お知らせ

 SNS経由を含めた国内外のネット通販の浸透と
 低価格衣料品の普及によって、大きく勢力図が変わったアパレル業界。
 これまで、百貨店やファッションビルを主戦場として展開してきた
 大手アパレルメーカーは苦境に立たされています。

 そんな中、アパレルメーカーのワールドとTSIホールディングスが経営統合し、
 新会社を設立すると発表されました。
 両社は、このような変化に対応しようと、経営改革を進めてきましたが、
 独自性よりも規模の利益を優先することを選んだ様です。

 起業したなら誰しも憧れる株式公開(上場)という目標、
 実際は、目標ではなく出発点であるといえます。
 不調にあえいでいるアパレルメーカーの中には、
 その道を歩んできた会社が多くありますが、現在岐路に立たされています。

 公開後コンスタントに売上を伸ばし、利益を出し続けるというのは、
 本当に大変で「才能と努力」無しには、決して叶えることはできません。
 運良く「株式公開」という切符を手に入れても、経営者に技量がなければ、
 あたり構わずM&Aを行い、売上のかさ上げ、利益の水増しに、
 明け暮れることになってしまいます。

 順調に業績を伸ばし10年20年と舵取りを続けている、
 経営者の過去を振り返ってみると、見習う点がたくさんあります。
 目先のことばかりに気をとられて、業績が芳しくないと感じたら、
 土台となる方針に狂いがないかじっくり考えてみては如何でしょうか。

 日用雑貨を扱う小さな会社で二人の青年が出会い花開いたビジネスの芽。
 その名前は、木口 衛と畑崎廣敏。
 見事な二人三脚でニットの卸売りからはじめ、
 国内有数のアパレルメーカーとして成長させたのでした。
 
 全く性格の違う二人は、周りから見れば「水と油」
 決して交わることが無いと思われていただけに、
 日を経たずして、「喧嘩別れ」して店じまいすると噂されていました。
 そんなことはお構いなしに、二人はお互いに足りない部分を補うことで
 車の両輪の如く、事業を切り盛りしていったのです。

 社名は「ワールド」、衣料品から雑貨、靴に至るまで、
 ファッションを総合的に展開している会社です。
 また、宣伝でも社名を前面に出さず、それぞれのブランド名で展開していて、
 この方法は創業当初からのことで、この戦略がワールドの成長を支えています。

 ある事業が順調に行っているときの、「長所」となることが、
 その事業が上手く回らなくなると、途端に「短所」に変化してしまうので、
 注意が必要です。
 会社の「長所」と「短所」は、絶えず表裏の関係であるといえます。
 それゆえ、経営者は絶えず、ビジネスの潮目を感じ取り、
 事業の転換を図るタイミングを見極めなければなりません。

 ワールドの創業者の関係は、まさしく二人の両目が前後を見据えて、
 互いの欠点をカバーし合って、
 進む方向を見誤らないようにしてきた結果といえるでしょう。
 このように、恵まれた相棒にめぐり合うことは、
 望んでも叶わないことですが、
 順調な時こそ、自分自身に「長所」と「短所」の関係を肝に銘じ、
 暴走を防ぐことが、安定的な経営への一歩だと言えます。

死後事務と墓じまい

今回は相談事例を通じて、死後事務委任契約といわゆる墓じまいについて、ご紹介します。

Q
今月のご相談

 私は未婚で子供もおらず、母を2年前に亡くし、いわゆる「おひとりさま」になりました。兄弟姉妹もおりませんので、自分の死後の手続きを誰が担ってくれるのか不安です。

 また、代々埋葬・納骨してきたお墓をどうしたらよいのか悩んでいます。現在は私が管理しているのでよいのですが、私の死後、お墓の管理をする人がいなくなりお寺さんに迷惑がかかってしまうと思うので、いずれは墓じまいをしなければと考えています。ただ、今すぐに墓じまいをするのは気が引けてしまいます。何かよい方法はありますか。

A-1
ワンポイントアドバイス

 ご自身の死後の手続きについて、頼れる親族がいなかったり、親族を頼ることが憚られたりする方は「死後事務委任契約」の活用を検討されることをお勧めします。
 また、死後事務委任契約では、受任者が墓じまいの対応をすることも可能です。

A-2
詳細解説

 死後事務委任契約は、ご相談者様のような状況にある方が、お元気な今のうちに、自身の死後に発生する関係者への連絡、本人の遺体の引き取り、葬儀・供養、病院・介護施設利用料等の未払費用の精算等の事務の遂行を、第三者(例えば専門家)に任せるための契約です。死後事務委任契約を締結することで、ご相談者様の1つ目のご不安は、解消されるのではないでしょうか。

 また、死後事務委任契約のお話を進める中でよくある問題が、お墓についてです。家族の在り方が多様化している現代では、以前のようにお墓を当たり前に承継していくことが難しい時代となりました。そこで考えなければならないのが「墓じまい」についてです。

 死後事務委任契約を結ぶ場合は、まず大前提として、ご自身がどうしたいかを大切にしてください。大切な場所(お墓)ですから、自分が生きているうちに墓じまいはしたくない、自分もそこに埋葬してほしいというお気持ちがあるのであれば、そのお気持ちを反映した委任内容にすることができます。

 ただし、お寺や墓地には独自のルールや規則がある場合が多く、委任者と受任者とお墓の管理者等で相談・検討が必要になりますのでご注意ください。

 お墓は代々受け継がれてきた大切なものです。どうするのが正解というものではありませんので、まずはご自身のご希望を考え、それに合う手段・方法を検討していただくとよいでしょう。

 死後事務委任契約業務をしている専門家にご相談いただければ、過去の事例からお話をしたり、別の手段・方法をご提案したりできる可能性もございますので、お悩みの方は一度ご相談いただくとよいでしょう。

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相続放棄をすると相続税は安くなる?

私が相続を放棄すると子どもたちが相続人になるのですが、その方が相続税が少なく計算されますか?

Q
今月のご相談

 私には長男、長女、次女、三女の4人の子どもがいます。
 夫は15年前に亡くなり、その際は、跡継ぎである長男が大半の財産を相続しました。
 その長男が先日亡くなりました。長男は独身で子どももいないため、私が相続人になると聞いています。しかし、私も高齢になっており、今さら財産を相続する必要はないのではないかと考えています。
 相続人が多いほど相続税は少なくなると聞いたことがあります。私が相続を放棄して、長女・次女・三女の3人が相続した方が、相続税は安くなるのでしょうか。
 なお、長男の財産は約1億3,600万円です。

A-1
ワンポイントアドバイス

 相続を放棄した場合、その放棄がなかったものとして相続税を計算します。したがって、ご相談のお母様が相続を放棄することで相続人が増えても、それを理由に相続税が安くなることはありません。

A-2
詳細解説
1.相続放棄をすると誰が相続人になる?

 相続人には、民法で定められた順位があります。

  1. ①子ども
  2. ②父母などの直系尊属
  3. ③兄弟姉妹

 今回のケースでは、長男に配偶者も子どももおらず、父親も亡くなっています。そのため、お母様が相続人となります。

 そのお母様が相続を放棄(以下、相続放棄)した場合には、次の順位である長女・次女・三女が相続人となります。

 なお、相続放棄をする場合は、原則として相続の開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。

2.相続税の計算では、相続放棄がなかったものとして扱う

 相続税には、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算する「基礎控除」があります。

 一般的には法定相続人が多いほど基礎控除額が増え、課税される財産が少なくなります。

 しかし、相続税の計算では、相続放棄があっても、その相続放棄がなかったものとして法定相続人の数を判定します。そのため、実際の相続人が3人になっても、相続税の計算上の法定相続人は「お母様1人」のままです。

 したがって、相続放棄をしても基礎控除額は増えず、相続税が安くなるわけではありません。

 また、今回のケースでは、お母様が相続放棄をすると、ご長男の兄弟姉妹である長女・次女・三女が相続人となります。

 兄弟姉妹が相続した場合には相続税額が2割加算されてしまうため、相続放棄をしない場合に比べて、相続税の負担は大きくなります。

 相続放棄には期限もあるため、相続税や財産・債務の内容を確認したうえで慎重に判断することが大切です。不安な場合は、相続開始後できるだけ早い段階で専門家へ相談しましょう。

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 スーパーやショッピングセンターの一角に売り場を構え、
 日常的な買い物はすべて済むのではないかと思える充実ぶりの100円ショップ。
 便利グッズや、ワンランク上の使い方がSNS等で紹介されることも、
 そんなことも影響してか、外国人観光客の旅の思い出のスポットとなっています。

 バブル崩壊後のデフレの波に乗り急成長してきましたが、
 当時は、ショッピングセンターのテナントスペースの穴埋めや、
 スーパー内の売場縮小による空きスペースのピンチヒッター役として、
 テナント側にとっても無くてはならない存在でした。

 そんな100円ショップの代表格、ダイソーの創業者 矢野 博丈氏は、
 現金仕入による、廉価販売からスタートして、
 現在の会社の基礎を作り上げたのです。

 最初に始めた事業に失敗して、その後セールスマン、古紙回収など、
 仕事を転々とした後、雑貨の移動販売、いわゆる「バッタ屋」を始めます。

 スーパーの店頭や催事場、公民館などを1週間ごとトラックで回り、
 倒産した会社や資金繰りの苦しくなった会社から買い取った商品を、
 ディスカウント価格で売りさばいていく商売です。
 現金仕入であるため、商品は安く仕入れるのですが、
 品出しから、陳列、精算まで、全て一人でこなさなくてはならないのでした。

 その後、均一価格で商品を販売する商売をはじめ、
 事業の規模を大きくしていきます。
 しかし、「催事場が汚くなる」という理由から、
 主な納入先であった大手スーパーから取引を断られることになります。

 どうしたらいいかと、思いあぐねた末に考え付いたのが、
 スーパーに出入りするお客に来てもらえる場所に、
 催事場の代わりとなる店舗を作ることだったのです。
 これが今日の100円ショップの始まりとなりました。

 いわゆる「バッタ屋」の特徴は、現金支払いをすることで、
 安く品物を仕入れることです。
 どうして現金支払いであると安く仕入れられるのでしょう。

 経営に行き詰った会社や経営が上手く行っていない会社は、
 今日、明日のお金を必要としています。
 たとえ、その売値が商品の仕入れた価格の何分の一になろうとも、
 とりあえずのお金が欲しいのです。

 売れ行き不振の商品や大量の返品を受けた商品は、
 その商品を次に買ってくれる会社を探すことはとても難しくなります。
 返品無しで買ってくれる会社があれば、「廃棄するより、マシ」とばかりに、
 価格のことは、二の次で売ってしまいたくなるのです。

 このように、商売が上手く行っていないところがあるからこそ、
 現金仕入というメリットが生きてきます。
 そこには、掛であれば、仕入れてから1ヶ月以上遅く支払えばいいはずの
 仕入代金を、仕入と同時に現金で支払っても有り余るほどの、
 儲けが隠されているのです。

未登記の実家でも使える? 空き家売却の3,000万円特別控除

相続した空き家を売却したとき、「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」によって税負担を軽減できる場合があります。今回は、未登記建物でも特例を受けられるのか、そのポイントを解説します。

Q
今月のご相談

 母が亡くなり、築50年以上になる実家を相続しました。私はすでに持ち家に住んでいるため、今後その家を利用する予定はなく、売却を考えています。
 ただ、実家は建物の登記がされていない未登記建物です。老朽化も進んでいるため、建物を解体して更地にしたうえで売却したいと思っています。
 相続した空き家を売却した際に利用できる3,000万円特別控除があると聞きましたが、未登記建物でも適用を受けることはできるのでしょうか。また、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

A-1
ワンポイントアドバイス

 空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除は、未登記建物であっても適用を受けられる可能性があります。建物の登記の有無は特例の要件には含まれていません。
 ただし、昭和56年5月31日以前に建築された家屋であることなど、特例の適用要件を満たす必要があります。未登記建物の場合は、建築時期を確認できる資料を準備しておくことが重要です。

A-2
詳細解説
1.空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除とは

 「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」は、相続した被相続人の自宅を売却した際、一定の要件を満たすことで譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。相続後の空き家の流通促進を目的として設けられています。

 主な適用要件は次のとおりです。

  • 被相続人が一人で居住していた家屋およびその敷地であること。
  • 相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。
  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること。
  • 現行制度の適用期限である令和9年12月31日までに売却すること。
2.未登記建物でも特例が使える可能性がある

 今回のケースで最も気になるのは、「未登記建物でも特例を受けられるのか」という点でしょう。
 結論からいえば、未登記建物であることだけを理由に特例の対象外になるわけではありません。特例の要件に建物の登記の有無は含まれておらず、その他の適用要件を満たしていれば、特例を受けられる可能性があります。
 ただし、未登記建物の場合は登記簿で建築時期を確認できないため、別の資料によって要件を満たしていることを確認する必要があります。

3.未登記建物で確認しておきたい資料

 この特例では、昭和56年5月31日以前に建築された家屋であることが要件の一つとなっています。未登記建物がこの要件を満たしているかを確認する資料として、次のようなものが挙げられます。

  • 確認済証・検査済証
  • 建築請負契約書
  • 固定資産税課税明細書

 確認済証や検査済証、建築請負契約書は、手元に保管されている場合に建築時期を確認する資料として活用できます。また、固定資産税課税明細書は、毎年送付される「固定資産税・都市計画税納税通知書」に同封されており、建築年などの記載があれば確認資料として活用できる場合があります。

4.特例を受けるための手続き

 特例の適用を受けるためには、確定申告書に一定の書類を添付する必要があります。中でも、「被相続人居住用家屋等確認書」は実家所在地の自治体から交付を受ける必要があるため、実家の売却を検討している場合は、余裕を持って準備しておくことが大切です。

 また、今回のケースでは建物を解体して更地での売却を予定しているとのことですが、この特例は一定の要件のもと、耐震改修を行った建物をそのまま売却する場合にも適用できる可能性があります。売却方法によって税負担や諸費用が異なるため、専門家と相談しながら最終的な手取り額をシミュレーションし、ご自身にとって最適な売却方法を検討しましょう。

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相続で契約者変更をした生命保険の税金

相続により生命保険の契約者を変更した場合、相続税と将来受け取る満期保険金の所得税はどうなるのでしょうか?

Q
今月のご相談

 亡くなった父の相続手続きにあたり書類を整理していたところ、養老保険(契約者=父、被保険者=私)を見つけました。2年後に満期保険金(500万円)が支払われる契約で、保険料は全期前納により父が負担していました。
 保険会社に確認したところ、契約者を父から私へ変更して引き継ぐ手続きが可能とのことで、契約者変更を行いました。この生命保険は父の相続においてどのように扱われるのでしょうか。
 また、私が満期保険金を受け取る際の税金はどうなるのでしょうか。

【契約内容】
  • 保険種類:養老保険
  • 保険金額(死亡・満期):500万円
  • 保険期間:10年(残2年)
  • 保険料払込:全期前納(全額父負担)
  • 契約者:父(引き継ぎ後:私)
  • 被保険者:私
  • 死亡保険金受取人:父(引き継ぎ後:私の配偶者)
  • 満期保険金受取人:父(引き継ぎ後:私)
A-1
ワンポイントアドバイス

 相続開始時点で保険事故(被保険者の死亡)が起きていない場合、当該生命保険は「生命保険契約に関する権利」として相続税の対象になります。また、相談者様が受け取ることとなる満期保険金は、所得税(一時所得)の対象となります。

A-2
詳細解説
1.契約者と被保険者が異なる契約で、契約者が先に死亡した場合

 契約者と被保険者が異なる生命保険において、保険期間中に契約者が死亡した場合、契約者変更を行い、新しい契約者が権利を引き継ぎます。

 今回も、お父様が亡くなった後に相談者様へ契約者変更されているため、相談者様が契約上の権利を引き継いだものとして扱われ、相続税が課されます。

2.引き継いだ生命保険は何として評価される?

 今回のポイントは「保険事故が起きていない」という点です。そのため、相続時点では「死亡保険金」を受け取るのではなく、「生命保険契約に関する権利」として評価されることになります。

(1)評価の考え方

 相続税の評価額は、原則として、契約者が亡くなった時点の解約返戻金の額となります。

(2)加算・控除が入るケース

  • 全期前納で未経過保険料がある場合:解約返戻金に未経過保険料が加算されます
  • 配当金がある場合:配当金も評価額に含められます
  • 源泉徴収されるべき所得税相当額がある場合:その金額は控除されます

(3)死亡保険金の非課税枠は使える?

 死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)は、被相続人の死亡を保険事故として支払われる死亡保険金(みなし相続財産)に対して適用されます。今回のケースはこれに該当せず本来の財産となるため、死亡保険金の非課税枠は適用できません。

3.満期保険金を受け取る際の税金

 将来において相談者様が受け取る満期保険金は、契約者と満期保険金受取人が同一となるため、所得税(一時所得)の対象になります。

 また一時所得の計算においては、相続で引き継いだ保険であっても、引き継いだ契約者が当初から保険料を負担したものとして扱われます。

4.申告漏れに注意

 契約者が先に亡くなり、保険事故が起きていない段階では、相続税の申告漏れが生ずることがあります。そのため、税務署が情報を把握できる仕組みとして、一定の死亡による契約者変更について、保険会社から税務署へ支払調書を提出することとなっています。

 ご遺族としては、契約者変更や相続時の申告要否などを見落とさないことが重要です。

 相続に関してお悩みの場合は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

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 素人考えながら…
 ピアノを演奏するだけなら、ある程度の技術を持った奏者は、
 鍵盤を見なくても演奏を出来るように思います。
 実際、プロが演奏している姿を見ても、
 ノッテいる時は、目を瞑り、斜め上の方向に頭を向けています。

 でも、練習の時は違いますね、
 初めての曲を覚えるには、音符や演奏方法を記録するものが無いと困ります。
 クラシックのピアノ曲のように、
 音符が楽譜一面に書かれているようなものを見ると、
 どうやって覚えるのかと、心配になります。

 ポップスの世界では、レイ・チャールズやスティービー・ワンダーが、
 黒人、盲目というハンディを乗り越えて、
 胸を打つ素晴らしい曲を提供してくれます。
 当然ながら、楽譜は読めないだろうし、
 音符のような記号を覚えようともしてないと思うのです。

 ハモンド・オルガンをジャズに取り入れた第一人者、
 ジミー・スミスも楽譜は読めなかったそうです。
 高度な技術を要するアドリブを習得するには、
 楽譜が無いと困るだろうと思うのですが。
 卓越した音感で、微妙な調性を読み取り、
 独自の演奏方法まで編み出したのです。

 ハモンド・オルガンは、もともと前線の軍隊での礼拝用に
 パイプ・オルガンの代わりに作られたのが始まりだったのですが、
 アメリカでは高価なパイプ・オルガンの代わりとして
 教会に広まっていきました。

 当時、壮大、荘厳な音のパイプ・オルガンは、
 日本での製作は不可能とされていました。
 山葉寅楠氏は、リード・オルガンの修理を依頼されたことが
 きっかけとなりオルガンの試作研究を始めます。
 
 現在のように豊富な情報の無い時代にもかかわらず、
 その後もピアノをはじめ数々の楽器製造に取り組み、
 その追求心は後に日本最初のパイプ・オルガンを
 生み出すことになるのです。
 この山葉氏が設立した「山葉風琴製造所」が「ヤマハ」の出発点となります。

 当時、輸入楽器は高価で一般家庭には手が出せなかったため、
 国内には競争相手がなく、輸入業者は「ぬるま湯経営」となっていました。
 その隙を狙い、「ヤマハ」はハーモニカ、木琴などの製造にも乗り出し、
 事業をどんどん拡大していったのです。

 慣れというのは怖いものです。
 学校に限らず社員教育の現場でも、即効性を重視して、
 合理的に考えつくされたツールやマニュアルが幅を利かせています。
 いつの間にか、そんな事にも慣れてしまって
 私たちは違和感を無くなしているようです。

 でも、時にはそういったものを白紙にして、
 素朴に、人間の感性を生かす様にしてみるのは如何ですか。
 近頃、ビジネスの現場に見られる煮詰まり感が打開されて、
 (自社にとって…)奇跡が生まれるかも知れません。

自筆証書遺言書保管制度

今回は相談事例を通じて、自筆証書遺言書保管制度について、ご紹介します。

Q
今月のご相談

 自身の相続を考え、自分で遺言書を書いてみましたが、紛失や内容の改ざんが心配になりました。自分で書いた遺言書を法務局で保管できる制度があると聞いたのですが、どのような制度でしょうか。

A-1
ワンポイントアドバイス

 ご相談の制度は「自筆証書遺言書保管制度」です。遺言書の紛失や改ざん等を防げるほか、相続開始後の検認手続きが不要になることが大きな特徴です。この制度を利用するには申請が必要となります。詳しい手続きの流れは詳細解説をご確認ください。

A-2
詳細解説
1.自筆証書遺言書保管制度とは

 自筆証書遺言書保管制度とは、自分で作成した遺言書(以下、自筆証書遺言に係る遺言書を指す)を法務局に保管できる制度です。この制度の主なメリット、注意点は次のとおりです。

【メリット】

  • 遺言書は、原本に加え、画像データとしても長期間適正に管理されます。(原本:遺言者死亡後50年間、画像データ:同150年間)
  • そのため、遺言書の紛失・亡失のおそれがなく、相続人等の利害関係者による遺言書の破棄、隠匿、改ざん等を防ぐことができます。
  • 保管申請の際に法務局で遺言書の形式面のチェックを受けられるので、形式不備によって遺言書が無効になることを未然に防ぐことができます。
  • この制度を利用すると検認手続きが不要となり、相続手続きがスムーズに進みます。
  • 公正証書遺言の作成に比べて費用が安いです。

【注意点】

  • 形式面のチェックは、保管申請の際に遺言が有効なのかを保証するものではありません。
  • 遺言の内容に関する相談や助言は受けられません。
  • 相続開始後、相続人の方が遺言の内容を確認する場合には、遺言者の出生から死亡までの戸籍謄本や相続人全員の戸籍謄本、住民票の写しが必要です。
2.保管申請の流れ

 この制度を利用するには、遺言書の保管申請が必要です。
 遺言書の作成から保管申請までの一連の流れは次のとおりです。

(1)自分で遺言書を作成する

 遺言書は民法で定められた要件と、この制度で求められる様式の両方を満たす必要があります。

【民法上の要件】

 遺言書の全文、遺言の作成日付及び遺言者氏名を、必ず遺言者が自書し、押印します。
 遺言の作成日付は、日付が特定できるよう正確に記載します。
 また、本制度においては、以下の様式のルールを守る必要があります。

  1. ① A4サイズ、模様、彩色等がないもの
  2. ② 上部5mm、下部10mm、左20mm、右5mmの余白を確保する
  3. ③ 片面のみの記載
  4. ④ ページ番号を余白内に記載する(総ページ数も分かるように)
  5. ⑤ ホチキス等で綴じず、すべてのページをバラバラのまま提出する

(2)遺言書保管所を決める

 全国どこでも受け付けてもらえるのではなく、

  1. ① 自分の住所地
  2. ② 自分の本籍地
  3. ③ 自分の所有する不動産の所在地

のいずれかを管轄する法務局内の遺言書保管所に保管の申請をすることができます。

(3)遺言書の保管申請書を作成する

 申請書は法務省のホームページからダウンロードすることができます。

(4)遺言書保管所(法務局)の予約を取る

 予約は専用のウェブサイト、電話、または窓口で行います。

(5)法務局に出向き、保管の申請をする

 遺言者ご本人が法務局に出向く必要があります。申請には以下の書類が必要です。

  1. ① 遺言書
  2. ② 保管申請書
  3. ③ 住民票の写し等
  4. ④ 顔写真付きの身分証明書
  5. ⑤ 手数料

(6)保管証を受け取る

 保管証には、遺言者の氏名、生年月日、保管した遺言書保管所の名称及び保管した遺言書を特定するための保管番号が記載されます。保管番号は、遺言書の閲覧や保管の撤回等を行う際に使用します。なお、保管証は再発行することはできません。

 なお、パソコンやスマートフォンで作成した遺言書を法務局に保管できる「保管証書遺言(デジタル遺言)」制度の法改正が2026年6月17日に可決・成立しました。実際の運用開始は、公布日から3年以内とされており、2029年6月までに開始される予定です。こちらの制度も自筆証書遺言書保管制度と同じように相続発生後の検認手続きも不要となることが予定されています。どのような形であれ、ご自身の遺志を伝える最後の手段として遺言書は重要です。

 遺言書について関心がある方、内容等について不明点やご不安がある場合は、弁護士・司法書士・行政書士などの専門家にご相談されることをおすすめします。

[参考]
 法務省HP「自筆証書遺言書保管制度」

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空き地は貸した方が相続税対策になる?

利用していない土地の活用を検討する際、相続税対策を期待する方も少なくありません。土地の貸付けによって評価額が下がる場合もありますが、節税効果だけで判断するのは注意が必要です。

Q
今月のご相談

 土地は、空き地のまま持っているよりも、貸し付けた方が相続税が安くなると聞きました。
 私は先祖代々の土地を受け継いでいますが、一部に利用していない空き地があります。
 相続税対策になるのであれば土地活用も検討したいのですが、本当に貸し付けた方が有利なのでしょうか。

A-1
ワンポイントアドバイス

 土地を貸し付けると、借主の権利による利用制限が評価額に反映されるため、空き地のまま所有するより相続税評価額が低くなることがあります。ただし、節税効果だけで判断せず、収益性や管理負担も含めて検討することが大切です。

A-2
詳細解説
1.貸している土地はなぜ相続税が安くなるのか

 相続税では、土地は自由に利用できることを前提に評価されます。

 ところが、土地を他人に貸している場合は、借主の権利があるため所有者であっても自由に使うことができません。そのため、土地の利用形態によっては、借主の権利による利用制限が評価額に反映され、空き地や更地として所有している土地よりも評価額が低くなることがあります。

 例えば、アパートやマンションを建築して賃貸している場合、その敷地は「貸家建付地」として評価され、一定の評価減が認められます。その結果、更地のまま所有している場合に比べて相続税評価額を抑えられることがあります。

 ただし、土地の利用方法によって評価への影響は異なるため、土地を貸しているからといって必ず大きな節税効果が得られるとは限りません。

2.駆け込みの土地活用には注意

 こうした評価減の仕組みを利用した相続税対策も広く行われてきました。しかし、行き過ぎた節税策も見られたことから、近年は不動産の相続税評価に関する制度の見直しが進められています。

 直近では、令和8年度税制改正により、貸付用不動産を活用した相続税対策について見直しが行われており、駆け込み的な対策は行いにくくなっています。

3.土地活用は相続税だけで判断しない

 相続税評価額が下がるからといって、すべての空き地を貸し出すべきとは限りません。

 例えば、

  • 借り手が見つからない
  • 賃料収入が期待どおりに得られない
  • 管理や維持の手間がかかる
  • 将来の売却や活用がしにくくなる

といったデメリットもあります。

 また、アパート経営などで借入れを行った場合には、空室が続くことで返済負担が重くなる可能性もあります。

 土地活用による節税効果は、立地や利用方法によって大きく異なります。空き地の活用を検討する際は、不動産会社だけでなく、相続税に詳しい税理士にも相談し、収益性と節税効果の両面から検討することをおすすめします。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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2026年8月4日

夏季休業日のご案内

弊事務所では、下記期間を休業とさせて頂きますのでご案内いたします。

休業期間中は何かとご不便をお掛けすることと存じますが、
何卒よろしくお願い申し上げます。

■夏季休業日 8月11日(火)~8月16日(日)

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