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トラブルにならないための~法律の相続対策 相続手続きの流れ

 今回は相談事例を通じて、相続手続きの流れについてご紹介します。

 先日、母が亡くなりました。私の知る限りでは、母の財産は預金と不動産のみです。父と二人で相続する予定ですが、母は急に亡くなったため遺言は無く、何から手を付ければよいか分かりません。相続手続きはどのような手順で進めればよいでしょうか。

 相続手続きの一般的な流れをご紹介します。具体的な内容は詳細解説をご覧ください。

 相続手続きは一般的に以下のような流れで行います。

① 戸籍謄本等を取得し、法定相続人を確定させる
 (民法第887・889・890条)。

 戸籍謄本は、金融機関や法務局などの手続先に対して、あなたとお父様が相続人であることを明らかにするために必要です。
② 遺産の内容・評価額の調査を行う(民法第915条2項)。

 財産を引き継ぐか相続放棄をするかの判断や、相続人同士で遺産分割協議を行うためには、まず財産の内容の確認が必要です。預貯金通帳・郵便物・権利書等を頼りに、どこにどんな財産がどのくらいあるか特定していきます。相続税の申告が必要な場合には、預貯金や証券口座に預託する金融資産の残高証明書を取得し、不動産があれば固定資産税課税明細書や評価証明書等によりそれぞれの財産や数量等を把握しておくことも必要です。
③ (必要な場合)相続放棄・限定承認の手続きを行う。

 相続放棄・限定承認を選択する場合、相続開始を知った日の翌日から3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きを行う必要があります。あなたとお父様がお母様の遺産を相続するのであれば、この手続きは必要ありません。
④ (必要な場合)準確定申告・納付を行う。

 お母様に一定額以上所得があれば、相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内に準確定申告を行う必要があります。
⑤ 遺産分割協議を行う(民法第907条)。

 遺産分割の目安は法定相続分(民法第900条)ですが、相続人全員が納得すれば法定相続分とは異なる分割でも有効とされています。
⑥ 協議が成立したら遺産分割協議書を作成する。

 相続人全員で署名と実印を押印し、印鑑証明書を添付します。必ず作成しなければならないものではありませんが、後から協議内容に疑義が生じるのを防ぐためには、作成しておいた方が安心です。また、不動産の相続登記や相続税の申告があるときなど、手続きの内容によっては、遺産分割協議書が必要になる場合があります。
⑦ 名義変更・換価処分を行う。

 取引のあった金融機関や法務局に払い出しや名義変更をするために求められる書類を提出することで、実際に相続人への換価処分や名義変更が行われます。①の戸籍謄本、⑥の遺産分割協議書と印鑑証明書の他にも、各手続先で手続き依頼書などを記入しなければならないケースが多いため、事前に確認しておくと良いでしょう。
⑧ (必要な場合)相続税の申告・納付を行う。

 相続財産が一定額を超えるようであれば、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に相続税の申告、納付手続きが必要になります。財産によって評価の方法が異なり、特例が使用できれば税額を抑えられるケースもあります。
 上記はあくまで一般的な手続きの流れであり、相続人の人数や財産の状況、遺言の有無、遺産分割協議が成立しない場合など、状況に応じてそれぞれ必要な手続きが異なります。

 期限が設けられている手続きもあり、スムーズに手続きを行うことが重要ですので、お悩みの方は、お気軽に当事務所へご相談ください。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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お金に困らないための~税金の相続対策  相続人に配偶者と障害者がいる場合

 相続人に配偶者と障害者がいるとき、配偶者の税額軽減の特例を最大限受けることが相続税の負担を一番減らすことになるのでしょうか?




 我が家には、身体に重度の障害(身体障害者1級)を持った長女(52歳)がいます。先日、夫が亡くなったのですが、長女の将来を考え、長女には夫の遺産の大部分を相続させてやりたいと考えています。それについては、他の兄弟も納得してくれています。しかし、相続税の負担もなるべく減らしたいと考えています。そのためには、配偶者である私が法定相続分又は1億6,000万円までを相続し、配偶者の税額軽減の特例を最大限受けるのが一番よい選択なのでしょうか?




 配偶者の税額軽減の特例だけにこだわらなくても、障害者控除により全体の納付税額のご負担が軽減される可能性もあります。ご長女様の将来もよく考えながら、様々なご検討をなさることをお勧めします。




 配偶者の税額軽減の特例とは、被相続人の配偶者について一定の金額まで相続税が発生しないという特例制度です。これは残された配偶者の生活保障のため、という背景がありますが、相続税の計算においては各相続人の個別事情等に配慮して、この配偶者の税額軽減の特例以外にも、算出相続税額から控除できる税額控除がいくつか設けられています。

 その税額控除の中の1つに、「障害者控除」という制度があります。これは、社会的弱者である障害者が相続により財産を取得した場合には、算出相続税額から一定額を差し引くという制度です。

 では、障害者控除の適用要件や控除金額などを、具体的にみてみましょう。1.障害者控除を受けられる相続人

 次の要件すべてに当てはまる人は、障害者控除の適用を受けることができます。

  • 相続等で財産を取得したときに日本国内に住所がある人(一定の人を除く)
  • 相続等で財産を取得したときに障害者である人
  • 相続等で財産を取得した人が法定相続人(相続の放棄があった場合には、なかったものとした場合の相続人)であること

2.控除額

  • 一般障害者  10万円 ×(85歳-相続開始時の年齢)*
  • 特別障害者  20万円 ×(85歳-相続開始時の年齢)*
  1. * 85歳に達するまでの年数で、1年未満の期間があるときは、1年切り上げて1年として計算
  2. * 過去に他者からの相続において、障害者控除の適用を受けている場合には、控除額が制限されます。

3.障害者の区分

  1. 一般障害者
    身体障害者手帳の等級:3級~6級精神障害者福祉健康手帳の等級:2級、3級
  2. 特別障害者
    身体障害者手帳の等級:1級、2級精神障害者福祉健康手帳の等級:1級

4.留意点(1)障害者控除額が引ききれない場合

 障害者控除額が、その障害者本人の相続税額より大きいため控除額の全額が引ききれない場合には、その引ききれない部分の金額をその障害者の扶養義務者の相続税額から差し引きます。

 この場合の扶養義務者とは、配偶者、直系血族(父母や子、孫)及び兄弟姉妹などをいいます。なお、この扶養義務者は「同居」や「生計一」である必要はありません。

 扶養義務者が2人以上ある場合の、それぞれの控除額は扶養義務者間での協議により自由に配分することができます。(2)その他

 障害者控除は、その障害者が何も財産を相続していない場合には控除することができません。また、この場合には他の扶養義務者である相続人からも控除することはできません。5.今回の場合

 例えば算出相続税額が下表であった場合の配偶者の税額軽減と障害者控除の適用額は、それぞれ下表のとおりです。(単位:万円)

長女長男次男合計
算出相続税額5003001001001,000
配偶者の税額軽減-500-500
障害者控除-300-100-100-500
納付税額00000

 お母様が相続された部分は、一定額まで配偶者の税額軽減の適用があり、税負担が軽減されます。

 また、ご長女が相続された部分は、ご長女の算出税額から障害者控除(限度額:20万円×(85歳-52歳)=660万円)が控除されます。この場合、控除しても控除しきれない障害者控除額があるときは、その控除しきれない金額は上記表のとおり、ご長男やご次男の算出税額から控除することができます。

 このように、どのような配分にすることが最も相続税の負担が軽減されるかは、ケース・バイ・ケースといえます。相続税の負担だけがすべてではありませんので、ご家族皆様の将来を見据えて最もよい選択ができるよう、いろいろな角度から検討されるとよいでしょう。相続税について、分からないことがありましたら、お気軽に当事務所へお問合せください。


<参考>
 相法1の2、1の3、19の4、相令4の4、相基通1の2-1、国税庁タックスアンサー「No.4167 障害者の税額控除」など
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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