ただし、借金をしてまで購入することは相続税対策になりません。

1.墓地や墓石の相続税評価

 相続開始時に、被相続人(お亡くなりになったご本人)が所有していた一定の財産に対して、相続税が課税されます。

 ただし、被相続人が所有していた財産のうち、墓地や墓石は祭祀財産(※)として、相続税が課税されない“非課税財産”となることから、相続税は課税されません。

 他方、相続開始後に購入する墓地や墓石の費用は、相続税の計算上、財産から控除できる「葬式費用」に該当しません。

 (※)祭祀財産には、墓地や墓石のほか、仏壇、仏具なども該当します。

2.生前の購入(相続税対策)

 生前(相続開始前)に墓地や墓石を購入しておくと、その分相続税が課税される現預金が減り、相続税が課税されない墓地や墓石が増えます。

 一方、相続開始後に墓地や墓石を購入する場合には、墓地や墓石を購入するための現預金に対して相続税が課税され、墓地や墓石を購入する費用は「葬式費用」に該当しないため、課税対象となる財産から控除することができません。

 つまり、相続開始前か後かで、墓地や墓石を購入するための現預金相当について、相続税が課税されるか否かが異なってきます。

3.墓地や墓石購入のための借金

 被相続人が所有していた財産から控除できるものとして、先に述べた「葬式費用」のほか「債務」があります。

 この場合の「債務」とは、被相続人が死亡したときにあった債務で確実と認められるものを指します。

 ただし、この「債務」に、墓地や墓石の未払代金や借金など、非課税財産に紐づく債務は含まれません。

 つまり、相続税の計算上、課税される財産から控除できない借金をつくって、課税されない墓地や墓石を購入することは、相続税対策になりません。ご注意ください。

 相続に関するご相談は、お気軽に当事務所までお問い合わせください。

<参考>
 国税庁HP
No.4108 相続税がかからない財産
No.4129 相続財産から控除できる葬式費用
No.4126 相続財産から控除できる債務

 私が住む京都では「地方都市」でありながら、
 技術や経営に関するセミナーが盛んに行われています。
 古くから、伝統産業が続いたせいか、
 機械、電気、電子といった分野の会社が多く誕生しています。

 そのなかでも、京セラの経営学であり、
 昨年8月に亡くなられた稲盛和夫氏の「アメーバ経営」は有名です。
 会社が大きくなってくると、「大企業病」というか、
 どんどん個人の役割、重要性が曖昧になり、
 「自分、一人が…しても」というような考え方が強くなってしまいます。

 社員が数十人の頃には、みんなが仲間同士で団結していたものが、
 100人そして何百人という規模になると、
 個々の顔も見えず、いくら頑張っても日の目を見ない者も出てきます。

 そんな時、一人ひとりの能力を、十分に発揮してもらえるには
 体制をどうしたらいいのか考えました。
 考え抜いた末、創業時代に戻ってしまえば、良いことに気づいたのです。
 「小さな会社」「周りの事を気遣う」「大家族のような経営」
 創業当時の会社の良い所を生かし、
 社員みんなが「小さな会社の経営者」になるようにしたのです。

 京セラは「小さな会社」の寄せ集まり、
 当然の事ながら自分の会社の利益を上げないといけませんが、
 メンバー(社員)や他のセクション(仕入先、売上先)のことも
 忘れるわけにはいきません。
 自分が前面に出すぎると、いずれみんなからそっぽを向かれてしまいます。
 稲盛氏は「利他の心」を持つことを、社員に説いて回ります。

 京セラは、「セラミック」を武器にして成長を遂げていきますが、
 いくら良い武器を持っていても、それを使いこなせる「人」がいなくては、
 経営は成り立っていかなかったはずです。
 「アメーバ経営」にも見られるように、
 日本の経営には「家族主義」的な発想が流れています。

 戦後の経営に多大な影響を与えた人物に、
 安岡正篤(まさひろ)氏がいます。
 安岡氏は、政界、財界を問わず、日本を率いていく人達に、
 いわゆる「帝王学」を叩き込んだのです。
 その教えを請うた人の中には、
 吉田茂、佐藤栄作、田中角栄などの総理大臣経験者や
 平岩外四、牛尾治朗、江戸英雄の名経営者が名前を連ねます。

 「家族主義」のもととなる儒学の考え方に立ち、
 中国の長い歴史に生きた指導者や思想家の生き方、
 考え方から原理原則となる「帝王学」まとめ、
 その時代の解釈を加えて、日本のトップに伝えたのです。

 その安岡氏の考え方には、中国の儒学者 王陽明(おうようめい)が
 興した哲学が流れていています。
 陽明は、学問であった儒学を、実践に対応できるものとして
 「陽明学」を作り上げたのです。

 彼は、若くして高級官僚の試験に受かったのですが、
 上司の批判をして、僻地に左遷されてしまいます。
 しかし、彼はこの時期を好機と思い、自らの思考を重ねながら、
 新しい学問「陽明学」を誕生させたのです。
 彼のこのような経験があったからこそ、
 実践的な考え方が生まれたといえるのでしょう。

 弱音を吐きたくなるとき、
 勉強しなければならないとき、
 スランプのとき、挫けそうになったとき。
 「陽明学」には、人生色々な場面で直面する事態に対して、
 どのような心構えでいれば良いのかを教えてくれます。

 「陽明学」から「帝王学」、
 このように永く積み重ねらねられた「哲学」があったからこそ、
 京セラの「アメーバ経営」が作り上げられたのではないでしょうか。

 住宅及び駐車場に適した土地を選ぶポイントを教えてください。

 金融資産中心の財産構成のため、将来の実需(子供の住宅用地)及び相続を見据えて、100坪程度の土地を購入し、しばらくの間、駐車場として賃貸したいと考えています。つきましては、住宅及び駐車場に適した土地を選ぶポイントを教えてください。

 住宅及び駐車場に適した土地を選ぶポイントは、主に次の4点です。それぞれの詳しい内容は、詳細解説にてご確認ください。

  • 形状
  • 道路
  • 地勢
  • 用途地域

 住宅及び駐車場に適した土地を選ぶポイントは、以下のとおりです。

1.形状

 土地の形状は、整形地がよいでしょう。100坪(約330㎡)の土地を想定した場合、間口15m超、奥行20m超の長方形が理想の形状です。

 一般的に、駐車区画は幅2.5m・奥行5m、通路部分は幅5mを目安としており、駐車1台あたりに必要となる面積の目安は25㎡(2.5m×10m)となります。前記の理想形状の場合、通路の両側に駐車区画を配置することができるため、少なくとも1列あたり8台(20m÷2.5m)、2列で合計16台の駐車が可能となり、駐車1台あたりの面積は、目安より17.5%少ない20.625㎡(330㎡÷16台)となります。

 なお、最も効率のよい形状は、通路が不要となる間口65m超・奥行5m超(65m÷2.5m=26台)となりますが、住宅を含む駐車場以外の用途には適しておらず、おすすめはできません(滅多に実在しない形状でもあります)。形状の最大のポイントは間口15m超であり、15m未満や15mを大きく超える場合、16台の確保が難しくなります。

2.道路

 土地に接する道路は、6~10m程度の広すぎず狭すぎない幅員がよいでしょう。
 将来住宅用地としてお考えであれば、土地からみた道路の方角は南、土地が角地となるようであればさらによく、理想は土地が東南角地となるような道路です。

3.地勢

 地勢としては、平坦地がよいでしょう。高低差があると駐車場整備費用が高額となり、かつ理想形状であっても駐車台数が減少する可能性があります。また、平坦地は駐車しやすいため、需要も多くなります。

4.用途地域

 第1種・第2種低層住居専用地域を除く、住居系地域(第1種・第2種中高層住居専用地域、第1種・第2種住居地域、準住居地域)及び近隣商業地域がおすすめです。

 第1種・第2種低層住居専用地域は、住環境はよいのですが、駐車場として賃貸したい場合には敬遠したい地域です。理由として、この地域は建蔽(ぺい)率(※)が低く、自宅敷地内で十分駐車場を確保できるケースが多いこと、また分譲マンションや賃貸住宅が比較的少ないため、駐車場の需要は限定的といえるでしょう。なお、準住居地域や近隣商業地域の場合、月極駐車場に加え、コインパークの需要も見込める可能性があります。

(※)建蔽(ぺい)率:敷地面積に占める建築面積(建物を真上から見たときの面積)の割合

 以上のように、住宅及び駐車場に適した土地は、相続税評価において、加算の必要はあっても補正は不要の土地となります。一般的に、土地の個別要因により生じる評価(価格)の加算又は補正の程度は、相続税評価より実際の取引(実勢価格)の方が顕著であり、住宅及び駐車場に適した土地を購入することは、相続対策としても有効となるケースが多いといえます。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。

 高齢者が契約する一時払終身保険は、相続税対策としてどのような効果があるのでしょうか。

 父(78歳)が銀行から相続税対策として生命保険を勧められ、よく理解しないまま契約手続きの約束をしてしまいました。現在、父は既往症があり生命保険に加入していません。今回、高齢者でも健康状態の告知なく加入できるといわれ契約することにしたようです。父の理解が乏しいため、契約手続きに長男である私も同席する予定です。相続が発生したときに相続税が非課税になると説明を受けたようですが、私もよくわかりません。

 一般的に相続税対策としてどのような効果が期待できるのか、また、契約前に確認しておくことなどを教えてください。想定する父の法定相続人は、母(配偶者)、私(長男)、弟(次男)の3人です。

【銀行からの提案プラン】
  • 保険種類:一時払終身保険(円建て)
  • 契約者:父
  • 被保険者:父
  • 死亡保険金受取人:私(長男)、弟(次男)
  • 保険金額:1,500万円
  • 一時払保険料:1,495万円

 預金を一時払終身保険の保険料に一括して充当することで資産が生命保険に変わり、上手く設計すれば相続税の非課税枠が適用できます。お父様の資産が多く、他に加入する生命保険がない場合、非課税枠の確保は相続税対策として有効と考えられます。また、契約前に確認しておくことについては詳細解説をご参照ください。

1.相続税対策としてどのような効果があるのか

 亡くなった人が契約者、被保険者となっている生命保険で相続人が受け取る死亡保険金は、相続税の計算上、みなし相続財産として相続税の対象となりますが、受け取る金額が「500万円×法定相続人の数」までは非課税(非課税枠)として扱われます。

 今回の提案プランは、お父様が他に生命保険に加入していないことを前提に、想定されるお父様の法定相続人の数にあわせて非課税枠分の1,500万円で設定されたものと考えられます。

 一般的に、下記の背景が明確なケースであれば、生命保険の非課税枠確保は相続税対策として有効と考えられます。

  • お父様の資産が多く、保有状況から相続税の対象となることが見込まれる
  • 他に非課税枠が適用できる生命保険に加入していない
2.契約前に確認しておくこと

 契約にあたっては、主に次の点に注意、確認しておきましょう。

  • 生命保険は預金と比べて流動性が低く、途中解約時の返戻金は払い込んだ保険料より少ないことが多いため、経過ごとに返戻金がどれくらいになるか確認しておく
  • 契約手続き時に渡される「注意喚起情報」の内容をしっかり確認する
  • 預金を保険料に充当することでお父様の手元資金が減るため、生活設計に支障がないか十分に検討しておく
  • 保険会社の健全性を示す指標を確認しておく
  • 契約手続き後にお父様の意思が急に変わったときに備え、クーリングオフの流れを確認しておく
  • 法改正により期待した税対策効果が得られない可能性や、経済情勢や金利変動によって、相対的に生命保険の資産価値が下がる可能性についても理解しておく

 また、おそらく今回のプランでは考慮済かと思われますが、次の点にも留意しましょう。

  • 非課税枠を適用したい場合には、保険金受取人は相続人となる人(=非課税枠を適用できる人)になっているか確認すること
  • 民法上、保険金は相続時の遺産分割の対象とならないため、誰を受取人とするか慎重に検討すること

 高齢者の生命保険契約においては、理解不十分なまま手続きを済ませ、後日、取り消したい等のトラブルが多いといわれています。トラブルを避けるためにも、お父様の意思を確認し、同席するご家族の方も契約内容を一緒に確認していただくことをお勧めします。

 

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。

 京都府福知山の高校生が考案した新メニューを、
 カレーハウスCoCo壱番屋の福知山店が期間限定で販売しています。
 共同開発メニューの販売は昨年から始まり、
 好評だったことから今年も行わることになったそうです。

 調理系列の2年生が一組数人で18グループを作り、
 ココイチのカレーに合う商品を2カ月かけて試作しました。
 店で実際に調理して従業員らが試食、
 味や見た目、コンセプトの面白さなどで審査し、
 「麻婆なすカレー」と「串カツカレー」が採用されました。

 誰でも真似が出来るはずのカレー専門店に、
 屋台骨を揺るがすほどの強豪が登場しなかったことを、
 創業者の宗次徳二氏は、ソフト(面)の質が影響していると語っています。 

 愛知県の小さな町で、カレーの専門店として創業したCoCo壱番屋、
 真似るのは簡単と、大小様々な競争相手が現れましたが、
 ついに肩を並べる相手は残れませんでした。

 しかし、一度だけ、同社など一息で飛ばされそうな、
 大手企業が参入してきた事がありました。
 カレーやお米など、その気になればいつでも手に入れることができる材料です、
 作り方も主婦のほうが上手なほどで、たいした技術は必要ありません。

 メニューの構成や品揃え、価格設定、販促の仕方など、
 大手ならばお手のものであるはずです。 
 更に、店舗の内外装についても、真似することはいとも簡単、
 それ以上のデザインを考えることも出来なくはないのです。

 お金さえかければ、表面的なことはそっくり真似することはできます。
 どうしても競合が真似できないこと、それはソフトです。
 宗次氏がカレー専門店を始める前に喫茶店を開いていた当時から、
 長年にわたり培った「お客様第一主義」は一朝一夕には手に入りません。

 カレー専門店を始める前に開いていた喫茶店では、
 名古屋名物の(無料)モーニング・サービスの提供はしなかったのです。
 トーストやサラダ、ピーナッツなども、全て「有料」としたのです、
 その事に文句をつけるお客はいましたが、それでも店は繁盛しました。

 また、一号店をオープンしてから長い間、
 店を構えられるのは一流には程遠い、ほとんどが二流以下の場所でした。
 さらに、良い場所が手に入らない代わりに、派手に宣伝をしたいと思っても、
 先立つ資金のゆとりもなく断念せざるを得ませんでした。

 無いない尽くしの苦肉の策として、
 笑顔の対応や丁寧な言葉遣い、感謝を込めた接客態度など、
 来店して下さったお客様に出来る限り満足してもらえるよう工夫を重ねたのです。
 そのことがクチコミで伝わり、店を支えたのは言うまでもありません。

 辛い思い、苦い経験を経て体で学んだ、経営のノウハウは、
 海外展開にも生かされています。
 成功体験があるからといって、自己流を無理やり進めるのではなく、
 顧客が求めているのは何かを、真剣に考えてこそベストなものが見つかるのです。

 今回は相談事例を通じて、株式の相続についてご紹介します。

 夫である甲が先日死亡しました。甲はA株式会社(以下、A社)の代表取締役兼A社株式を100%保有している株主でした。相続人は妻である私(乙)と長男の丙のみです。
 丙を後継者としてA社の代表取締役に選任したいと考えていますが、どのように手続きすればよいでしょうか。なお、遺言はなく、遺産分割協議も済んでおりません。また、甲はA社の唯一の取締役でした。

 まず、乙と丙で協議し、A社株式の権利行使者一人を定め、会社に通知します(会社法106条)。その後、権利行使者が株主総会に出席し、丙を取締役に選任します。


1.権利行使者について

 甲が死亡し、A社株式が相続人乙と丙に相続された場合、当然に法定相続分の割合で相続されるのではなく、準共有状態となります。準共有状態の場合、株式の権利行使者を一人定めて、株式会社へその者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式の権利行使ができないとされています。

 従いまして、ご相談のケースでは乙と丙の協議のもと、権利行使者一人を定めて会社へ通知する必要があります。また、権利行使者の指定は共有物の管理に該当するとされているため、持分価格の過半数をもって決するとされています。よって、乙と丙どちらか一方の独断で権利行使者を指定し会社へ通知することはできませんのでご留意ください。

 遺産分割協議が完了しましたら、別途、株式の名義書換が必要になってきますので、忘れないようにご対応ください。

2.株主総会の招集手続きを経ていない株主総会の開催について

 ご相談のケースでは、甲が唯一の取締役であるため、株主総会の招集決定及び株主総会の招集通知を行うことができません。

 この場合、株主総会の有効性に疑義が生じますが、判例の考え方として、株主総会の招集手続きを欠く場合であっても、株主全員がその開催に同意して出席した株主総会は有効に成立するとされています(最判昭和60年12月20日)。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。
ページトップに戻る