お知らせ

 今回は相談事例を通じて、相続人不存在の場合の特別縁故者への財産分与についてご紹介します。

 私の実母は、私が3歳のときに亡くなりました。その後、私が7歳になる頃に父は再婚し、私は父とその再婚相手の方と一緒に暮らしていました。私は父の再婚相手の方を実の母のように思い、また、父の再婚相手の方も私を実の子のように思ってくれており、学校行事などにも母として参加してくれていました。
 5年ほど前、父が亡くなり、生活に困ることが無いよう、父の財産はすべて父の再婚相手の方が引き継ぐよう遺産分割協議を行いました。
 先般その父の再婚相手の方が亡くなったため、法律に詳しい友人に相談したところ、私と父の再婚相手の方で養子縁組をしていないので、私の相続権はないと言われてしまいました。友人の言うところでは、父の再婚相手の方に実子はなく、父母も死亡しており、兄弟姉妹はいないため、相続人不存在となり、相続財産は国庫に帰属してしまうとのことです。
 私と父の再婚相手の方は、7歳の頃から実の母子同然に暮らしてきました。養子縁組をし忘れただけで、父の相続財産を含めた相続財産が国庫に帰属することは納得がいきませんが、仕方がないのでしょうか。

 正確には、相続関係を証明する戸籍等を確認しなければなりませんが、お話を伺ったところ、お父様の再婚相手の方に相続人がいないことは間違いありません。また、最終的に相続人不存在で、残余の相続財産がある場合には、その残余の相続財産は国庫に帰属するよう法律で定められています。

 ただし、相続財産が国庫に帰属するまでには下記のように一定の手続きがあり、その手続きの中で、家庭裁判所が、相当と認める場合は「被相続人と生計を同じくしていた者」「被相続人の療養看護に努めた者」「その他被相続人と特別の縁故があった者」(これらの者を「特別縁故者」といいます。)の請求によって、特別縁故者に対して、清算(相続債務の弁済など、下記1~4の手続き)後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる(下記5)との、特別縁故者への財産分与の手続きが定められています。
 あなたは、お父様の再婚相手の方と幼い頃から母子同然に暮らしてきたとのことですので、この特別縁故者に該当する可能性があります。

 なお、この特別縁故者への財産分与は、家庭裁判所が職権で審判するため、必ず相続財産が分与されるとは限りませんが、一度、専門家へご相談することをおすすめします。

【相続人不存在による手続きの流れ】

    • 1.相続財産管理人の選任
       相続債権者などの利害関係人または検察官の請求によって、家庭裁判所は管理人を選任する(民法952条1項)。

 

    • 2.管理人の公告
       家庭裁判所は管理人を選任した旨を掲示や官報で公告する(民法952条2項)。

 

    • 3.相続債権者・受遺者への公告
       上記2の公告期間(2ヶ月)経過後、管理人は、いっさいの相続債権者・受遺者に対し請求の申出をするよう公告し、知れたる債権者・受遺者へは各別に債権を申し出るよう通知する(民法957条)。

 

    • 4.相続人捜索への公告
       上記3の公告期間(2ヶ月以上)経過後、家庭裁判所は、管理人・検察官の請求により、相続人捜索の公告をする(民法958条)。

 

    • 5.特別縁故者への財産分与
       上記4の公告期間(6ヶ月以上)経過後、3ヶ月以内に特別縁故者からの請求があれば、相続債権者への清算後、残余すべき相続財産の全部または一部を特別縁故者へ分与できる(民法958条の3)。

 

  • 6.5によって処分されなかった相続財産は国庫に帰属する(民法959条)。
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 個人事業主の事業を引き継いだ場合でも、個人事業主の税務上の身分は引き継がれませんので、改めて種々の届出等の手続きが必要になります。

 先日、私と一緒に飲食店をやっていた父が亡くなりました。父が亡くなるまでは、事業主は父で、私は給料をもらっていました。今後は、私が事業主となり飲食店を続けていこうと思っていますが、事業主の変更にあたり税務署へはどのような手続きが必要になりますか?

 事業主の変更にあたっては、前事業主は「個人事業の廃業届」を、新事業主は「個人事業の開業届」を提出することとなります。また、各種届出等(青色申告など)の効力は、お父様からあなたへ自動的には引き継がれませんので、これらの制度を利用したい場合には、それぞれ改めて届出書等を提出する必要があります。
 これらの制度の適用を受けるためには、提出期限までに届出書等を提出する必要がありますが、相続によって事業を引き継ぐ場合には、これら書類の提出期限が通常の場合と異なりますので、注意が必要です。

 以下に、事業を引き継いだ際に提出が必要となる主な書類とそれぞれの提出期限をまとめました。

【所得税青色申告承認申請書】
 相続人が、所得税の申告を青色申告で行いたい場合には、青色申告承認申請書の提出が必要です。

【消費税の課税事業者選択届出書】
 相続人に消費税の納税義務がない場合であっても、事業継承後消費税の課税事業者となりたいときには、消費税の課税事業者選択届出書の提出が必要です。

【消費税簡易課税制度選択届出書】
 事業承継後消費税の課税事業者となる相続人が、簡易課税制度により消費税を計算したい場合には、「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出が必要です。

<まとめ>

  • ・被相続人が税務署へ提出している各種届出等の効力は、相続により相続人へは引き継がれませんので、相続人にて改めて手続きが必要です。上記の他、給与支払いがある場合には、源泉所得税の納期の特例、青色専従者給与に関する届出書などがあります。
  • ・相続による事業承継の場合には、各種届出等の提出期限について特例が設けられています。
  • ・12月に入ってから相続が発生した場合などは、税務署長へ申請することにより、提出期限を延長することが可能です。

 事業承継にあたり適正に手続きをするためには、相続の発生日、被相続人の届出状況、相続人の事業の状況等について入念に状況把握を行うことが大切です。

<参考条文> 
 所得税法第125条、144条、166条、消費税法第9条第4項、第37条第1項、消費税法施行規則第11条第1項、第17条第1項、消費税基本通達1-4-16、1-4-17、13-1-5の2

 

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弊事務所の年末年始休業日をご案内いたします。

ご不便をお掛けいたしますが、何卒ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

■年末年始休業日
 2017年12月29日(金)~2018年1月4日(木)

 相続人が隣接地問題を回避するためには、隣接地との境界を確定し使用について隣接地の所有者と合意しておくことが重要です。

 自宅の土地は隣接地との境界が不明であり、建物の一部が隣接地に越境している可能性があります。隣接地の方とは、挨拶を交わすなど関係は良好で、今のところ撤去を求められることはありません。しかし、知人から相続などが原因で所有者が変更となった場合に、越境している部分について撤去を求められることや、境界が確定できないことにより、相続人が自宅を売却できなくなることもあると聞いてしまい、相続人が争いに巻き込まれるのではないか心配です。現時点でできる対策を教えてください。

 土地の境界が不明とのことですので、まずは土地家屋調査士に境界確定測量を依頼し、土地の境界をはっきりさせることが必要です。

 境界確定測量とは、測量をして面積を求めるのと同時に、隣接地の土地所有者が立ち合いを行い、境界を確定させることをいいます。隣接地は、民有地(民民査定)だけでなく、公道や水路、公園などの公有地(官民査定)を含みます。測量には現況測量といわれるものがありますが、現況測量は、所有者の指示した地点により測量を行うものであり、主に面積を測ることを目的としています。そのため、隣接地所有者の立ち合いを求めませんので、現況測量のみで境界を確定させることはできません。
 境界確定測量を行うことで、登記簿に記載されている面積との違いが分かります。また、隣接地との境界が確定しますので、越境関係についても把握することができます。
 塀や雨どいなどの一部が相手側に越境している場合は、隣接地所有者との間で越境に関する覚書を交わすことにより争いを防ぎます。

 越境に関する覚書は、境界についてお互いで確定し、越境している部分については現状のまま利用することは容認し、将来、現在の建物や構築物などの建て替えなどをするときに、境界をお互いに順守し、再建築、再構築を行うという内容になります。また、相続や譲渡などにより、所有者が変更となる場合も、覚書の内容をお互いに引き継ぐことを記載します。

 境界確定測量を行い、境界を確定させることと、越境部分が発覚した場合は、越境についての覚書を取り交わしておけば、相続人や譲受人も、確定した境界や覚書の内容を引き継ぐことになりますので、次世代の方が争いに巻き込まれることが避けられます。

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 生命保険の契約では、契約者の意向を十分に把握し、長期のスタンスで提案してくれる窓口を選ぶことが重要です。

 会社を経営している関係で取引銀行や証券会社からも生命保険を勧められることがあります。
 これまで生命保険は知り合いの代理店で契約していましたが、今回、銀行の担当者から相続対策として「銀行専用の商品で、生命保険代理店では取り扱っていない」という商品を提案されました。窓口によって商品や手数料に違いがあるのでしょうか?

 契約窓口によって取り扱っている商品に違いはありますが、値引き等は法で禁止されていますので、同じ保険商品で契約者の負担が異なることはありません。生命保険は長期にわたる契約ですので、中立的な立場の専門家から総合的なアドバイスをもらい、じっくり検討されるとよいでしょう。

 生命保険を契約する窓口と主な特徴は 次のとおりです。

    • 1.生命保険会社
       営業社員(ライフプランナーと呼ぶ会社も多い)
        自社商品のみ取り扱う

 

    • 2.生命保険代理店保険
       販売を専業とする専業代理店(プロ代理店)の他、損保代理店やコンサルティング業、その他税理士や社労士などの事業者が生命保険代理店業を営んでいる副業代理店がある。
       ①乗り合い代理店
        複数の保険会社の商品を取り扱う
       ②専属代理店
        1つの保険会社の商品のみ専属契約で取り扱う

 

    • 3.銀行・証券会社などの金融機関の窓口販売
       取り扱う保険会社、商品は銀行、証券会社等により異なる

 

  • 4.通販(広告、インターネット)
     通販商品として認可された商品に限定されている

     最近増えてきた来店型の保険ショップは2.①に該当します。

     3.で取り扱う商品の中には今回、銀行の営業の方がおっしゃるとおり、銀行等の金融機関専用として設定されているものが多くあります。

     生命保険会社によって商品の特徴や保険料に差がありますので、複数の会社の商品を比較することが大切ですが、1.の営業担当者から提案をうけ検討される場合、他社商品の情報を収集するには他の窓口に依頼することになります。2.①で複数の生命保険会社と代理店契約をしている場合でも、代理店によって取扱い保険会社が異なっていますので、どの生命保険会社と代理店契約をしているか、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。

     また、生命保険では、保険会社が契約時期や商品ごとにあらかじめ事務費などの事業費率を見込んで保険料を決めていますので、加入時に契約者が直接負担する手数料は発生しません。よって、窓口によって契約者の負担が異なることはありません。募集にあたって、特別な利益を提供すること、保険料の値引き等が法令で禁じられていますので、値引きで差が出ることもありません。

     生命保険は、長期にわたる契約ですので、加入窓口を決めるに際しては、
    ・契約者の意向を十分に把握し、長期のスタンスで多くの選択肢を前提に提案してもらっているか?
    ・後々、相談やメンテナンスなど、アフターフォローをしっかり行ってもらえるか? 不都合が生じないか?
    という点に重きをおいて、中立的な立場の専門家にアドバイスをもらいながら、じっくり検討されることをお勧めします。

 

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 今回は相談事例を通じて、相続登記と建物滅失登記についてご紹介します

 

 何年も前に亡くなった祖父名義の古い建物があります。誰も住んでいないので、取り壊したいと思っていますが、取り壊す前に、相続人である私への名義変更をする必要がありますか。
 私の父も、祖父亡き後に亡くなっており、父の兄弟姉妹の中にもすでに亡くなった人がいるため、可能なら、名義変更せずに取り壊したいと考えています。

 2つの問題があります。

  • ①建物の所有者は誰か
      (建物を取り壊す権限を持つのは誰か)
  • ②名義変更(所有権移転登記)が必要か
      (名義変更しないと、取り壊せないか?また、滅失登記ができないか?)

①について

 亡祖父の財産について遺産分割協議が整っていれば、その方に所有権があります。所有権がある方が、建物を取り壊す権限を持ちます。

 ご質問の場合、質問者様が建物を取得する内容の遺産分割協議がされていれば、質問者様が所有者となりますので、取り壊すことは問題ありません。

 遺産分割協議がされていない場合は、法定相続人が法定相続分にて建物を共有している状態になります。この場合、そのうちの一人が勝手に建物を取り壊すことはできません。他の相続人が建物を取り壊すことを了承し、または、質問者様が取得することの遺産分割協議が整えば、質問者様が取り壊すことができます。

②について

 所有者が明らかになったとして、現在の所有者への名義変更(所有権移転登記)が必要かどうかは、別の話になります。

 建物の取り壊しは解体業者に依頼されると思いますが、解体業者も所有者でない方からは依頼をもらえませんので、なんらかの確認はされると思います。登記がされていない(名義変更していない)場合は、遺産分割協議などで確認できればよいかと思いますが、念のため解体業者にご確認下さい。

 また、取り壊した後に建物の滅失登記をしますが、このとき、登記名義が祖父名義のままの場合でも、滅失登記は可能です。(滅失登記の際には、戸籍等を添付して、申請人が名義人の相続人であることを証明することで足ります。)

 なお、被相続人の居住の用に供していた家屋及びその敷地に対し、空き家の譲渡所得税特別控除の適用をお考えの場合には、取り壊す家屋の登記名義の変更の要否について、弊事務所までお問い合わせ下さい。

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 相続の放棄があった場合でも、その放棄がなかったものとして相続税額を計算します。

 私には長男、長女、次女、三女の4人の子がいます。夫は15年前に亡くなりました。夫の相続の際には、跡継ぎである長男がほとんどの財産を相続しました。その長男が、先日亡くなりました。長男は独身で子供もおりません。私が相続人になるということですが、私も年老いていますので、今更財産を相続するのも、と思っております。私が相続を放棄すると、他の子供たちが相続することになると聞きました。子供たちが相続した場合、相続税はどうなりますか?(長男の財産は1億3,600万円です。)

 お母様が相続を放棄しなかったものとして、相続税を計算します。

 被相続人の財産を相続する方には、優先順位があります。まず優先的に相続できるのは、配偶者と子供(子供が先に亡くなっている場合には孫)です。子供や孫がいない場合には、配偶者と両親や祖父母、子供(孫)も両親(祖父母)もいない場合には、配偶者と兄弟姉妹が相続することとなります。
 両親はいるけれど、「相続放棄する。」と言う場合には、相続人は次の順位に繰り越され、被相続人の財産は兄弟姉妹が相続することとなります。
 つまりご質問の場合には、長男の財産は長女、次女、三女の3人が相続することとなります。
 
 これら相続に関するルールは、「民法」という法律に定められています。財産を相続する手続きは民法に従って行われますが、それにより発生する相続税は「相続税法」という別の法律に基づいて計算し、納税します。
 相続税法は「課税」を目的とした法律ですので、人によって課税が不公平になることのないように、同じ相続に関するルールでも一部、民法とは異なる特別なルールが設けられています。
 例えば、ご質問のようにお母さまが相続を放棄したために、相続人が次の順位の方(兄弟姉妹)に移行した場合にもこの特別ルールが適用されます。

 

 これら法定相続人の数や法定相続分は、相続税の計算過程において、基礎控除や生命保険の非課税金額、相続税の総額の計算などで使用します。

 ご質問の場合で、お母様が放棄した場合の相続税について確認してみましょう。

(*)相続税額の加算額
 配偶者、および一親等の血族、すなわち子(代襲相続人となった孫を含み、代襲相続人となっていない孫養子を除く。)および直系尊属(父母)以外の方が相続等した場合には、その人の相続税額が20%加算されます。
 ご質問の例ではお母様の相続放棄後の相続人全員が加算対象者ですので、相続税の総額全額に20%が加算されます。
 お母様が放棄せず相続した場合には、加算されません。

 民法上の相続人は3人ですが、相続税の計算上は1人。民法上の法定相続分は各人1/3ですが、相続税の総額を計算する上で用いる法定相続分は1/1となります。

<まとめ>

  • 相続税法上は、相続放棄をした人がいても放棄をしなかったものとして、法定相続人の数、法定相続分を計算します。
  • 民法上の法定相続人の人数と、相続税法上の法定相続人の人数は必ずしも一致しません。
  • 相続税法における特別なルールは、税金を計算する際のみに適用されるルールです。

<参考条文> 相続税法第15条、第16条

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 平成29年の相続税路線価の動向について紹介します。

 先日、平成29年の「路線価」が公表されたというニュースをみました。今年の結果の特徴を教えてください。

 全国の標準宅地の評価基準額の平均変動率は前年比0.4%のプラスとなり、都道府県別では、東京の一極集中が目立ち、日本社会の縮図が浮き彫りとなりました。以下、詳細解説にてご確認ください。

 「路線価」には、相続税路線価と固定資産路線価がありますが、一般にいう「路線価」は相続税路線価を指し、相続税や贈与税の算定の基準となるもので、国税庁が公表します。3月に国土交通省が発表した地価公示と同様、毎年1月1日時点における1平方メートルあたりの土地価格を示したもので、地価公示価格等を基として算定した価格の概ね80%を目安として評価されています。平成29年分の路線価は、平成29年1月1日から12月31日までに発生した相続・贈与に関わる相続税・贈与税の申告に利用されることになります。

 今回の路線価の概況をみてみましょう。全国の標準宅地の評価基準額の平均変動率は前年比0.4%のプラスとなりました。リーマンショック以降8年ぶりに0.2%の上昇となった前年に続き2年連続の上昇となり上昇幅が拡大しました。前年を上回ったのは東京都、大阪府、愛知県など13都道府県であり、昨年の14都府県から減少しました。一方、前年より下落した県は秋田県、愛媛県、三重県など32県であり、昨年の33県から減少しました。

 都道府県庁所在地の最高路線価をみると、27都市(昨年は25都市)が上昇しました。うち東京や横浜、大阪のほか、京都、神戸、札幌、仙台、広島、福岡、金沢の10都市の上昇率が10%超となりました。地点別の最高路線価地は、東京・銀座の文具店「鳩居堂」前が1平方メートルあたり4,032万円で、32年連続日本一となるとともに対前年比+26.0%と上昇率もトップとなりました。この価格はリーマンショック前の水準はもとより、バブル期(1992年に記録した過去最高額3,650万円)をも上回る水準です。東京・銀座に続く第2位は大阪・梅田の1,176万円(前年比+15.7%)、3位は横浜駅西口の904万円(同+15.7%)と続いていますが、大阪・梅田でも東京・銀座の3割弱の水準に留まっており、東京・銀座の突出ぶりが際立つ結果となっています。

 上記とは反対に、最高路線価が最も低かった都道府県庁所在地は鳥取の11万円であり、秋田の12万円が続いています。但し、鳥取は対前年比がプラスマイナス0%(昨年は-4.3%)と下げ止まったのに対し、秋田は対前年比-4.0%(昨年は-3.8%)と下落傾向が続いており、この傾向が続けば、秋田が鳥取を下回る可能性もありそうです。

 なお、東京・銀座の路線価は鳥取の路線価の約367倍ということになり、東京一極集中や、少子高齢化及び人口減に悩む地方といった日本社会の縮図が路線価を通して浮き彫りになっているともいえます。

 路線価については、下記の路線価図等閲覧のページで確認できます。

 平成29年分路線価図等閲覧
  http://www.rosenka.nta.go.jp/
 国税庁の発表資料(都道府県庁所在都市の最高路線価についても掲載)
  https://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2017/rosenka/rosenka.pdf

 

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 会社が契約者となり生命保険に加入し、遺族に退職金を支払うことで遺族の相続税納税資金を確保できます。

 私は、現在60歳で会社を経営しており、代表取締役です。先日、取引金融機関の勧めで相続税のシミュレーションをしました。結果は、会社の土地建物、自社株が保有資産の割合で多くを占めていました。その影響から、相続税額は、現在保有している預貯金額を上回っていました。今後の会社の業績見通しは良く、自社株の評価額が上昇していくと、さらに相続税額が高くなるため、納税資金を確保する必要があるとアドバイス頂きました。
 そして、会社が契約者・受取人、被保険者は私となる契約で生命保険に加入し、相続発生時には、会社に支払われる死亡保険金を死亡退職金の原資として家族へ支払い、納税資金を確保するという提案を頂きました。
 金融機関からの提案内容について改めて教えてください。
 また、死亡退職金に相続税法上の非課税枠があると伺いましたが、どのような内容でしょうか?
 私には法定相続人が3名います。

 今回のご提案内容は、会社で保険契約を締結することが前提となっています。会社が契約者となり生命保険に加入し、遺族に退職金を支払うことで遺族の相続税納税資金を確保できます。

 国税庁のタックスアンサーには、非課税となる退職手当金等として、以下の記載があります。


 相続人が受け取った退職手当金等はその全額が相続税の対象となるわけではありません。
 全ての相続人(相続を放棄した人や相続権を失った人は含まれません。)が取得した退職手当金等を合計した額が、非課税限度額以下のときは課税されません。

 非課税限度額は次の式により計算した額です。

 500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額

 なお、相続人以外の人が取得した退職手当金等には、非課税の適用はありません。

  1. (注)
  2. 法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます。
  3. 法定相続人の中に養子がいる場合の法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいるときは1人、実子がいないときは2人までとなります。

 法定相続人の数に含める養子の数の制限については、相続人の中に養子がいるときを参照してください。


 よって、法定相続人3名の場合は、死亡退職金の非課税限度額は、500万円×3名=1,500万円となります。

 ご提案内容は、会社で保険契約を締結することが前提となっています。
 会社が契約者・受取人となる契約に加入すると、保険金の受取りは会社となりますので、保険会社から直接ご遺族に保険金が支払われるわけではありません。
 ただし、保険金を受け取った会社が、これを死亡退職金の原資として、ご遺族へ支払うことはできます。そのため、ご遺族(相続人)は、死亡退職金を受取り、相続税の納税資金を確保することができます。
 また、会社が契約者・保険金受取人となって生命保険に加入する場合、保険種類によって、会社は保険料の全額または一部を法人税額の計算上損金に算入することができます。損金算入できると、会社は保険料を支払った年の利益を圧縮して、課税を繰り延べることもできます。
 ただし、相続対策は長期間になることも予想されますので、保険期間は終身もしくは長期になる契約をお勧めします。

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 今回は相談事例を通じて、父と祖父が共有している土地の相続についてご紹介します。

 

 私の父が亡くなり財産を調査したところ、父と祖父(父の父。前年以前にすでに死亡)と共有で所有している土地が発見されました。祖父には、複数の子供がいました。私を含む父の相続人、祖父の相続人全員の総意として「土地の名義をきれいにしたいので、土地の所有者を私にすべて統一したい」との考えがありますが、どのような手続きをとればよろしいのでしょうか。

 ご質問の件につきまして、土地の名義をご相談者様にする場合、お祖父様(以下「被相続人の父」といいます。)の土地の持分をお父様(以下「被相続人」といいます。)が取得し、その後、被相続人の土地の従前からの持分と合わせた土地の所有権をご相談者様が相続するという流れになります。

 この流れに必要な具体的な手続きは、ご質問を踏まえた事実関係に基づき、下記を前提とした場合、以下(1)~(3)となります。

<前提>
 ・被相続人と被相続人の父の2名共有の土地(以下「本件土地」といいます。)
 ・被相続人より前に被相続人の父が死亡
 ・被相続人の父の相続人は子(被相続人を含む)で被相続人以外の子は存命
 ・被相続人の父の配偶者は被相続人の父より前に死亡
 ・被相続人の相続人が複数名いる
 ・被相続人、被相続人の父の共有する本件土地について、共に遺言もなく遺産分割協議も現在までなされていない

<手続>
(1)被相続人の父の本件土地の持分について、被相続人の父の相続人全員により、本件土地持分を被相続人の所有とする遺産分割協議を行う。
(2)(1)の遺産分割協議により被相続人が取得した被相続人の父の持分と、被相続人が 従前から所有していた持分(つまり本件土地の所有権)について被相続人の相続人全員によりご相談者様を所有者とする遺産分割協議を行う。
(3)本件土地について(1)、(2)の遺産分割協議に基づき、ご相談者様を所有者とする相続登記をする。

 なお、前提が異なる場合は上記と異なる手続きになる場合があります。

 また、具体的な登記の手続きや登記必要書類は、実際の相続関係により異なりますので、具体的には司法書士までお問い合わせすることをお薦めいたします。

 

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