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不動産小口化商品と相続税対策

不動産小口化商品を勧められましたが、相続税対策になるのでしょうか?

Q
今月のご相談

 付き合いのある金融機関から、相続税対策になるからと、不動産小口化商品を勧められました。本当に、相続税対策になるのでしょうか?

A-1
ワンポイントアドバイス

 恐らく、賃貸用不動産として評価する不動産小口化商品を勧められたのだと思われます。これを前提にしますと、現行においては、相続税対策になる可能性は高いものと考えます。ただし、今後は不明です。詳細解説にてご確認ください。

A-2
詳細解説
1.不動産小口化商品とは

 不動産投資は多額な資金が必要で、一投資家のみで投資するには難しい場面があります。そこで、持分を分割(小口化)することで、投資しやすい商品として取引が可能となります。このような仕組みを利用した金融商品を、不動産小口化商品といいます。

 不動産小口化商品の主な種類は、次のとおりです。

任意組合型 投資家同士で組合を作り、不動産を共同で所有・運用。投資家は組合員として所有権を持つ。
匿名組合型 投資家は事業者に出資し、運用益の分配を受け取るが、不動産自体の所有権は持たない。
信託受益権型 投資家は信託の受益権の所有者として、収益の分配を受け取る。
賃貸型 投資家が小口化された不動産の一部を所有し、賃貸収入を得る。

 それぞれに特徴はありますが、ここでは相続や贈与時の評価について言及しますと、賃貸用不動産として相続税評価額となるのは、任意組合型、信託受益権型、賃貸型です。

2.相続税対策の事例

 公表されている資料(※)にある、不動産小口化商品の贈与により相続税対策を行った事例をご紹介します。

 この事例では、3,000万円で購入した不動産小口化商品を、480万円の評価額で孫に贈与し、孫は贈与税額として49万円を納付。贈与の翌年に、取得価額とほぼ同額で孫が売却したものです。

 単に3,000万円の現金を孫に贈与した場合の贈与税額は、1,195万円です。これを49万円まで圧縮したうえで、実質現金3,000万円相当額を孫に贈与できた、という結果となりました。

 評価額をここまで引き下げられたのは、信託受益権を賃貸用不動産として評価(=相続税評価額)したためです。

 賃貸用不動産の相続税評価額は、借家人の支配権による利用の制約等を考慮して評価するため、評価額が低くなる傾向にあります。

 そのため、市場価格と相続税評価額のかい離が、この事例のように大きくなる場合があります。

 この資料は、国税庁による「財産評価を巡る諸問題」と題した説明資料の一部です。

 同資料には、上記以外の不動産小口化商品の贈与事例も掲載されています。いずれも78~84%程度評価が下がっていました。不動産小口化商品の取得価額が高ければ高いほど、その影響額は大きくなります。

 このように現行では、上手く利用することで相続税対策につながります。ただし問題とされた場合には、個別対応とする課税処分が行われる可能性もあります。また、今回この資料が公表されたことで、国税庁が問題視していることが明らかとなり、改正の可能性が考えられる点にもご留意ください。

 なお、不動産小口化商品は、その商品自体のリスクもあります。投資の検討は慎重に行いましょう。

<参考>
(※)内閣府HP「第4回 経済社会のデジタル化への対応と納税環境整備に関する専門家会合(2025年11月13日)資料一覧 【デ4ー3】国税庁説明資料(財産評価を巡る諸問題)」など

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 自動車メーカーのスズキでは、国内の工場等でインドをはじめとする
 多くの外国人が働いています。
 故郷から遠く離れた地で、満足した状態で働いてもらうためには、
 「食」が大事との考えに基づき、
 社員食堂では外国人向けのメニューを充実させているそうです。

 今年6月には、本社の社員食堂のインドカレーが発売されました。
 食堂で提供している13種類のうち、ベジタリアンでも食べられるよう、
 野菜、豆類を使い、辛さの異なる4種類をレトルト化したそうです。
 味には自信ありげで、インド出身従業員も
 「故郷の味」と太鼓判を押しているそうです。

 ビジネスの世界には、人が羨むような成功談がたくさんあります。
 そのひとつに、国内の自動車販売のシェアを、
 50%以上獲得した夢のような話があります。
 なんと、その偉業を成し得たのはスズキなのです。
 でも、シェアのお話は日本じゃなくてインドでのこと。

 スズキが進出する以前のインドには、様々な問題がありました。
 インド固有の階級制度により、服装、部屋、食堂などを、
 身分ごとに区別するのが当たり前でした。
 また、労働組合の結成率が高く、そのリーダーの多くは、
 働く時間が短くて、報酬が高いことを要求するだけでした。

 従業員も、欠勤することは当たり前で、
 勤務時間をきっちり働くことはしなかったのです。
 そんな事なので、賃金が低い割にはインドでの生産効率は、
 決して高くはありませんでした。
 加えて、事業の許可制度や税金も企業が成長するには足かせでした。

 スズキの社長 鈴木修氏がインドの政府系の企業から、
 合弁の話が持ち上がった時に思ったこと…
 「日本で一番になれないなら、インドで一番になればいい」
 というのも、日本の自動車メーカーの中ではスズキはいつも10位以下、
 一社ずつでも抜ければいい程度だったのです。

 いざ事業に乗り出した後も、解決しないといけない課題は山積状態、
 一つひとつ潰していくしかありませんでした。
 役員、管理職、一般社員の意識改革にはじまり、
 政府が取り仕切る規制緩和をしてもらうことの要求、
 部品を供給する下請けメーカーに対しても教育することになりました。

 その長年の成果が実り、
 インドでの事業にも日本と同じような生産体制が出来上がりました。
 このように、偉業と持て囃される話の影には、
 コツコツとした努力の積み重ねがあることがほとんどです。

 「GM(ゼネラル・モーターズ)が鯨で、うちがメダカ?
 いやうちはメダカじゃなくて蚊ですよ。
 だってメダカは鯨にのみ込まれてしまうが、
 蚊であれば空高く舞い上がることができるのでのみ込まれない。」
 GMと業務提携した時の鈴木氏の発言です。
 こんな時期だから、この言葉に重みが感じられるのではないでしょうか。

 進出し、最初に市場に投入した車種「マルチ800」は、
 発売30年を超え、庶民の足として根強い人気となりました。
 当時の首相の国民車構想に基づき、日本の2代目アルトをベースに開発され、
 長い歴史を誇っていましたが、排ガス規制の強化により、
 このほど生産を終える事となりました。

 その功績を、地元紙は品質管理や生産システムなどに広く影響を与えたと、
 このように称えたそうです。
 「消費者だけでなく、品質の向上への取り組み、
 生産の効率化などインド経済や企業に与えた影響は計り知れない」

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