お知らせ

 ぼんやりとSNSのおすすめ表示を流し見していると、
 有名人や偉人の名言、格言の投稿が繰り返し表示されることがあります。
 つい最近も、任天堂の山内溥氏について投稿があったので、
 珍しいな思っていたところ、
 5月24日は、2002年に社長の退任会見を行った日でした。

 山内氏は、現在の任天堂の基礎を築き上げ、
 ゲームコンテンツの枠を超えて、世界中に新たな楽しみを与え続けました。
 半面、そこに至るまでの道のりは平たんではなく、
 紆余曲折があったのも確かで、
 その失敗は、今を生きる経営者の教訓として活きるものではないでしょうか。

 大企業が、人やお金をどんなにつぎ込んでもファミコンは作り出せなかった。
 新しいものは、たくさんの人の知恵で作り出せるのではなく、
 優秀な社員の発想と、それを見極められる経営者トップの目利きにあるのです。

 商品を仕入れて販売する業種の小売業や卸売業では
 想像もつかない20%を超える経常利益率。
 そして、製造業や外食産業などの労働集約型の会社では、
 真似のできない社員の少なさです。

 それを維持できているのは、ハード、ソフトともに、
 ほとんどを自社では作っていないからなのです。
 ゲーム機の本体はというと、
 自社で工場を持たず外部に委託して生産させています。

 ゲームソフトも自社で開発するものはごく一部で、
 大半はライセンス契約をしたうえで、
 ソフトウエア・メーカーが開発しています。

 ライセンス契約の中身は、任天堂にとって有利になっています。
 販売を許可したソフトは、カートリッジ1本について数千円、
 規定の本数以上注文しなければならないのです。

 この契約により任天堂は、そのソフトが全く売れなくても
 数千万円の売上が計上されることになるのです。
 当然、作品がヒットすると、その本数に応じたロイヤリティーが
 任天堂に入ることになります。

 若干22才で会社の跡継ぎとなったのが山内氏でした。
 家業である花札の普及を土台にして、
 トランプカードへ事業拡大し、日本一のカードメーカーとなるのですが。
 その将来に希望を持てず、様々な事業に手を染めます。

 脱カードを目指し、ホテル経営、タクシー会社、
 インスタント食品に手を出すが、ことごとく失敗。
 簡易コピー機、文房具、学生用の教材、運動具、育児用品など
 多角化を図るのですが、ことごとく失敗、
 借金で何時潰れてもおかしくない状態となってしまします。

 光線銃が空前の大ヒットし、エレクトロニクスの分野に
 足を踏み入れることになり、その後の礎を築くことになります。
 成功と失敗を繰り返し試行錯誤の末、たどり着いた会社の基盤。
 数々のヒット商品の陰には、無名な社員の発想があり、
 それは会議の中から生まれることが無いことを、経験を持って学んだのです。

 この、金のなる木も、業界のパイオニアであったからこそ
 築くことが出来た方法だったのでしょう。
 その根底には、古都の老舗が受け継いできた
 「細く永く、商いを続ける」経営精神が流れているのかも知れません。

相続後の“出口戦略”と取得費加算の活用

相続した不動産は、「保有する」だけでなく「売却する」ことも含めて検討することが大切です。相続税と売却時の税負担を見据えた対応が、財産を守るうえでのポイントとなります。

Q
今月のご相談

 相続で取得した不動産の売却を検討しています。相続税はすでに納めていますが、売却時にも税金がかかると聞き、不安に感じています。こうした負担を抑える手段として「相続税の取得費加算(以下、取得費加算)」があると聞きましたが、どのように考えればよいのでしょうか。

A-1
ワンポイントアドバイス

 不動産の相続では、相続後にどのように活用・処分するかという視点も重要になります。売却を選択する場合には、取得費加算のような制度を活用することで、税負担の調整が可能となる場合があります。

A-2
詳細解説
1.不動産相続は「相続後」も含めて考える

 不動産の相続というと、相続税対策に目が向きがちですが、実務上は相続前の対策に加えて、相続後の対策も重要です。

 相続した不動産については、

  • そのまま保有する
  • 賃貸などで活用する
  • 売却して整理する

といった選択肢があり、どの方法を選ぶかによって、その後の負担や手取りが変わってきます。

 特に、

  • 納税資金を確保する必要がある場合
  • 利用予定のない不動産を整理する場合
  • 維持管理の負担を見直したい場合

には、売却を視野に入れた検討が行われることも少なくありません。

2.売却時に生じる税負担

 相続した不動産を売却した場合には、譲渡所得に対して所得税・住民税が課税されます。

 そのため、

「相続時に相続税を納めているにもかかわらず、売却時にも税金がかかる」

という点に、負担を感じる方もいらっしゃいます。

 相続税と所得税は、それぞれ異なる目的の税金として課されるものですが、こうした負担も踏まえて検討することが重要です。

3.取得費加算の位置づけ(出口戦略として)

 こうした場合に活用が検討される制度の一つが、「取得費加算」です。

 この制度は、相続や遺贈により取得した不動産を一定期間内に売却した場合に、支払った相続税の一部を取得費に加算できる仕組みです。

 取得費加算は、相続税そのものを軽減する制度ではありませんが、相続後の売却まで見据えた対策として活用が検討される制度といえます。

4.取得費加算による税負担への影響

 相続税を納付した方が、相続した不動産を売却するケースでは、取得費加算の適用により譲渡所得が圧縮され、その結果として売却時の税負担が軽減される場合があります。

 もっとも、その効果は、取得した財産の種類や不動産の評価額、相続税額、売却価格や取得費などによって異なるため、制度の活用にあたっては個別に試算を行うことが重要です。

5.活用にあたっての留意点

■ 適用期限がある

 取得費加算は、相続税の申告期限の翌日から3年以内の売却が要件となります。

■ 売却には一定の期間を要する

 不動産の売却には、

  • 買主の選定
  • 測量や境界確認
  • 契約・引渡し

などの手続きがあり、一定の期間を要することが一般的です。

■ 全体での判断が重要

 不動産の相続では、

  • 相続税
  • 維持管理のコスト
  • 売却時の税負担

などを総合的に踏まえて判断することが重要です。

 不動産の相続においては、相続時点の対応だけでなく、その後の活用や売却も含めた検討が求められます。取得費加算は、こうした相続後の対応において、売却時の税負担を調整する手段の一つとして活用が検討される制度です。相続した不動産の取り扱いについては、状況に応じた判断が重要となるため、専門家へご相談いただくことをおすすめします。

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生命保険への加入は相続対策になる?

相続対策になるからと、生命保険への加入を勧められましたが、本当に対策になるのでしょうか?

Q
今月のご相談

 今年で70歳を迎え、相続について真剣に考えるようになりました。生命保険に加入していないため、推定相続人である子ども2人から、余剰預金があるのなら相続対策として生命保険に入ったらどうか、と提案されたのですが、本当に相続対策になるのでしょうか? なお、私の財産は自宅マンションと預金を合わせて5,000万円程度です。

A-1
ワンポイントアドバイス

 生命保険は預金等よりも有効とされるポイントがいくつかあり、相続対策において有効と考えられます。

A-2
詳細解説

 生命保険への加入は相続対策として有効と考えられ、「相続財産の評価」「遺産分割」「流動性資金の準備」の3つの面で、メリットがあります。

1.相続財産の評価

 現預金は100%相続税の課税対象になりますが、死亡保険金には以下の非課税枠があります。ただし、契約者・保険料負担者・被保険者が同一人で、死亡保険金受取人が相続人の場合に限ります。

死亡保険金の非課税枠=500万円×法定相続人の数(※)
  1. (※)法定相続人の数は、相続を放棄したとしてもその放棄がなかったものとした場合の相続人の数です。
  2. (例)法定相続人が子2人の場合、非課税枠は500万円×2人=1,000万円となります。
2.遺産分割

 生命保険の場合、受取人をあらかじめ指定するため、大切な人に確実に資産を遺すことができます。法定相続人以外にも財産を遺せます。ただし、原則、死亡保険金受取人は被保険者の配偶者または2親等内の血族の範囲内で指定することになります。

 保険会社によっては配偶者や2親等内の血族以外の人を受取人として認める場合もありますので、事前に保険会社へ確認されるとよいでしょう。

3.流動性資金の準備

 相続が発生して銀行口座が凍結された場合、預金は容易に引き出せなくなります。しかし、死亡保険金は受取人からの請求により速やかに支払われますので、葬儀費用や入院費用、当面の生活費等に充てることができます。

 このようにメリットはあるものの、保険料として支払った分だけ預金残高は当然減ります。どういった資産の種類をどのような割合で保有しておくことが最適かは、その方のライフスタイルに応じて異なります。また、一度決めたとしてもその後の年齢や住環境の変化により変わる場合もありますので、定期的に見直すことが重要となります。相続対策に関するご相談は、当事務所にお気軽にお問い合わせください。

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