お知らせ

 喫煙に対する規制が強くなったこともあり、
 タバコの自動販売機(自販機)はかなりの数が姿を消しました。
 郊外に行けば、自家野菜や玉子を売る自販機を目にすることもありますが、
 街中で見かけるのは、飲料水や缶コーヒーの自販機ばかりになりました。

 コンビニやフードコートが広がるまでは、
 街角や人が集まる場所で一風変った自販機を目にしたものです。
 そんな、レトロな自販機を集めた「自販機食堂」が群馬県にあり、
 ちょっとした観光スポットとなっています。

 道路を挟んだ向かいにコンビニがあるものの、
 物珍しさに惹かれて訪れる人、当時を懐かしんで来店する客が後を絶たず、
 平日で100食、休日は200食を超える売上があるそうです。  

 現在のように、街角のいたるところに自動販売機が設置でき、
 販売を支えているのが、硬貨、紙幣の認識技術です。
 この技術に早くから取り組んだのが、立石電機(現 オムロン)です、

 最初に開発を手がけたのは食券自動販売機でした。
 私鉄の路線延長に備えて、百貨店が新駅に通じる地階に、
 新しく食堂コーナーを作る計画をしたのです。
 その食堂に、食券の自動販売機を導入する構想が持ちあがります。

 3種類の硬貨を利用し、偽造を見分け、7種類の食券を販売するという、
 開発陣も尻込みするほど、とても高い性能を要求されましたが、
 見事に完成させ63年に7台の納入を果たします。

 自動制御装置にコンピュータを組み合わせた技術は、
 次々と新しい製品に開花していきます。
 アメリカのメーカーの依頼で、食券の自動販売機の技術を応用した、
 クレジットカード用の自販機システムを手がけることになります。

 現地では、食事をする前に前払いする習慣が無かったため、
 いわゆる後払い形式のクレジットカード方式に切り替えての開発でした。
 製品発表は大々的にマスコミに取り上げられ、
 新聞やテレビで報道されましたが、一方販売は伸びませんでした。

 しかし、その技術は無駄にされることなく、
 銀行の窓口無人化システムにつながります。
 66年に金融会社から入った、紙幣自動貸出機の開発依頼を皮切りに、
 銀行向けのCD(自動預金支払機)を手がけ、
 ATM(自動現金引き出し、預け入れ装置)に引き継がれたのです。

 30年、オムロンの創業者 立石一真氏が独立開業を決意したのは、
 折からの不況で、勤めていた会社の希望退職に応じたものの
 就職口がみつからず、再就職できなかったからです。

 最初は、自らが考案した、ズボン挟み器(ズボンプレッサー)や
 ナイフグラインダー(包丁研ぎ器)を売り歩き、
 細々と生計を立てていましたが、持っていたお金も底を尽き、
 その日の米代まで不自由するようになります。

 途方にくれ、周囲に仕事がないかと訪ね歩いていたところ、
 友人がレントゲン撮影用のタイマーの話を持ってきてくれます。
 鮮明な映像を撮るために、20分の1秒を計る必要があったのですが、
 それまではゼンマイ仕掛けで、正確に測定できなかったのです。

 立石氏は、2ヶ月掛かりで2台の試作品を完成させメーカーに持ち込みます。
 大阪の病院で行われた、タイマーの立会い試験では、
 合格の結果を受け、はじめて大口の注文を受けることが出来たのです。
 こうして、「継電器(リレイ)」の専門工場として
 立石電機の基礎が出来上がったのです。

2026年2月から始まった所有不動産記録証明制度とは

今回は相談事例を通じて、所有不動産記録証明制度について、ご紹介します。

Q
今月のご相談

 先日、父が他界しました。相続人は私と母、妹の3人です。

 父の遺言書により、父の所有する不動産すべてを私が相続することになりました。父は趣味で不動産をたくさん所有している(昔の仕事仲間と共有状態の土地が多数)と聞いており、実際、毎年実家に固定資産税の納税通知書や課税明細書が届いていました。今はその書類を整理しているのですが、数が多く途方に暮れています。

 私は遠方に住んでおり仕事をしていますし、できる限りスムーズに相続する不動産を把握したいのですが、何かよい方法はありますか。

A-1
ワンポイントアドバイス

 2024年4月1日から相続登記の申請が義務化され、相続によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。

 従来の被相続人の不動産の調査には、

  • 権利証を探す
  • 固定資産税の納税通知書を確認する
  • 名寄帳を取り寄せる(その市町村で被相続人が所有するすべての不動産が確認できるもの)

などの方法があります。しかしながら、これらの方法の場合、非課税地や共有物件は一覧には載ってこないこともあることや、名寄帳も請求した市区町村内の不動産しか見つかりませんので、その他の“隠された不動産”を発見することができないリスクがあります。

 こうした状況の中、2026年2月2日より新しい調査の方法として、所有不動産記録証明制度が始まりました。

A-2
詳細解説

 所有不動産記録証明制度とは、相続登記の義務化に対応するため、被相続人名義の不動産を相続人が把握しやすくする制度です。

 登記官が、被相続人が所有者として登記されている不動産を一覧にまとめた証明書を交付することで、相続登記の手続負担を軽減し、登記漏れを防ぐことを目的としています。

 この証明を請求できる方は、所有権の登記名義人(法人を含む)及び登記名義人の相続人その他の一般承継人(法人を含む)で、ご相談者様もお父様の証明書を取得することが可能です。

 この証明書の請求は、すべての法務局・地方法務局に対して可能で、以下の必要書類を添付して行います(手数料が必要です)。

  • 印鑑証明書(請求書に実印を捺印するため)
  • 本人確認書類の写し
  • 戸籍など、所有権の登記名義人との相続関係・承継関係を証する情報(必要に応じて、過去の氏名や住所を検索条件とする場合、除籍謄本、除かれた戸籍の附票の写しなどの履歴を証する情報)

 請求をすると、

  • 氏名又は名称の前方一致、かつ、住所の市区町村までが一致している人
  • 氏名又は名称の前方一致、かつ、住所の末尾5文字が一致している人

 このルールに基づいて抽出された不動産から、検索条件と合致するものが選定され、記載された証明書が発行されます。なお該当する不動産がない場合には、その旨が記載された証明書が発行されます。

 そのため、検索する方が過去に氏名の変更をしていたり住所を移転していたりすると、検索の漏れを防ぐために、氏名住所の複数の組み合わせが必要となる場合がありますので、ご注意ください。

 ご相談者様も、この所有不動産記録証明制度を活用されてはいかがでしょうか。

[参考]
 法務省「所有不動産記録証明制度について

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。
返済が見込めそうにない貸付金も相続財産となるの?

返済が滞っている貸付金があります。このような貸付金は相続財産となるのでしょうか?

Q
今月のご相談

 夫が経営しているA社へ父がお金を貸しています。しかし、A社の業績が悪く、返済が滞っているようです。
 返してもらえるかどうか定かではないのですが、このような貸付金であっても、父が亡くなった場合、相続財産となるのでしょうか。
 また、生前に債権放棄した場合にはどうなりますか。

A-1
ワンポイントアドバイス

  お父様が亡くなった時点で貸付金が残っていれば、原則として相続財産に含まれます。また、生前の債権放棄にはさまざまなリスクがあるため、実行にあたっては慎重な検討が必要です。

A-2
詳細解説
1.本来の財産

 お父様が亡くなった時点で所有していた財産で、金銭的に価値のあるすべての財産に対して相続税が課税されます。具体的には、土地、建物、借地権(土地を借りる権利)、事業用(農業用)の財産、株式、公社債、投資信託、現預金、貸付金、家庭用財産(家電、家具など)、書画骨とう、貴金属、自動車、特許権、電話加入権、立木などが該当します。

 返済が滞っている貸付金であっても、回収が不可能または著しく困難と認められるなどの一定の場合を除き、相続財産に含まれます。

 この場合の「一定の場合」とされるものとは、以下のとおりです。

 債権金額の全部又は一部が、課税時期において次に掲げる金額に該当するとき、その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるときにおいては、それらの金額は元本の価額に算入しない。

(1)債務者について次に掲げる事実が発生している場合におけるその債務者に対して有する貸付金債権等の金額(その金額のうち、質権及び抵当権によって担保されている部分の金額を除く。)

イ 手形交換所(これに準ずる機関を含む。)において取引停止処分を受けたとき

ロ 会社更生法(平成14年法律第154号)の規定による更生手続開始の決定があったとき

ハ 民事再生法(平成11年法律第225号)の規定による再生手続開始の決定があったとき

ニ 会社法の規定による特別清算開始の命令があったとき

ホ 破産法(平成16年法律第75号)の規定による破産手続開始の決定があったとき

ヘ 業況不振のため又はその営む事業について重大な損失を受けたため、その事業を廃止し又は6か月以上休業しているとき

(2)更生計画認可の決定、再生計画認可の決定、特別清算に係る協定の認可の決定又は法律の定める整理手続によらない、いわゆる債権者集会の協議により、債権の切捨て、棚上げ、年賦償還等の決定があった場合において、これらの決定のあった日現在におけるその債務者に対して有する債権のうち、その決定により切り捨てられる部分の債権の金額及び次に掲げる金額

イ 弁済までの据置期間が決定後5年を超える場合におけるその債権の金額

ロ 年賦償還等の決定により割賦弁済されることとなった債権の金額のうち、課税時期後5年を経過した日後に弁済されることとなる部分の金額

 

(3)当事者間の契約により債権の切捨て、棚上げ、年賦償還等が行われた場合において、それが金融機関のあっせんに基づくものであるなど真正に成立したものと認めるものであるときにおける、その債権の金額のうち(2)に掲げる金額に準ずる金額

2.債権放棄した場合

 債権放棄した場合には、その分がA社の受贈益となります。

 これによってA社の株価が上がった場合は、株主への「みなし贈与」として贈与税の対象となる可能性が考えられます。

 さらに、他に相続人となる方がいらっしゃれば、もめる要素になりかねないため、慎重に進めていく必要があります。

 返済してもらえるかわからないからと安易に債権放棄してしまうと、トラブルに発展する可能性が考えられます。こういったお悩みがある場合は、当事務所までお気軽にご相談ください。

<参考>
相法9、相基通9-2、財基通205ほか

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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