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家と財産を守るための~不動産の相続対策 不動産の売却方法

 

 不動産を売却するときの方法について、教えてください。




 母が亡くなり、実家が空家の状態です。実家は敷地が広く、庭の手入れなどが大変ですし、私には持家がありますので、売却することを考えています。不動産を売却することは初めてなので、どのように売却していけばよいのか悩んでいます。不動産の売却方法を教えてください。




 不動産を売却する方法は、大きく分けて不動産業者が直接買い取る「買取」と、仲介業者を通じて買い手を探す「仲介」があります。




 「買取」と「仲介」について、それぞれのメリット、デメリットを中心に以下、解説いたします。

1.買取

(1)メリット

 「買取」のメリットは、「仲介」に比べて早期に不動産を売却することができることや、売却することを周囲の人に知られにくいこと、などです。

(2)デメリット

 「買取」のデメリットは、「仲介」に比べて売却価格が低くなる傾向にあることです。なぜなら「買取」は、不動産業者が対象不動産を買い取り、その後リフォーム等をし、買取価格にそれらの経費や利益を上乗せして再販売するためです。

2.仲介

(1)メリット

 「仲介」のメリットは、広く市場で買い手を探し、妥当性のある金額で売却ができることです。

(2)デメリット

 「仲介」のデメリットは、売却するまでに時間がかかってしまうことや、周囲に不動産を売却しようとしていることが分かってしまうこと、などです。


 よって、急いで現金化したい場合や、周囲に不動産を売却することを知られたくないなどの事情がある場合は、「買取」を選択することになりますが、そうでなければ「仲介」での売却をお勧めします。

3.仲介-入札方式

 「仲介」として売却する方法のうち、土地が広く住宅やマンションでの分譲が可能な場合は、相手方を分譲業者等に絞り、「入札」という方式を採ることで、より高く売れる可能性があります。
 「仲介」での一般的な売却方法では、取引相場等を参考に、売買価格の上限(売出価格)を設定します。実際に売買する価格は、売出価格より下がることはあっても上がることはありません。
 一方、「入札」によって売却する場合は、取引相場等を参考に最低入札価格を設定します。開札した結果、入札価格が最低入札価格を下回れば売買は実現しません。取引条件にもよりますが、一番高く入札された価格が、実際に売買する価格となります。

 「入札」での売却は、購入する側に競争原理が働くため、高値で売却できる可能性が高くなるのです。従って、分譲で売却できるような土地であれば、「入札」での売却を検討したいところです。

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万一に備えるための~保険の相続対策 相続対策でよく活用される保険 ~一時払い終身保険~

 相続対策として一時払い終身保険は効果的ですが、十分な検討が必要です。




 現在、生命保険には加入していないのですが、相続対策のため銀行から一時払い終身保険への加入を勧められました。どのような保険種類なのか、相続対策として有効な保険なのか教えて下さい。

  1. <家族構成>
    1. Aさん(相談者)、配偶者、お子様2名 (=Aさんの法定相続人3名)
  2. <加入事例>
    • 保険種類:一時払い終身保険
    • 契約形態:契約者=被保険者=Aさん、受取人=配偶者
    • 契約内容:保険金額1,000万円、一時払い保険料980万円




 一時払い終身保険への加入は、相続時の課税財産を減らす効果をもたらしますが、一方、一度に高額な保険料の支払いを要し、中途解約では元本割れすることもあります。相続対策として活用するには、資金の余裕があるかなど、中長期的な視点で考慮することが肝要です。




 一時払い終身保険とは、一生涯保障が続き、加入時に一括で保険料を支払う保険です。この一時払い終身保険の相続対策としての効果と注意点について、以下、解説いたします。

 

1.相続対策としての効果

 生命保険には、保険金受取人(以下、受取人)が相続人の場合に、次の相続税の非課税枠があります。この非課税枠内であれば、受け取った保険金は、相続税の課税対象にはなりません。

相続税における生命保険の非課税枠:500万円×法定相続人の数


 今回のケースでは、Aさんは加入時に保険料として現金980万円を支払います。Aさんの財産のうち、現金980万円が減ります。一方、Aさんが死亡した時には、保険金1,000万円を受取人である妻が受け取ります。

 生命保険金は、Aさんの遺産ではなく受取人固有の財産ですが、相続税においては、「みなし相続財産」として課税対象となります。但し上記の非課税枠として、Aさんの場合は1,500万円(500万円×3人)あるため、相続人である妻が受け取った保険金1,000万円は、その全額が相続税の課税対象になりません。そのため、現預金で保持するよりもAさんの相続税を軽減する効果があります。

 また、受取人を指定することができるため、渡したい人に保険金という形で財産を残すことができます。

 さらに、上述の通り、保険金は受取人固有の財産であるため、預貯金のように一定の相続手続きを要せず、受け取った保険金はすぐに自由に使うことができます。これにより、葬儀費用や受取人の当面の資金の確保ができる、という点も利点といえます。

 そのため一時払い終身保険は、一般的に相続対策としてよく活用されます。

 

2.一時払い終身保険の注意点


(1)一定期間、元本割れする

 加入後、一定期間中に解約すると、解約時に保険会社から戻ってくるお金(解約返戻金)が支払った保険料より少なくなります。相続対策で加入した場合、途中でこの保険を解約する可能性は低いとはいえ、万が一、お金が必要になった時に、解約のタイミングによっては元本割れしてしまうため、注意が必要です。


(2)保険料が高額のため、手元の資金が減る

 加入時に高額の保険料を一括で支払うため、手元の資金が一度に減ります。相続対策としては有効ですが、当面の生活費や病気・けがに備えた緊急予備資金などを確保した上で、加入を検討する必要があります。


 一時払い終身保険は、仕組みもシンプルで相続対策に有効な保険として、銀行の窓口でも積極的に販売されている保険商品ですが、一定期間は解約がしづらいためすぐの見直しがしにくい商品でもあります。相続対策として加入する場合は、メリット、デメリットを十分理解した上で検討しましょう。

 

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トラブルにならないための~法律の相続対策 特別縁故者 ~被相続人と特別の関係(縁故)にあった者~

 今回は相談事例を通じて、特別縁故者について、ご紹介します。



 最近夫が死亡しました。私達は、長らく夫婦として暮らしてきましたが、籍は入れておりません。私達の間に子はありませんし、夫の両親は既に他界しており、兄弟もおりませんので、夫の相続人は誰もいないと思うのですが、相続人がいない場合は、財産は国へ帰属すると聞きました。私が財産をもらう方法はあるのでしょうか。




 家庭裁判所に対して特別縁故者の申立をし、裁判所に認められることによって、国へ帰属させることなく財産を取得することができます(民法第958条の3)。




 相続人が不存在の場合、原則として亡くなった方の財産は国庫に帰属します。しかし、家庭裁判所の審判により特別縁故者と認められることによって、その財産を取得することができます。特別縁故者とは、「被相続人と特別の関係(縁故)にあった者」を指し、その範囲は次の通りです。

1.被相続人と生計を同じくしていた者
 事実上の夫婦関係にある内縁の夫や妻、事実上の養子関係にある者などがこれに当たります。
2.被相続人の療養看護に努めた者
 生計を同じくはしていなかったものの、療養看護に力を尽くした親族や隣人などがこれに当たります。
3.その他特別の縁故があった者
 上記1、2に準じて、被相続人との間に精神的、物質的な交流関係にあった者がこれに当たります。(大阪高裁昭和46年5月18日)

 今回は被相続人と生計を同じくしていた者に該当するため、特別縁故者の審判がされる事案と考えられます。ただし、申立があった場合に限り、家庭裁判所は相続財産の全部または一部を分与するかどうかを決定するため、特別縁故者として財産を取得したいときは必ず申立をする必要があります。
 なお、特別縁故者への財産の分与は、相続人がないことが前提となりますので、特別縁故者の申立を行う前に相続人を探すための手続きが必要となります。

 相続人を探す手続きや、特別縁故者の申立は、ともに期限などが細かく規定されておりますので、申立をされる際には専門家へご相談されることをおすすめします。


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お金に困らないための~税金の相続対策 財産から控除できる葬式費用とは?

 相続税を計算する上で、具体的にどのようなものが葬式費用として財産から控除できるのでしょうか?




 相続税の申告書を作成するにあたり、必要書類等を収集しています。葬式費用については、相続税の計算上、財産から控除できるものとできないものがあると聞きました。具体的にどのようなものが控除できるのか、教えてください。




 相続人等が負担した「葬式費用」は、相続税の計算上、財産から控除します。ただし、この「葬式費用」は限定されており、例えば相続人等が負担した通夜や告別式の費用は「葬式費用」となりますが、香典返しの費用は「葬式費用」に該当しません。




 葬式費用は亡くなった人(以下、被相続人)が負担するものではありませんが、相続が発生することによって必然的に生ずる費用ですので、相続人等が負担した一定の「葬式費用」は、相続税を計算する上で、財産から控除します。

 この場合の「葬式費用」は、以下のとおり列挙されており、具体例は末尾のとおりです。

 

1.葬式費用となるもの
  1. ①葬式若しくは葬送に際し、又はこれらの前において、埋葬、火葬、納骨又は遺がい若しくは遺骨の回送その他に要した費用(仮葬式と本葬式を行うものにあっては、その両者の費用)
  2. ②葬式に際し、施与した金品で、被相続人の職業、財産その他の事情に照らして相当程度と認められるものに要した費用
  3. ③①又は②で掲げるものの他、葬式の前後に生じた出費で通常葬式に伴うものと認められるもの
  4. ④死体の捜索又は死体若しくは遺骨の運搬に要した費用

 

2.葬式費用でないもの
  1. ①香典返戻費用
  2. ②墓碑及び墓地の買入費並びに墓地の借入料
  3. ③法会に要する費用
  4. ④医学上又は裁判上の特別の処置に要した費用

 

3.葬式費用となるかどうかの具体例
内容 葬式費用に
・該当→○
・非該当→×
備考
病院や自宅から葬儀会場までの回送費

通夜、告別式の費用

葬儀社への支払いの他、当日に通常要する飲食代、車代、お布施等も○
火葬料

通夜のふるまい

式場のお料理のみならず、近くのスーパーなどで購入した食事・菓子類も○

位牌

×

礼服のレンタル料、着付け代

×

供花

○(※1)

(※1)相続人以外からの供花は×

初七日法要費用

×(※2)

(※2)告別式当日に初七日も行う場合は〇

墓地、墓石の購入費用

×

粗供養(香典返し)

×(※3)

(※3)会葬御礼として通夜や告別式の当日に参列者全員に配るものは〇

 


 葬式費用については、宗教や地域的慣習、また被相続人の職業や社会的地位などによって、規模や必要な費用などが大きく異なります。また、上記以外でも葬式費用になると考えられるものもあります。判断に迷った場合には、当事務所へお問い合わせください。


<参考文献>
 相法13、相基通13-4、13-5、国税庁HP

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家と財産を守るための~不動産の相続対策 相続させない方が良い不動産

 相続させない方が良い不動産があれば、教えてください。




 不動産を多数所有していますが、相続させない方が良い不動産があれば、教えてください。




 相続させない方が良い不動産として、相続税評価額が実勢価格を上回るもの、管理が困難なもの、値下がりが予想されるもの、などが考えられます。これらは相続に適さないため、生前に処分するなどの対策が望まれます。




 相続税を計算する際の不動産の評価額(以下、相続税評価額)は、実際に取引される価格(以下、実勢価格)より低くなる場合が多く、相続税の計算をする上においては、現金を持っているよりもメリットがある資産と考えられています。
 しかし、以下のような不動産は相続税を計算する上ではデメリットが多く、相続させない方が良いと一般的に考えられています。

  • ○相続税評価額が実勢価格を上回っていると思われる不動産
    • 住宅用地等としての需要が少なく、相続税評価額を下回る価格でしか売却できない地域の土地
    • 個別要因による実勢価格の減少額が、相続税評価額を計算する上で減額できる額を大きく上回っている土地
      • 道路や隣地との高低差が激しい土地
      • 間口が狭い、不整形等により建築が困難な土地
    • 過去に事故等(自殺・殺人事件等)があった又は近隣に嫌悪施設がある不動産
    • 相続税評価額が実勢価格を大幅に上回っている次のような建物(主に鉄骨造又は鉄筋コンクリート造)
      • バブル期等、建築費が高い時期に建てられた豪華な建物
      • 規模の割に収入が少ない賃貸建物
      • 利用が困難な建物(建物取壊しにより価値が上がる不動産)
    • 地代が低額である昔からの貸地(底地)
  • ○次の世代による管理が困難と思われる不動産
    • 稼働率が低い賃貸不動産
    • 大規模修繕等、建物のメンテナンスがほとんど行われていない不動産
    • 遠方にある未利用不動産
    • 建物が旧耐震基準である未利用又は賃貸不動産(取壊し予定の場合を除く)
  • ○値下がりが予想される相続後売却予定の不動産
    • バブル崩壊後値下がり続けて、上昇傾向がみられない売却予定の不動産
    • 賃料水準の低下が著しい売却予定の賃貸不動産
  • ○相続の争いの原因となりそうな不動産
    • 全財産の中で大半の価値を占めている不動産
    • 相続により取得することを嫌がられる不動産

 これらの不動産を所有されている方は、早期の売却を検討されると良いでしょう。
 ただし、“相続させない方が良い不動産”は、買い手からみると“買わない方が良い不動産”に該当しますので、売却できない又は売却にかなりの時間を要する可能性があります。
 売却検討の際、売却が困難であるとすぐに諦めるのではなく、“相続させない方が良い不動産”を“相続させても良い不動産”に転換できるよう、実行可能な対策を講じていただくと良いでしょう。

 なお、売却益を期待して購入した山林は、現在のところ売却を含め有効な対策が見つからない状況であり、“相続させるしかない不動産”といえます。このような状況にならないよう、不動産投資を行う前に、当事務所へご相談ください。

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万一に備えるための~保険の相続対策 二次相続を見据えた生命保険の活用

 いくら対策を施しても、想定どおりにいかないのが世の常です。何かを利用するときは、メリットデメリットをきちんと理解して納得することが肝要です。




 夫の相続対策を検討している中で、保険会社から次の提案を受けました。これはその次の相続(二次相続)も見据えて、妻である私も生命保険に加入した方がよいというものでした。この提案はどのような効果があるのでしょうか?
 現在、私は医療保険(死亡保障なし)に加入していますが、死亡保障の保険には加入していません。

  • <家族構成>
    • 夫80歳、妻70歳、子2人(独立して別生計)
  • <提案内容>
    • ①次の保険に加入
      • 保険種類・・・一時払終身保険 1,000万円
      • 契約形態
        契約者(保険料負担者)…夫
        被保険者…妻
        死亡保険金受取人…夫
    • ②夫が妻より先に死亡(相続発生)
       ①の契約内容を変更
      • 契約者…夫→妻
      • 死亡保険金受取人…夫→子




 この提案内容どおりいけば、ご主人の相続時、あなたの相続時、各々相続税を軽減できる可能性がみられます。ただし、この可能性には“前提”があります。“前提”どおりにいかなかった場合の問題点も理解しておかれるとよいでしょう。




 今回の提案内容に基づいた保険の課税関係や、メリットとデメリットは、それぞれ次のとおりです。

1.税務上の取扱い

 夫の相続(一次相続):

  • 「生命保険契約に関する権利」として、夫の相続財産となる。
  • 相続発生時の解約返戻金相当額が相続税の課税対象となる。

 妻の相続(二次相続):

  • 死亡保険金が、妻の相続財産とみなされる。
  • 死亡保険金のうち、非課税限度額を超える部分について相続税の課税対象となる。
  • 非課税限度額とは、“生命保険の非課税(500万円×法定相続人の数)”で計算した金額。
    法定相続人とは、相続を放棄した人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます。
    ご相談のケースで子2人が相続人であれば、「500万円×2人=1,000万円」が非課税限度額となります。
2.メリットとデメリット

 このプランの有用性は、主に次のとおりです。

  • 夫が一時払終身保険の保険料負担者となることで、妻自らが保険料を負担することなく、妻の相続時の資金と相続税計算上の非課税限度額が確保できる。
  • 一次相続発生時、解約返戻金相当額が払い込んだ保険料を下回っていれば、現金で保有しているよりも夫の相続財産の評価額が下がる。つまり、相続税の対象となる金額が減ることで、相続税が軽減できる。

 ただし、このプランどおりにいかなかった場合、注意が必要です。例えば、次の点です。

  • 妻が夫より先に亡くなった場合、夫が受け取る死亡保険金は相続税ではなく、所得税が課税される。つまり、想定どおりのメリットを享受できないことになる。
  • 内部環境や外部環境の変化により解約しなければならなくなった場合、経過期間によっては返戻金が払込保険料を下回り、元本割れすることがある。



 将来の相続を考えたとき、その次の相続まで考える必要があるのかどうかは、対象者の財産の保有状況、家族構成等を考慮に入れる必要があります。さらに、想定どおりにいかなかった場合の問題点を洗い出し、リカバリーについてもあわせて検討されておかれるとよいでしょう。相続対策に関することは、当事務所へご相談ください。

<参考条文等> 相法3、12、財産評価基本通達214 他

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トラブルにならないための~法律の相続対策 特別受益と遺産分割

 今回は相談事例を通じて、相続人の中に特別受益を受けた人がいる場合の遺産分割について、ご紹介します。



 母が亡くなりました。相続人は私と兄の2人で、遺産は預金の4000万円があるだけです。ですが、兄は母の生前に、家を新築する費用として1000万円を出してもらったと聞いています。兄は平等に2000万円ずつで分けようと言いますが、生前、何ももらっていない私としては不平等と感じています。平等に分ける方法を教えてください。




 お母様が生前に、お兄様へ新築費用として贈与している1000万円については、お母様の遺産に加えて分割することが可能です。




 相続人の中に、生きている間に行われた贈与(以下、生前贈与)等によって、被相続人から特別に利益を得た人がいる場合は、相続開始時の財産に、その贈与によって得たものの価額を加えたものを相続財産とみなすとされています(民法第903条:以下、みなし相続財産)。その特別に得た利益のことを特別受益といい、生前贈与のうち、特別受益として認められるものは、

  1.婚姻若しくは養子縁組のための贈与
  2.生計の資本としての贈与


に限られます。

 お兄様はお母様のご存命中に家の新築資金として現金を受け取られていますが、これは生計の資本としての贈与(特別受益)であり、相続財産に加えることになります。
 この場合のお二人の相続分を計算すると、
   みなし相続財産(4000万円+1000万円)×法定相続分(1/2)= 2500万円
となり、お兄様が具体的に取得される相続分は
   2500万円-生前贈与分(1000万円)= 1500万円
となります。

 なお、特別受益の価額は、相続開始時の時価で評価をします。仮に生計の資本として不動産の贈与があり、贈与当時の時価が5000万円であった場合でも、相続開始時の時価が3000万円であれば、3000万円の評価額として相続財産へ加えることになります。
 また、これらはすべて被相続人が何らの意思表示をしていなかった場合について適用されるものですので、被相続人の方が、これとは異なった意思表示をした場合には、その意思に従うこととなります(民法第903条第3項)。


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年末年始休業日のご案内

弊事務所の年末年始休業日をご案内いたします。

ご不便をお掛けいたしますが、何卒ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

■年末年始休業日
 2018年12月28日(金)~2019年1月6日(日)


お金に困らないための~税金の相続対策 被相続人が貸家の敷地を賃借していた場合の土地の評価

 土地を借り、そこに建物を建てて他人に賃貸している場合、土地賃借人側にもその土地の評価が必要です。




 私の父(C)はAさんに毎月5万円(相当の地代)を支払って土地を借りておりました。先月父が亡くなり相続手続きを行っていたところ、相続税申告書を作成する際には、父が借りていた土地も評価する必要があるとのことです。この場合はどのように土地を評価したらよいのでしょうか?
 現在、父が借りていたAさんの土地の上には、父が建てた建物があり、Bさんが居住しています。








 借りた土地の上に建物を有している場合には、借地権を所有していることになります。その建物が貸家の場合には、その借地は「貸家建付借地権」として評価することになります。




 「貸家建付借地権」とは、貸家の敷地の用に供されている借地権又は定期借地権をいいます。つまり宅地を借り受け、その宅地上の家屋を所有し、その家屋を貸し付けている状態におけるその借地権等をいいます。

 「貸家建付借地権」の評価算式は以下のとおりです。

 貸家建付借地権=借地権の価額-借地権の価額×借家権割合×賃貸割合


 例えばご相談のケースが次の条件であった場合の、 「貸家建付借地権」を評価してみましょう。

  1. 【条件】
  2. ①自用地としての価額:5,000万円
  3. ②借地権割合:60%
  4. ③借家権割合:30%
  5. ④賃貸割合:100%
  6. 5,000万円×60%-5,000万円×60%×30%×100%=2,100万円

 借地人(C)が土地所有者(A)から借りた土地の上に、家屋等を建築し、他人(B)へ貸している場合、土地の使用収益権は借地人(C)が持ち、所有権は土地の所有者(A)が持つことになります。
 他人へ貸している部分(借家権)は、Cの借地権の評価をする上では、控除することができます。上記の事例に関していえば、建物を所有するだけでなく、他人へ貸すことにより、900万円分評価を減額することができました。

 土地の評価は複雑であり、様々なパターンがあります。少しでも不安に思われる方はお気軽に当事務所へご相談ください。


<参考文献>
 相続税評基通28、国税庁HP、路線価による土地評価の実務

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家と財産を守るための~不動産の相続対策 相続した不動産を売却する場合

 相続した不動産の売却は、遺産分割協議書に対象となる不動産の記載があれば、売却手続きを始めることができ、相続登記も行えます。




 母が亡くなり、弟と二人で母の財産を相続することになりました。財産の分け方について弟と協議をしているところですが、実家については、お互い持家があり、住む予定もないため、売却することで意見が一致しています。ただ、実家周辺は住宅街で、建物が密集しています。実家を空家のまま放置することで、放火などの被害にあった場合、近所の方へ被害が及ばないか心配であるため、できるだけ早く売却したいと考えています。実家の売却にあたり、すべての財産の遺産分割協議が整い、相続登記を行わなければ、実家を売却することはできないのでしょうか。
 また、実家は築年数が経過しており、取り壊すことになると思います。取り壊す建物でも相続登記が必要でしょうか。




 不動産の売却を依頼するための遺産分割協議書は、相続するすべての遺産の内容が記載されていなくても、売却する不動産を対象とした遺産分割協議書だけでよく、相続登記も行えます。 また、建物を取り壊す場合は、相続登記は必要ありませんが、滅失登記が必要です。




 相続する不動産の売却を不動産業者に依頼するためには、その不動産の相続人であることを証明する書類が必要になります。法定相続分による遺産分割の場合は戸籍等、それ以外の場合は遺産分割協議書等になりますが、不動産の売却を依頼するための遺産分割協議書は、相続するすべての遺産の内容が記載されていなくても問題はありません。
 今回の場合であれば、ご実家だけを対象にした遺産分割協議書が作成されていれば、相続人の依頼により、不動産業者は売却活動を始めることができます。
 また、その遺産分割協議書により相続登記も行えます。相続登記については、売買契約締結後、不動産を引き渡すまでの間に行えば問題ありません。

 建物を取り壊すのであれば、建物の相続登記は、必ずしも必要ではありません。 建物を取り壊した後の建物の滅失登記は必要になりますが、登記名義が被相続人であっても、相続人名にて建物の滅失登記を申請することが可能です。
 また、土地を売却する際に、確定測量を求められるケースがありますが、確定測量も建物滅失登記と同じで、相続人にて土地家屋調査士に依頼(官民立会等の委任)ができます。建物の滅失登記や確定測量は、戸籍等で、依頼者が相続人であることを証明すれば足りるからです。

 なお、土地に係る固定資産税・都市計画税は毎年1月1日現在で、土地上に建物があるかどうかによって税額が変わります。そのため、建物を取り壊す時期によっては、翌年の土地に係る固定資産税、都市計画税が高くなる可能性があります。取り壊しの時期については、依頼する不動産業者と協議しておくことが必要です。
 加えて、築年が古い被相続人の居住用財産を売却する場合は、不動産譲渡所得について空家の3,000万円特別控除が利用できる可能性があります。空家の3,000万円特別控除を利用する際は、建物取り壊し前の写真が必要になるなど、利用するための規定があります。
 いずれにしても、不動産を売却する際は、各専門家に相談の上、進める必要があります。

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