お知らせ

 昨年は2024年問題として、
 物流業界の労働時間制限による起きる問題が話題となっていました。
 年が変わった今年も、2025年問題としていくつか挙げられています。
 代表的なものには、団塊の世代が後期高齢者となる、
 医療や介護の影響ですが、その他にも気になるものがあります。

 そのひとつが、ビデオ・テープが再生機器の生産終了や
 テープ自体の経年劣化に伴い、
 映像の再生やダビングが困難になるとされるものです。

 テープ自体の寿命は20年程とされており。
 昭和生まれの方々が、
 子供の成長や自身の記念に撮りためた記録が観られなくなると、
 デジタル化のため専門業者への持ち込みが増えているそうです。

 風前の灯とされるビデオ・テープ、発売当時の規格をめぐる熾烈な争い。
 製品の開発に一歩先に出たソニーの「ベータ」に、
 巻き返しを図るビクターの「VHS」の猛攻勢はすさまじいものでした。

 当時のビクターは業界8位の中堅メーカーにしか過ぎず。
 技術力の高さはソニーがダントツで、
 かなり水をあけられる形で松下が入り、次にビクターがついてくる。

 「そんな会社が、家庭用ビデオを作れるとは到底思えない」
 と言うのが世間での評価でした。

 また、社内でも新しいビデオ開発には見切りをつけ、
 業務用ビデオの改良・販売をおこなっていくことに方針転換したのでした。
 「他社に先を越されれば、
 ビデオ事業にかかわる社員、協力工場すべてが仕事を失うことになる」

 当時の事業部長がこう決意したことから、
 本格的に家庭用のビデオ開発に取り掛かることになります。
 それは、本社には黙って「秘密開発部隊」としてスタートしたのです。

 一度も黒字を出したことのない部門、
 業務用ビデオを売り歩き、自らの給与を稼ぎながら、開発を進めていきます。
 また、理由をつけ、売れる見込みのない業務用ビデオを生産し続け、
 事業に携わる人々の首を繋ぎます。

 在庫は溜まりにたまり、月商の7、8ヶ月にもなりました。
 本社からの借入金は年商をはるかに超え30億円以上に…
 金利は6、7パーセントだったので、
 通常の会社なら既に倒産していてもおかしくない状況でした。

 ソニーに遅れること、1年5ヵ月後
 ビクターは家庭用ビデオを発売することが出来ました。
 対抗策として、ビクターが取ったのは、技術を他社に公開することでした。
 日立、松下をはじめとするVHS規格に賛同する企業に、
 試作品を貸し出し、生産ラインまで公開することとしたのです。

 その結果、VHSが家庭用ビデオ規格の主導権を握ることとなったことは、
 歴史が証明するとおりです。

相続した市街化区域内の広い土地

相続した市街化区域内の広い土地について、相続税評価額を減額できる方法はありますか?

Q
今月のご相談

 先日、父が亡くなり、私と母が父の財産を相続しました。父名義の自宅(実家)の土地面積は800㎡と広いため、相続税が高くなるのではないかと心配しています。知人から、土地面積が広ければそれだけ相続税評価額は高くなるが、一方で広い土地の場合には、相続税評価額を減額できる方法もあると聞きました。そのような方法はあるのでしょうか。

A-1
ワンポイントアドバイス

 「地積規模の大きな宅地の評価」という評価方法を適用できれば、相続財産としての評価額を抑えることが可能となります。

A-2
詳細解説
1.適用対象となる宅地の評価額

 「地積規模の大きな宅地の評価」の適用対象となる宅地の評価額は、たとえば路線価地域の場合であれば、以下の算式で計算されます。

評価額 = 路線価 × 奥行価格補正率 × 不整形地補正率などの各種画地補正率 × 規模格差補正率 × 地積(㎡)
2.地積規模の大きな宅地の評価

 この評価は、大きな土地を複数の区画に分け、戸建用地として開発分譲することを想定しているため、土地面積が大きいことで生ずる価値の減少(減価)を評価額に反映させる手法で、上記の算式の規模格差補正率に織り込まれています。

 なお、減価の要因となる主だったものとして、敷地内に設ける道路部分や上下水道等の整備費用等が挙げられます。

 戸建用地を想定した宅地であることから、路線価地域においては、普通商業・併用住宅地域及び普通住宅地域に所在するものが適用対象となっています。

3.地積規模の大きな宅地とは

 地積規模の大きな宅地とは、三大都市圏(東京圏・大阪圏・名古屋圏に該当する地域)においては500㎡以上、それ以外の地域では1,000㎡以上の地積の宅地をいいます。なお、次の(1)~(4)のいずれかに該当する宅地は、地積規模の大きな宅地から除かれます。

(1)市街化調整区域に所在する宅地(都市計画法第34条第10号又は第11号の規定に基づき宅地分譲に係る同法第4条第12項に規定する開発行為を行うことができる区域を除く)

(2)都市計画法の用途地域が工業専用地域に指定されている地域に所在する宅地

(3)指定容積率が400%(東京都の特別区においては300%)以上の地域に所在する宅地

(4)財産評価基本通達22-2に定める大規模工場用地

 今回ご相談の対象地が、三大都市圏の市街化区域に所在し、かつ、上記(1)~(4)のいずれにも該当しないのであれば、「地積規模の大きな宅地の評価」の評価手法を適用して、土地の評価額を下げることが可能となります。

 評価手法の適用にあたっては、規模格差補正の他、間口や奥行等の土地の形状、道路との接道状況、高低差や斜面等の有無、といった土地各々の個別的要因による減価補正も行われることから、専門的な知識に基づく煩雑な計算処理が求められます。
 また、適用する各係数等によって減額幅も変動しますので、ご注意ください。

 「地積規模の大きな宅地の評価」についてご不明な点は、当事務所へお気軽にお問い合わせください。

<参考>
 国税庁HP「No.4609 地積規模の大きな宅地の評価

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。
受け取った死亡保険金の非課税金額

受け取った死亡保険金の非課税金額はいくらになりますか?

Q
今月のご相談

 先日、夫が亡くなりました。家族は私の他に、子どもが2人いますが、次男は今回相続の放棄をしています。そのため相続人は私、長男の2人です。夫は生前に生命保険に加入しており、保険金は一定額まで相続税がかからないと聞いています。実際に受け取った以下の死亡保険金について、相続税がかからない金額を教えてください。
 なお、すべての生命保険について、契約者・保険料負担者・被保険者ともに夫(被相続人)です。

【生命保険A】
  • 死亡保険金額:2,000万円
  • 死亡保険金受取人:私
【生命保険B】
  • 死亡保険金額:1,000万円
  • 死亡保険金受取人:長男
【生命保険C】
  • 死亡保険金額:1,000万円
  • 死亡保険金受取人:次男
A-1
ワンポイントアドバイス

 相続税がかからない金額は、奥様が1,000万円、ご長男様が500万円となります。計算方法等は、詳細解説をご確認ください。

A-2
詳細解説
1.死亡保険金の非課税制度

 被保険者、保険料負担者が被相続人である場合の死亡保険金は、相続財産とみなして相続税がかかります。

 その一方で、その死亡保険金の受取人が相続人である場合には、相続税がかからない制度(以下、非課税制度)が設けられています。

2.非課税限度額の計算方法

 死亡保険金全額が相続税の非課税となるわけではなく、限度額(以下、非課税限度額)が設けられています。

 非課税限度額は、以下のように計算されます。

非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数

 この場合の法定相続人の数については、仮に相続を放棄した人がいる場合は、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数です。ただし、相続を放棄した人は相続人とはならないため、実際の非課税制度は適用できません。

3.ご相談の場合の非課税限度額

 今回のケースでの非課税限度額は、以下のとおりです。

非課税限度額 = 500万円 × 3人 = 1,500万円

 法定相続人の数は、奥様、ご長男様、ご次男様の3人です。ご次男様は相続を放棄されているため相続人ではありませんが、上記2.のとおり、この放棄はなかったものとして計算します。

 また、非課税限度額1,500万円に対して、実際の保険金の総額は4,000万円です。ただし、ご次男様は相続を放棄されているため、非課税制度の対象とはなりません。そのため、奥様とご長男様が取得した保険金の合計額3,000万円が対象となります。

 お2人が取得した保険金の合計額が非課税限度額を超えているため、以下の算式で計算した金額がお2人それぞれの非課税金額となります。

非課税限度額 × その相続人が取得した保険金の合計額 / 各相続人が取得した保険金の合計額
4.各相続人の非課税金額

 上記計算式に基づく各相続人の非課税金額は、以下のとおりです。

【奥様の非課税金額】

1,500万円 × 2,000万円 /(2,000万円+1,000万円)= 1,000万円

【ご長男様の非課税金額】

1,500万円 × 1,000万円 /(2,000万円+1,000万円)= 500万円

【ご次男様の非課税金額】

0円
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