お知らせ

 こちら京都は、3年ぶりとなる通常通りの祇園祭を前に、
 うだる蒸し暑さが始まっています。
 食欲も落ちるこんな時は、香辛料の効いたカレーに汗を流しほおばり、
 なんとか暑さを吹き飛ばしたいと思います。

 今では、様々な種類のカレーがレトルト・パックで出回っていて、
 本格的なカレーも手軽に食べられるようになっています。
 そんなレトルトカレーの元祖「ボンカレー」は、
 テレビCMなどのマス広告を止めてからも売上げが伸びているそうです。

 「ボンカレー」の他にも、「オロナイン軟膏」「オロナミンC」、
 「ごきぶりホイホイ]「ポカリスエット」などなど、
 ヒット商品を生み出してきた大塚製薬グループ、
 そしてその創業者の大塚正士氏。
 団塊の世代の方には、懐かしい商品名、
 あわせて当時のCMが記憶によみがえる方も多いはずではないでしょうか。

 これだけのヒット商品名を生み出し、
 また何十年もの永い間人気を保ち続けています。
 当然の事ながら、その人気は簡単に手に入れられたものではなく、
 大塚氏の手緩めない猛攻勢があったからこそ成しえたものなのです。

 最初のヒット「オロナイン軟膏」の発売の時には、
 損を覚悟で小学校の生徒全員に無料サンプルを配るという
 大胆な戦略に出たのです。
 その金額は売価で1億8000万円、
 「税金で持っていかれるよりも、商品の良さを知ってもらい、
 信用を高めたい」と言う気持ちがあったにせよ、
 常識を超えた力量が現れています。

 「オロナミンC」のときには、販売ルートを薬局から一般小売店へ
 方向転換し、朝昼問わず、夜のネオン街まで売り込みに回ったのです。
 栄養ドリンクの売上が減った薬局は猛反発して、
 お蔭で「オロナイン軟膏」の売上は半分になってしまったほどでした。

 このように、リスクを怖れない大塚氏の販売戦略は、
 先発の強豪商品を追い抜くヒット商品となったのです。

 大塚氏は苛立っていました、
 「会社をもっと、大きくしたい…、
 しかし三井や住友のような財閥のようになるには、時間が足りない」
 自分一人がどれだけ一生懸命働いても、たかだか50年ほど、
 早く大きくなるにはどうしたらいいのか…

 あるとき江戸時代に廻船業で富を築いた、豪商の経営手法にヒントを得て
 本格的にグループ経営に乗り出すのです。
 豪商は新しい船が出来上がると、その度に船長を雇って仕事を任せる。
 船長には売上に対して歩合が渡されるので、必死になって働き、
 当然船主にもたくさんの利益が残ることになる。

 これを会社経営に取り入れて、グループ会社の舵取りを、
 それぞれの会社の社長に任せるとして、
 10人の社長が30年働ければ、300年分になる。
 財閥にも決して引けを取らない歴史分の仕事が一生のうちに出来ることになる。

 その経営手法に則って、設立した会社のひとつが大鵬薬品です。
 大塚グループと問屋が共同出資して出来上がった会社の社長には、
 若干32歳の若手役員を抜擢したのです。
 こうして大塚製薬はグループ売上高1兆円規模の、
 大企業へと成長を遂げたのです。

 遺産分割に関係する民法の改正が行われたと聞きました。具体的には、どのような改正なのでしょうか。

 これまで、遺産分割については、相続開始(被相続人の死亡)時から何年経過した後に行っても、分割方法に違いが生じなかったことから、早期に遺産分割の協議または請求をすることにつき、インセンティブが働きにくい状態でした。
 しかし、遺産分割がされないまま相続が繰り返され、多数の相続人により遺産が共有されると、遺産の管理や処分が困難となり、そのような状態下で相続人の一部が所在不明となることが、所有者不明土地が生じる原因の一つとなっていました。そこで、所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直しとして、遺産分割に関する民法の規定が改正されることになりました。

 改正の最も重要なポイントは、具体的相続分(※)による遺産分割に時的限界が設けられ、相続開始時から10年を経過した後にする遺産分割は、原則として具体的相続分ではなく、法定相続分によることになったことです。

 すなわち、具体的相続分によれば、法定相続分による場合よりも多くの財産を取得することができると考える相続人は、他の相続人が得た贈与が特別受益に該当する、あるいは自分が被相続人に行った労務等の提供が寄与分にあたると主張することになりますが、遺産分割の合意ができず、そのような具体的相続分に沿った遺産分割の審判を求める場合には、相続開始時から10年以内に、家庭裁判所に遺産分割請求を行うことが必要となります(具体的相続分による遺産分割の合意は、相続開始時から10年を経過した後でも可能です)。

 なお、上記改正部分の施行日は、令和5年(2023年)4月1日となっていますが、施行日前に被相続人が死亡した場合の遺産分割についても、改正法の適用がある点に留意する必要があります(但し、経過措置により、相続開始時から10年経過時または改正法施行時から5年経過時のいずれか遅い時までに、遺産分割請求がされた場合には、具体的相続分による分割は可能とされていますので、少なくとも5年の猶予期間があります)。

 他にも、現行法では、遺産共有と通常共有が併存する場合において、共有関係を裁判で解消するには、地方裁判所等での共有物分割訴訟と、家庭裁判所での遺産分割請求を別個に実施する必要がありましたが、改正法では、相続開始時から10年を経過したときは、遺産共有関係の解消も共有物分割訴訟において実施することができるようになります。

 また、相続により不動産が遺産共有状態となったものの、相続人の中に所在等の不明なものがいて、共有関係を解消できないようなケースについて、相続開始時から10年を経過したときは、裁判所の決定を得て、相当額の金銭を供託することにより、所在等不明共有者の不動産の持分を取得することができるようになります。

 このように、改正法では遺産共有関係の解消の促進、円滑化、合理化が図られていますので、有効に活用されることが期待されます。

(※)具体的相続分とは、民法であらかじめ定められている画一的な割合である法定相続分を、事案ごとに修正して算出する割合であり、特別受益や寄与分などを踏まえて算定されるものをいいます。

 

 

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 2022年4月から成年年齢が18歳に引き下げられましたが、相続時精算課税制度の適用はどうなりますか?

 いくつかの財産を今年(2022年)中に生前贈与しようと思います。受贈者のうち、今年4月に高校3年生になった孫を含めようと思っていますが、この孫は、相続時精算課税制度を適用することはできるのでしょうか。
 孫は2004年8月生まれです。

 2022年1月1日現在、お孫さんは18歳ではないため、2022年中の贈与について相続時精算課税制度を選択して適用することはできません。

1.相続時精算課税制度とは

 相続時精算課税制度とは、贈与を受けたときの贈与税の計算において、自ら選択することで適用することができる制度です。

 その特徴としては、主に以下のとおりです。

  • 通常の贈与税の計算(暦年課税による計算)とは違い、原則、この制度を選択して贈与を受けた財産の合計額が累積で2,500万円を超えるまで贈与税は課されず、超えた段階から一律20%の税率で贈与税が課されます。
  • この制度を適用することができるのは、原則、父母又は祖父母から贈与を受けた子又は孫であり、それぞれに年齢制限があります。
  • この制度を選択した場合には、その後の相続時精算課税に係る贈与者からの贈与については、相続時精算課税制度を適用して贈与税の計算をしなければなりません。
  • 相続時精算課税に係る贈与者が亡くなった場合には、相続時精算課税制度を適用した贈与財産の価額(贈与時の価額)の合計額を相続財産として他の相続等により取得した財産と合算して相続税を計算した上で、すでに納めた贈与税額がある場合には、相続税額から控除して相続税額を算出します。その際、控除しきれない贈与税額があるときは、相続税の申告をすることで還付を受けることができます。

 なお、贈与者と受贈者の年齢制限については、以下のとおりです。

  その年1月1日現在の年齢
贈与者 60歳以上
受贈者 20歳以上
(2022年4月1日以後は18歳以上)
2.成年年齢引下げに伴う改正

 これまで成年年齢が「20歳」であったため、受贈者の年齢について、贈与の年の1月1日現在において「20歳以上」か否かで判定をしてきました。

 これが民法の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことに伴い、年齢要件が「18歳以上」と改正されて、「18歳以上」か否かで判定することとなりました。

 この改正は2022年4月1日以後の贈与から適用となるため、2022年中の贈与はこれまでの判定要素に加え、「何月の贈与」なのかも確認しないと判断できないこととなります。

3.ご相談のケース

 ご相談のケースは、2022年1月1日現在、お孫さんは17歳です。そのため、仮に2022年4月1日以後に贈与をしたとしても、受贈者の年齢要件を満たすことはできないため、相続時精算課税制度を選択適用することはできません。

 なお、仮に贈与を実行した場合には、暦年課税により贈与税を計算することとなります。その場合においても、2022年1月1日現在のお孫さんの年齢は17歳であることから、2022年中の贈与は「一般税率」を適用して贈与税の計算を行うこととなります。

 贈与税の計算に関するご相談は、お気軽に当事務所までお問い合わせください。

<参考>
 国税庁HP「No.4103 相続時精算課税の選択」、「民法の改正(成年年齢引下げ)に伴う贈与税・相続税の改正のあらまし」PDFなど

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 大量消費が豊かさの象徴としてもてはやされ、
 欲しい物は躊躇なく手に入れ、使い終われば捨ててしまう。
 そんな風向きが大きく変化したのは、
 リーマンショックを前後として押し寄せたデフレの波でした。

 リサイクル、リユースへの志向が一気に強まり、
 洋服やバックなど、流行が過ぎると捨てられていたものまで、
 中古品市場で取引されるようになりました。

 最近では、インターネットのショッピングモールや、
 リユース企業の実店舗で取引されていたものが、
 フリマアプリなどネットを通じて個人間で直接売買する様になり、
 売れるものならば捨てる前に出品しようという風に変わりました。

 その様な個人売買のあおりを受けて、中古品取引大手のブックオフも、
 古本中心の事業からの転換を迫られています。
 百貨店などに買い取り窓口を設け競合の少ない、
 富裕層向けにサービスを拡充させています。

 ブックオフの創業者 坂本孝氏が、古本に目をつけたのは、
 1990年の春のことでした。
 たまたま通りかかった商店街で目にした光景は、本に群がる黒山の人だかり。
 よく見ると、コミック本の古本の山に若者が我先に争って手にとっていました。

 定価の何分の一で売りに出された、コミック本はあっという間に売れて、
 店主の手元に置かれた、かごの中にはお金が溜まっていったのです。
 中古のコミック本には、昔ながらの「古書」というイメージはまったく無く、
 一度読んでしまえば、タダ同然になってしまうのだと感じたのでした。

 このように、若者から若者へコミックを売買し、
 循環させるような仕組みは作れないかと、坂本氏は考えたのです。
 読み終えたコミック本を定価の1割で若者から買い取り、
 リフレッシュした後、定価の半分で売る。

 それまでは、古本屋の店主の目利きに頼っていた金額の査定を、
 アルバイトでも簡単に出来るようにしたのが、ブックオフだったのです。
 新・古本屋ともいえるスタイルの原動力となったのは、
 仕入れ値と販売価格の差額、いわゆる粗利率の高さなのです。

 このことが示しているのは、経営で使う用語「付加価値」なのです。
 ブックオフの場合、お客として買う立場に立ってみると、
 さほど汚れていない古本を半額で手に入れることができ。
 また、(お客として)売る立場に立ってみると、古紙回収に出せばタダ同然のものが
 定価の1割で引き取ってもらえるのです。

 つまり、顧客は両方の立場で、メリットがあるのです。
 そんな、ブックオフへ古本を持ち込む若者は、
 読み終えたコミック本や文庫本を何十冊と携えて来店し、
 売ったその代金で、気に入った古本やCDを買って帰るのも珍しくありません。

 「付加価値」が高ければ、販売に関するいろいろなことを
 充実させることが出来るのです。
 そうなれば、人が多く集まるような家賃が高い場所に出店することが可能になり、
 給与を多く払ってでも、良い人材を募集することも出来ます。

 また、従業員の教育にお金をかけたり、様々な形で広告費を行うこともできます。
 このようなことが、良い形で循環することにより、
 会社としては利益を生み出せる体質に変わっていくことになるのです。

 所有する土地が大深度地下使用法の適用を受ける場合、相続税評価額の算定において軽減措置はありますか?

 私が東京郊外に所有する土地の地下深くに高速道路のトンネルが通ることになっていますが、事業者からは『大深度地下の公共的使用に関する特別措置法(以下、大深度地下使用法)』の適用対象となるため、補償は行わないといわれています。そうなると、将来的に相続が発生した場合の相続税評価においても、何らかの軽減措置が講じられることはないのでしょうか。

 土地の相続税評価額の計算上、『大深度地下使用法』の適用対象となることをもって何らか軽減される措置は、現状用意されておりません。

1.土地の所有権の及ぶ範囲

 土地の所有権の及ぶ範囲について、民法第207条では「土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ」と規定されています。

 

 したがって、高速道路や鉄道の地下トンネルなどの工作物を他人の土地の地上ないし地下に設置する場合、その土地所有者の承諾を得る必要があります。民法第269条の2では、「地下又は空間は、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて地上権の目的とすることができる」としており、この権利を「区分地上権」といいます。

 また、区分地上権を設定する場合、「設定行為で、地上権の行使のためにその土地の使用に制限を加えることができる」とされています。具体的には、地下にトンネルなどの工作物を設置するような場合、地上建物の荷重制限や地下室の設置ができないといったような制限です。例えば、本来は地上8階地下2階建の建物が建築できる土地であるのに、区分地上権の設定により地上5階地下1階建の建物しか建築できない、といったケースがこれに該当します。

2.区分地上権の評価方法

 区分地上権について相続税評価額を算定するにあたり、その評価方法は財産評価基本通達27-4で以下のとおり定められています。具体的には、土地の利用が阻害される程度に応じた価値の減分を反映した評価方法が取り入れられています。

(区分地上権の評価)
27-4 区分地上権の価額は、その区分地上権の目的となっている宅地の自用地としての価額に、その区分地上権の設定契約の内容に応じた土地利用制限率を基とした割合(以下「区分地上権の割合」という。)を乗じて計算した金額によって評価する。
 この場合において、地下鉄等のずい道の所有を目的として設定した区分地上権を評価するときにおける区分地上権の割合は、100分の30とすることができるものとする。
3.大深度地下使用法の適用を受ける土地

 一方、『大深度地下使用法』という法律では、土地所有者による通常の利用が行われない大深度地下空間に使用権を設定するための要件・手続等が定められており、公共の利益となる一定の事業を行う場合、国や地方公共団体の認可を受ければ、土地所有者の同意を得ずに当該大深度地下空間を使用することができるとされています。

 具体的な要件等は以下のとおりです。

  • 大深度地下の定義(次のうち、いずれか深い方の地下)
    • (1)地表から40メートル(地下室の建設のための利用が通常行われない深さ)
    • (2)支持基盤の最も浅い部分の深さに10メートルを加えた深さ
  • 対象地域
    • (1)首都圏の既成市街地又は近郊整備地帯の区域内の市区町村
    • (2)近畿圏の規制都市区域又は近郊整備区域内の市町村
    • (3)中部圏の都市整備区域内の市町村
  • 対象事業
    • 道路事業、河川事業、鉄道事業、電気通信事業、電気事業、ガス事業、水道・下水道事業等

 大深度地下空間は、土地所有者による通常の利用が行われない空間であり、利用が制限されても実質的な損失が生じないことから、公的な使用権の設定を土地所有権に優先させるという考え方に基づいています。例外規定として、具体的な損失が生じた場合には、大深度地下使用認可の告示の日から1年以内に限り補償を請求できる、とされていますが、それ以外に補償を請求できるケースは規定されていません。

4.大深度地下使用法の適用を受ける土地の評価方法

 上記3.の考え方を反映してか、大深度地下使用法の適用を受ける土地について、財産評価基本通達において特段の評価方法は定められていません。したがってご相談のケースでは、『大深度地下使用法』の適用対象となることをもって、何らかの軽減がされることはないと考えます。

 土地の相続税評価額に関するご相談は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

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 相続に伴い契約者変更をした生命保険の税金について教えてください。

 亡くなった父の相続手続きにあたり、父が管理していた書類を整理したところ、契約者が父、被保険者が私(A)になっている生命保険が見つかりました。2年後満期になったときに満期保険金がおりる契約です。
 保険会社に確認したところ、契約者を父から私に変更して引き継ぐよう案内され、この手続きは完了しました。引き継いだ生命保険は、父の相続に係る相続税においてどのように扱われるのでしょうか。また、引き継いだ後、私が受け取る満期保険金の税金についても教えてください。

【契約内容】
  • 保険種類:養老保険
  • 保険期間:10年満期(残2年)
  • 保険金額(死亡・満期):500万円
  • 保険料払込方法:全期前納払い(全額父負担)
  • 契約者:父(契約引継ぎ後:A)
  • 被保険者:A
  • 死亡保険金受取人:父(契約引継ぎ後:Aの配偶者)
  • 満期保険金受取人:父(契約引継ぎ後:A)

 ご相談のケースでは、相続により引き継いだ生命保険は、「生命保険に関する権利」として、お父様がお亡くなりになった時点の解約返戻金相当額に未経過保険料等を加算等した額が相続税の課税対象となります。また、Aさんが受け取ることとなる満期保険金は、所得税(一時所得)の対象となります。

1.被保険者とは異なる契約者が保険契約期間中に死亡した場合

 被保険者とは異なる契約者が保険契約期間中に死亡した場合は、契約者の変更を行います。
 変更後の新しい契約者は、その契約の権利を引き継ぐことになります。

2.相続時の税務上の取扱い

 引き継いだ生命保険は、「生命保険に関する権利」として相続税の課税対象となります。

(1)評価額

 評価額は、原則、契約者が死亡した時点の解約返戻金の額となります。

 ただし、ご相談のケースのように、保険料が前納されており解約返戻金とは別に受け取ることができる未経過保険料がある場合や、配当金等がある場合は、解約返戻金に未経過保険料や配当金の額を加えた額が評価額になります。

 なお、解約返戻金の額につき源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額がある場合は、当該金額を控除することができます。

(2)相続財産の評価

 “生命保険”となると、死亡保険金の非課税枠を思い浮かべるかと思います。

 しかし、ご相談のケースは保険事故が発生していない生命保険であり、本来の財産として取扱われます。死亡保険金の非課税枠(※)の適用ができる被相続人の死亡を保険事故として受け取る生命保険とは異なるため、死亡保険金の非課税枠を適用することはできません。

※ (500万円×法定相続人の数)を限度として、相続税の計算上非課税とすることができる制度です。

3.満期保険金に係る税務上の取扱い

 将来Aさんが受け取る満期保険金は、契約者と満期保険金受取人が同一であるため、所得税(一時所得)の対象となります。一時所得の計算においては、相続により権利を引き継いだ生命保険は、引き継いだ契約者自らが当初から保険料を負担したものとして取扱います。

 なお、契約者が被保険者より先に亡くなって引き継がれる生命保険は、相続財産の確認において漏れやすいため、税制改正により保険会社から税務署へ発行される調書の見直しがされており、現状では死亡により契約者が変更された一定の契約については、一定事項を記載した支払調書が所轄税務署長へ提出されることとなっています。

 税務署にとっては死亡による契約者変更の事実を把握しやすくなりましたが、ご遺族としてはどのように扱えばよいか分かりづらい契約形態であることに変わりありません。

 相続に関するご相談は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

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 喫煙に対する規制が強くなったこともあり、
 タバコの自動販売機(自販機)はかなりの数が姿を消しました。
 郊外に行けば、自家野菜や玉子を売る自販機を目にすることもありますが、
 街中で見かけるのは、飲料水や缶コーヒーの自販機ばかりになりました。

 コンビニやフードコートが広がるまでは、
 街角や人が集まる場所で一風変った自販機を目にしたものです。
 そんな、レトロな自販機を集めた「自販機食堂」が群馬県にあり、
 ちょっとした観光スポットとなっているようです。

 メニューは、ハンバーガー、トースト、うどんやラーメン。
 値段は安いとはいえないけれど、麺類28秒、トースト40秒、
 ハンバーガーは68秒と、ファストフード顔負けの速さが売り物です。

 道路を挟んだ向かいにコンビニがあるものの、
 物珍しさに惹かれて訪れる人、当時を懐かしんで来店する客が後を絶たず、
 平日で100食、休日は200食を超える売上があるそうです。  

 現在のように、街角のいたるところに自動販売機が設置でき、
 販売を支えているのが、硬貨、紙幣の認識技術です。
 この技術に早くから取り組んだのが、立石電機(現 オムロン)です、

 最初に開発を手がけたのは食券自動販売機でした。
 私鉄の路線延長に備えて、百貨店が新駅に通じる地階に、
 新しく食堂コーナーを作る計画をしたのです。
 その食堂に、食券の自動販売機を導入する構想が持ちあがります。

 3種類の硬貨を利用し、偽造を見分け、7種類の食券を販売するという、
 開発陣も尻込みするほど、とても高い性能を要求されましたが、
 見事に完成させ63年に7台の納入を果たします。

 自動制御装置にコンピュータを組み合わせた技術は、
 次々と新しい製品に開花していきます。
 アメリカのメーカーの依頼で、食券の自動販売機の技術を応用した、
 クレジットカード用の自販機システムを手がけることになります。

 現地では、食事をする前に前払いする習慣が無かったため、
 いわゆる後払い形式のクレジットカード方式に切り替えての開発でした。
 製品発表は大々的にマスコミに取り上げられ、
 新聞やテレビで報道されましたが、一方販売は伸びませんでした。

 しかし、その技術は無駄にされることなく、
 銀行の窓口無人化システムにつながります。
 66年に金融会社から入った、紙幣自動貸出機の開発依頼を皮切りに、
 銀行向けのCD(自動預金支払機)を手がけ、
 ATM(自動現金引き出し、預け入れ装置)に引き継がれたのです。

 30年、オムロンの創業者 立石一真氏が独立開業を決意したのは、
 折からの不況で、勤めていた会社の希望退職に応じたものの
 就職口がみつからず、再就職できなかったからです。

 最初は、自らが考案した、ズボン挟み器(ズボンプレッサー)や
 ナイフグラインダー(包丁研ぎ器)を売り歩き、
 細々と生計を立てていましたが、持っていたお金も底を尽き、
 その日の米代まで不自由するようになります。

 途方にくれ、周囲に仕事がないかと訪ね歩いていたところ、
 友人がレントゲン撮影用のタイマーの話を持ってきてくれます。
 鮮明な映像を撮るために、20分の1秒を計る必要があったのですが、
 それまではゼンマイ仕掛けで、正確に測定できなかったのです。

 立石氏は、2ヶ月掛かりで2台の試作品を完成させメーカーに持ち込みます。
 大阪の病院で行われた、タイマーの立会い試験では、
 合格の結果を受け、はじめて大口の注文を受けることが出来たのです。
 こうして、「継電器(リレイ)」の専門工場として
 立石電機の基礎が出来上がったのです。

 今回は相談事例を通じて、一切の財産に含まれるものについてご紹介します。

 父が亡くなりました。相続人は長男の私と母の2人です。遺言書の中に「長男〇〇に一切の財産を相続させる」という文言がありました。この「一切の財産」の中には債務も含まれるのでしょうか。遺言書には、債務に関しては何も書かれていません。

 ご質問への回答として最高裁判決がありますので、以下にご紹介します。

 「相続人のうちの1人に対して、相続財産の全部を相続させる旨の遺言がなされた場合、特段の事情のない限り、当該相続人に債務も全て相続させる意思が表示されたものと解すべきである。」(最高裁平成21年3月24日判決)

 ご質問には、「一切の財産」と表示されており、一方上記判決では「相続財産の全部」との表示ですが、これは同じ意味と理解してよいでしょう。

 上記最高裁判決の根拠は、民法第899条です。同条には、「各共同相続人は、その相続分に応じて、被相続人の権利義務を承継する。」と規定されています。従って、相続人はプラスの財産ばかりではなく、相続分に応じて「義務」すなわち被相続人の債務も相続することになります。

 上記第899条の「相続分」ですが、通常は「法定相続分」(民法第900条)によりますが、遺言では、法定相続分と異なる相続分を指定することができ(民法第902条第1項)、その場合は、その指定された相続分での相続となります。ご質問の場合、指定された相続分は上記最高裁判決と同様に「全部=100%」ですから、相続人は、被相続人の債務も全部=100%相続することになります。

 なお、上記はあくまで相続人間での債務の承継の話です。債権者としては何も関知しえないところで債務の承継が決まることはありませんので、債権者は遺言に従わずに、法定相続分に応じて請求することは可能です(その場合、遺言で相続しない妻は、債権者への弁済分を、子に求償することになります)。

 

 

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 2022年4月から成年年齢が18歳に引き下げられましたが、相続税の計算における未成年者控除はどうなりますか?

 相続人が未成年者の場合、「未成年者控除」として満20歳に達するまでの年数に応じた一定の金額を相続税額から控除してもらえると聞いています。2022年4月から成年年齢が18歳に引き下げられましたが、この「未成年者控除」はどうなるのでしょうか?

 成年年齢の引き下げにあわせて、「未成年者控除」が適用できる年齢や控除額の計算が改正されました。

1.未成年者控除とは

 相続人が未成年者である場合には、相続税の額から一定の金額を控除します。この控除を「未成年者控除」といいます。

 未成年者控除を適用できるのは、次のすべての要件を満たす人です。

  • (1)相続又は遺贈により財産を取得した法定相続人(日本国籍を有していない人など、一定の人は対象外です。)であること
  • (2)上記(1)の法定相続人とは、相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人であること
  • (3)上記(1)の法定相続人は、その相続又は遺贈により財産を取得したときに未成年者であること

 上記(3)の「未成年者」の年齢が2022年3月までは「20歳未満」でした。これが、民法の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことに伴い、未成年者控除における「未成年者」の年齢も2022年4月から「18歳未満」に引き下げられました。

2.未成年者控除額

 未成年者控除額は、以下の算式により計算します。

【控除額】
10万円×成年に達するまでの年数(1年未満切上)

 「成年」とは、2022年3月までは「満20歳」でした。

 これが、2022年4月からは民法の成年年齢にあわせて「満18歳」に改正されました。

 つまり、2022年4月からの控除額の計算は、以下の通りとなります。

【控除額】
10万円×満18歳に達するまでの年数(1年未満切上)
3.適用開始時期

 この改正は、2022年4月1日以後の相続又は遺贈から適用されます。

4.留意点

 未成年者控除については、未成年者本人の相続税額より控除額が大きくなるために引ききれない場合があります。この場合には、その引ききれない部分をその未成年者の扶養義務者の相続税額から差し引きます。

 今回の改正により、単純計算で控除額が最大20万円(2年×10万円)減少することとなりますので、このような引き切れない部分を差し引ける金額も当然少なくなることが予想されます。

 孫養子などで未成年者を相続人とした場合に有効活用してきたこの未成年者控除について、今般の改正点を改めてご確認ください。

 なお、既に未成年者控除の適用を受けたことがある場合には、一定の控除限度額の計算があります。その点もご留意ください。

 過去に税額計算をシミュレーションされた方は見直されると良いでしょう。
 相続に関するご相談は、お気軽に当事務所までお問い合わせください。

<参考>
 国税庁HP「No.4164 未成年者の税額控除」など

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 毎年、数え切れないくらいの新製品が登場する飲料水のなかで、
 生き残れる製品はわずか数製品といわれています。
 炭酸飲料が世の中に出回りはじめた頃には、
 ラムネが出荷量の大半を占めていました。
 しかし、親しまれた独特な形にこだわったことが
 普及に歯止めを掛けることになってしまったのです。

 同じようでいて、名称が違っている、「ラムネ」と「サイダー」。
 感のいい方は気づいておられると思いますが、
 どちらも、語源は外国語からきています。

 ラムネは、英語のレモネードが訛ってできた言葉で、
 サイダーは、フランス語のりんご酒を意味するシードルという言葉が
 変化してできた言葉だといわれています。

 そんな名称が出来上がった経緯が表すように、
 ラムネはレモン味をつけた炭酸水が最初でした。
 一方のサイダーは、イギリスでりんご酒に炭酸水を加えたものが
 シャンパンサイダーと呼ばれていて、
 これを参考にした飲み物が始まりとされています。

 ラムネは世の中に普及する途中で、
 皆さんがよくご存知のビー玉が入った、腰がくびれたビンの形になりました。
 そんなことから、中身の味よりビンの形から、
 サイダーとは分けられるようになったのです。

 どちらも世の中に広まったのは明治以降のことで、
 庶民の味として親しまれることになります。
 サイダーは、現在も他の炭酸飲料と肩を並べる存在としてたくさん飲まれています。
 しかし、ラムネは駄菓子屋さんでの飲み物として、
 郷愁を感じる存在としてのみ残っています。

 昭和に入り、各社から透明なものを含め、
 数えないくらいの炭酸飲料が発売されるようになります。
 そんな熾烈な競争の中でも、サイダーが生き残っているのは、
 三ツ矢サイダーの存在が欠かせません。

 三ツ矢サイダーは、明治から昭和にかけて行われた政府主導の
 ビール製造会社の統合、分割の波の中でビール会社の子会社となります。
 先にお話したように、サイダーはお酒に近い趣向で飲まれていた経緯があったので、
 事業の一環として炭酸飲料とビールを取り扱うことが多かったのです。

 再編の後、三ツ矢サイダーはアサヒビールの子会社となるのですが、
 当時のアサヒビールは、市場でのシェアが低迷して赤字が続いていました。
 シェアが10%を切った時には、倒産は時間の問題とさえささやかれていたのです、
 ビール事業が不振な中で、会社を支えていたのは三ツ矢サイダーの利益でした。

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