お知らせ

 インターネットやスマートフォンの普及により、
 様々な情報が手軽に手に入れることができるようになり、
 雑誌や、いわゆるムック本の廃刊や休刊が相次いでいます。

 そんな雑誌不況の中、Gakkenが2010年に休刊となった
 「学研の学習」を復活させるそうです。
 発売は7月なのですが、4月に予約開始が発表されると、
 SNSで話題となり発売前の増刷となったそうです。

 同社は、親会社にあたる学研ホールディングス(学研HD)の祖業にあたる、
 出版事業を引き継ぐ会社で、
 出版不況のなか、学習雑誌の再活躍の場を模索しています。

 現在では考えられないことですが、昭和20年代の学校の教科書といえば、
 薄っぺらで内容の乏しいものでした。
 当時の先生達は、そんな内容であっても一生懸命、
 教え子たちに理解してもらおうと、工夫を重ねていました。

 そんな悩みを解消してくれるのが「副読本」でした。
 先生達が、良い副読本を探していることに目をつけ、
 ビジネスに結びつけたのが学研(現・学研HD)の創業者 古岡秀人氏です。

 短いながらも教壇に立った経験が大いに役に立ちました。
 教育の現場で教師たちが欲しているものが、何であるかが良くわかったのです。
 その後は、戦争を挟んで職を転々と替えることとなります。
 戦前には、生命保険の外交員、小学館の編集者、
 兵役を免れるため、戦争中は戦争遂行協力会社である金属メーカー勤務、
 戦後はいわゆる闇屋で生計を立てたのです。

 闇市で儲けたお金を元手に始めたのが学習雑誌の出版です。
 小さい頃からの母の教え、教職の経験、編集者の仕事、
 いろいろなことが結び付いて出た答えでした。

 人脈は、全くの新参者が販売ルートを開拓するのに大いに役に立ちました。
 教師を辞めた人達を営業マンとして組織化して、
 それぞれの人脈を通じて、学校に回ってもらったのです。
 学研は、今や教育出版をはじめとして総合出版会社となっています。

 教科書の副読本という、大手の出版社から比べると負け犬に近い分野でしたが、
 少しずつ信用を高めていきました。
 その信用が足がかりになり、教育関係の出版に乗り出すことが出来たのです。
 このことは、新規事業を始める時にはとても役に立ちます。

 大手が手掛けている、中心的な分野でビジネスを続けていて、
 いっこうに成果があがらない場合。
 手を付けやすい分野で、既存の業者よりも上手く出来ることが無いか探すことです。
 狭い分野でもひとつずつ信用を築いていくことが、
 新参者がビジネスを有利に進める近道になります。

所有権の登記名義人の死亡が登記簿でわかるように

今回は相談事例を通じて、所有権の登記名義人の死亡についての符号の表示制度をご紹介します。

Q
今月のご相談

 不動産登記において、所有権の登記名義人が死亡した場合、登記簿にその旨が表示されるようになると聞きましたが、どのような制度でしょうか。

A-1
ワンポイントアドバイス

 ご相談の制度は「所有権の登記名義人の死亡についての符号の表示制度」(改正不動産登記法第76条の4、以下、新制度)といい、2026年4月1日から施行されています。

A-2
詳細解説

 従来は、所有権の登記名義人が死亡しても、相続人等による相続登記の申請がされない限り、登記記録上に死亡の事実は一切表示されませんでした。そのため、登記簿だけを見ても名義人が存命かどうかを判断することはできず、民間事業や公共事業における事業用地選定の際などに、所有者の特定に多大な手間とコストを要するという問題が生じていました。

 新制度では、登記官が住民基本台帳ネットワークシステム(以下、住基ネット)等の他の公的機関から取得した情報を端緒として死亡の事実を確認した場合、職権により登記簿の所有権の登記名義人について「◇」(菱形)の符号を表示することができるとされています。

 登記官が死亡情報を把握する経路としては、住基ネットへの照会による死亡情報の取得や、長期相続登記等未了土地解消事業等の法務局の事務の過程において、死亡情報の把握をすることなどが想定されています。

 本制度により、登記簿を見れば相続登記が未了の不動産であっても名義人の死亡の事実を確認できるようになります。ただし、登記官が直ちにすべての死亡情報を把握できるわけではないため、符号の表示がないからといって、名義人が存命であることを保証するものではない点にはご注意ください。

 なお、この符号の表示はあくまで死亡の事実の公示であり、それ自体が相続登記の義務を直接生じさせるものではありません。

 もっとも、2024年4月1日に施行された相続登記の申請義務化(改正不動産登記法第76条の2)によって、相続により不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する義務がすでに課されています。正当な理由なく申請を怠った場合は、10万円以下の過料の対象となります(同法第164条第1項)。

 「◇」の符号が登記簿に表示された場合、登記官が所有権登記名義人の死亡の事実を確知しただけでなく、公示されているその不動産の登記記録を第三者が見た場合も、その不動産の相続が未了であることが一目瞭然となります。相続登記の申請をしていない不動産がある相続人の方は、符号の表示を一つの目安として、速やかに相続登記の手続きを進められることをお勧めいたします。

 相続登記の申請等については、個別の案件により必要となる手続きは異なりますので、お近くの司法書士へご相談ください。

[参考]
 法務省「所有権の登記名義人への符号の表示の制度

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。
会社を所有している場合の相続税の考え方

会社を所有している場合でも、会社の財産そのものが相続税の対象になるわけではありません。小規模な会社を例に相続税との基本的な関係を解説します。

Q
今月のご相談

 父は現在、自ら出資して設立した小規模な株式会社を経営しておりますが、後継者はおらず、将来的には父の相続発生後に会社を解散することも視野に入れております。

 なお、現時点での会社の財産は、預貯金50万円、在庫商品50万円、機械などの設備が200万円で、借入金はありません。

 将来の相続税の申告を見据えた場合、このような会社の資産も父の相続財産として課税対象になるのでしょうか。

A-1
ワンポイントアドバイス

 会社の財産は相続財産には含まれませんが、お父様が保有している株式は相続財産として評価の対象となります。たとえ、お父様の相続発生後に会社を解散する可能性がある場合であっても、相続発生時点における会社の価値(株式の評価額)に対して相続税が課される点を踏まえておきましょう。

A-2
詳細解説
1.会社の財産と個人の財産は別

 相続税は、被相続人が相続発生時点で所有していた財産に対して課税されます。

 株式会社は個人とは別の“法人”であるため、会社名義の財産は会社の所有物となります。

 したがって、ご相談にある

  • 預貯金
  • 在庫商品
  • 機械などの設備

といった資産はお父様個人の財産ではなく、これら自体が直接相続財産として課税されることはありません。

2.相続税の対象となるのは株式の評価額

 一方で、お父様は会社のオーナーとして株式を保有しています。

 このため、基本的には会社の資産そのものではなく、株式の評価額が相続財産となります。

 相続発生時点において会社に資産があれば、その価値は株式の評価に反映されるため、結果的に相続税へ影響を与えることになります。

3.小規模会社の特徴と確認しておきたいポイント

 中小企業の株式は市場価格がないため、会社の規模(大、中、小)、経営状況などに応じて、

  • 類似業種比準方式
  • 純資産価額方式
  • 配当還元方式

などにより評価されます。

 本件のように小規模といわれるような会社では、純資産価額方式を基礎として評価が行われる場合があり、資産内容等に応じて評価額が変動し、想定より高くなることもあります。

 また、後継者がいない場合でも、相続発生時点に会社が存続していれば、その時点の会社の状況が株式の評価額に影響する点に注意が必要です。

 そのため、ご相談のようなケースでは、

  • 現時点で株式にどの程度の評価額が見込まれるのか
  • 将来的に会社を解散・清算する場合の影響

といった点を事前に把握しておくことが重要となります。

 会社を所有している場合、相続は単なる個人資産の問題ではなく、株式という形で会社の価値が反映される点が大きな特徴です。

 将来を見据え、現時点での状況を把握しておくことが、無理のない相続対策につながります。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。
ページトップに戻る