相続した不動産は、「保有する」だけでなく「売却する」ことも含めて検討することが大切です。相続税と売却時の税負担を見据えた対応が、財産を守るうえでのポイントとなります。
相続で取得した不動産の売却を検討しています。相続税はすでに納めていますが、売却時にも税金がかかると聞き、不安に感じています。こうした負担を抑える手段として「相続税の取得費加算(以下、取得費加算)」があると聞きましたが、どのように考えればよいのでしょうか。
不動産の相続では、相続後にどのように活用・処分するかという視点も重要になります。売却を選択する場合には、取得費加算のような制度を活用することで、税負担の調整が可能となる場合があります。
不動産の相続というと、相続税対策に目が向きがちですが、実務上は相続前の対策に加えて、相続後の対策も重要です。
相続した不動産については、
- そのまま保有する
- 賃貸などで活用する
- 売却して整理する
といった選択肢があり、どの方法を選ぶかによって、その後の負担や手取りが変わってきます。
特に、
- 納税資金を確保する必要がある場合
- 利用予定のない不動産を整理する場合
- 維持管理の負担を見直したい場合
には、売却を視野に入れた検討が行われることも少なくありません。
相続した不動産を売却した場合には、譲渡所得に対して所得税・住民税が課税されます。
そのため、
「相続時に相続税を納めているにもかかわらず、売却時にも税金がかかる」
という点に、負担を感じる方もいらっしゃいます。
相続税と所得税は、それぞれ異なる目的の税金として課されるものですが、こうした負担も踏まえて検討することが重要です。
こうした場合に活用が検討される制度の一つが、「取得費加算」です。
この制度は、相続や遺贈により取得した不動産を一定期間内に売却した場合に、支払った相続税の一部を取得費に加算できる仕組みです。
取得費加算は、相続税そのものを軽減する制度ではありませんが、相続後の売却まで見据えた対策として活用が検討される制度といえます。
相続税を納付した方が、相続した不動産を売却するケースでは、取得費加算の適用により譲渡所得が圧縮され、その結果として売却時の税負担が軽減される場合があります。
もっとも、その効果は、取得した財産の種類や不動産の評価額、相続税額、売却価格や取得費などによって異なるため、制度の活用にあたっては個別に試算を行うことが重要です。
■ 適用期限がある
取得費加算は、相続税の申告期限の翌日から3年以内の売却が要件となります。
■ 売却には一定の期間を要する
不動産の売却には、
- 買主の選定
- 測量や境界確認
- 契約・引渡し
などの手続きがあり、一定の期間を要することが一般的です。
■ 全体での判断が重要
不動産の相続では、
- 相続税
- 維持管理のコスト
- 売却時の税負担
などを総合的に踏まえて判断することが重要です。
不動産の相続においては、相続時点の対応だけでなく、その後の活用や売却も含めた検討が求められます。取得費加算は、こうした相続後の対応において、売却時の税負担を調整する手段の一つとして活用が検討される制度です。相続した不動産の取り扱いについては、状況に応じた判断が重要となるため、専門家へご相談いただくことをおすすめします。
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生命保険の場合、受取人をあらかじめ指定するため、大切な人に確実に資産を遺すことができます。法定相続人以外にも財産を遺せます。ただし、原則、死亡保険金受取人は被保険者の配偶者または2親等内の血族の範囲内で指定することになります。
所有不動産記録証明制度とは、相続登記の義務化に対応するため、被相続人名義の不動産を相続人が把握しやすくする制度です。
お父様が亡くなった時点で所有していた財産で、金銭的に価値のあるすべての財産に対して相続税が課税されます。具体的には、土地、建物、借地権(土地を借りる権利)、事業用(農業用)の財産、株式、公社債、投資信託、現預金、貸付金、家庭用財産(家電、家具など)、書画骨とう、貴金属、自動車、特許権、電話加入権、立木などが該当します。
同じ土地であっても、評価する目的や評価主体によって価格は異なります。一般に「実勢価格」「公示価格」「路線価」「固定資産税評価額」の4種類に分類され、これらを総称して「一物四価」と呼びます。
積立配当金とは、契約期間中に配当金(※)が積み立てられたものです。
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